俺様はネコなのだ〜猫は異世界に行ってもネコ〜

わんこ

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本編

第7話 俺様の誘拐事件と帰る場所

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俺様は細い裏道を歩いているのだが、困ったのだ。ここが何処だか解らない。
人の気配がしたら物影に隠れて、過ぎ去ったらまた歩きだして。

しばらく歩いてから考えたのだ。俺様は何処へ帰ればいいのだ? あの家にはもう帰れないのだから帰る場所がないのだ。ママも シローも パパにも、もう会えないのかな。

すっかり暗くなって、どこかでコタツをだして休もうかと思っていたら、賑やかな声が聞こえてきたのだ。木箱の影から覗いてみると、通りにテーブルを並べて大声で話している人たちが見えたのだ。
あれは”酒場”とか言う店だな。俺様は騒がしいのは苦手なんだけどな。今日はちょっと人の相手がしてみたい気分なのだ。

店の前のテーブルの近くまで行って、行儀よくお座りして「にゃぁ」と言ってみた。初対面の人にはこのポーズが一番ウケるからな。ヌコ嫌いの人じゃなかったらいいんだけど。

「お? ヌコがいるぞ」
「綺麗な白ヌコだな。こりゃ高く売れるぜ?」

この人たちはダメだな。逃げたほうが良さそうだ。立ち上がって店から離れようとしたら奥のテーブルから声がした。

「おーい、みーちゃんじゃねえか!」
「よう! みーちゃん、こんな所で珍しいな」

あっ、臭い人ハンター達だ!

俺様は思わず小走りで臭い人ハンター達の方へ走って行った。

「おうおうおう! そこの旦那よ! おまえ今なんて言った? みーちゃんに手を出すなら、町のハンター全員が相手になってやるぜ! 覚えておきな!」

うわー酔っ払ってる。でも、ちょっと嬉しいかも、なのだ。テーブルに飛び乗って臭い人ハンター達を見上げてみる。ちょっと臭いけど、仲間と思ってくれるんだな。

そうだ、お土産をあげよう。えーと、確か収納の中に・・・これだ!
テーブルの真ん中に、どどん~とネズミが積み上がった。美味しくないから贈り物に最適なのだ。

「うっぉぉ、みーちゃん、それは・・・・ありがてーけどイラネーよ」

やっぱりそうか、俺様も要らないからな。じゃあ他の要らないものは・・・これがいいな。

「おおおお! ワインじゃねえか! このマークはドロセルのワインか!!!」
「んだと? すげー高級ワインだぜ」

臭い人ハンター達は大喜びしてるな。よかったよかった。白髭の爺さんギルドマスターの部屋で獲ったヤツだから、美味しいんじゃないかな。俺様は酒は飲まないから要らないしな。

すごく騒がしいから臭い人ハンター達は苦手、だけど安心できるな。俺様は臭い人ハンター達の仲間になってしまったのか。ちょっと納得できないけどな。

お酒で盛り上がってる臭い人ハンター達を見ていると、ちょっと小腹が空いてきた。今なら見てないから、この隙にお皿から肉を頂くのだ。お肉を咥えて頭を上げると目が合った。やばい? あれ? 怒られなかったぞ。ママはいつも怒るのにな。「好きなだけ食え」って言ってるけど、ひと切れで俺様の頭くらいの大きさだからな。これで十分なのだ。

「オレ達は、そろそろ宿に帰るけどよ。みーちゃんはどうすんだ?」

そう聞かれても、ちょっと困るのだ。どうしようかな。

「ギルドに連れていけば良いんじゃねか? いつもギルマスの椅子で寝てるらしいぜ」
「あれ? あの部屋には結界の魔道具がなかったけか?」

そっか、ギルドか。俺様はギルドに帰ればいいのか。

「おやじ~! 代金ここに置いていくぜ~! ほら、みーちゃん行くぜ」

俺様はちょっと臭いをチェックして、一番臭くない人の肩に飛び乗った。
お酒の臭いもするからな。ちょっと複雑な臭いだけどガマンしてやろう。

肩につかまってしばらく進むと、見覚えのある建物が見えてきたのだ。ハンターギルドだ。初めて来た時もこうやって肩につかまっていたっけな。

商店街を抜けたらハンターギルドに到着なのだ。何だか、夜だと言うのに人が多いな。何かあったのか? 茶色の女の人エヌエラも居るな。

「あれ? みなさんこんな時間にどうされたんですか? え? みーちゃん?!」

「オレ達、ハンスの酒場で飲んでたんだけどよ、みーちゃんが居たから連れてきたけど、何かあったのか?」

うわ、うわ、一番臭い人ガイルも居るし、こっち来んな、臭いからな。

「ガハハハ!! ほーら、やっぱり帰ってきたじゃねえか」
「ヌコ様、無事で何よりです」

商人さんギヨムも居る。こんな時間に何をしているんだ?
肩から飛び降りて、さっと臭い人ガイルの足元を走り抜けて、受付の机の上に飛び乗る。

「それじゃ、オレ達は宿へ引き上げるぜ、じゃな」

酒場の臭い人ハンター達が帰っていったら、臭い人ガイルが目の前までやって来た。やっぱ臭いな。こいつが1番くさいのだ。
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