小説主人公の悪役令嬢の姉に転生しました〜モブのはずが第一王子に一途に愛されています〜

みかん桜

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王子の茶会

 とうとう明日は第一王子主催のお茶会の日。公爵領の本邸からでも王城まで数時間の距離ではあるけれど、念の為前日から王都にあるタウンハウスにやってきた。
 もちろん、私も行きたいと駄々を捏ねたメアリーも一緒に。王城にも行きたいと言い出さないか不安でしかない。

 不安事項はもう一つある。それは3歳年上のお兄様は側近候補に、殿下と同い年の私は婚約者候補に選ばれるようにとお父様から言われていること。
 私の予想通りお父様は私を第一王子の婚約者にしたいみたいだけど、どうすれば候補になれるのかなんて分からないのに…。

 うちは高祖父が元王子で、臣籍降下する際に公爵の爵位を与えられできた家。それから長らく直系の女子が産まれず、また王族も王子ばかりが誕生していたので結びたくても結べなかった婚姻関係。それが漸く結べる可能性がでてきたのだ。お父様が張り切るのも分からなくもないけれど。

 お茶会とはいえ第一王子主催。しかも婚約者に選ばれるためにと父の厳命によりメイドに髪や体にオイルやクリームを塗りたくられ、7歳とは思えないほど良い香りをさせて就寝した。







 翌朝、やっぱりというかなんというか…メアリーもお茶会に参加したいと駄々を捏ねだした。宥めることもできず時間だけが過ぎ、付き添いの親が待つ控室までなら連れて行っても許されるだろう。と結局4人で王城に向かった。

 馬車を降り、父とメアリーは王宮内の控室に、私と兄はお茶会が行われる王宮の庭園に案内され、兄とは別のテーブルについた。どうやら側近候補と婚約者候補とテーブルを分けているみたい。

 しばらくして第一王子が会場に入ってきた。金色の髪に王族特有の金色の目。将来は確実にイケメンに育つであろう王子様の登場に、令嬢たちだけでなく令息たちも顔を真っ赤にしている。

 お茶会がスタートし、側近候補であろう令息たちがいるテーブルから第一王子が周りだしてしばらくした頃、入り口からありえない人物の声が聞こえてきた。

「王子様っ」

 えっ、メアリー!?

 公爵家とはいえ流石にまずい。騎士達は何をしていたの? これって強制力なの?


 …………強制力…?


「?? 君は誰かの付き添いかい?」
「申し訳ございませんっ。間違えてこちらに来てしまったようです」

 お父様が慌ててメアリーを連れ出し事なきを得たが、私はそれどころではなかった。

 殿下とメアリーの二人が並んだあの一瞬でものすごい量の情報が頭に流れてきたのだ。なんとか耐え倒れずに済んだけれど、正直その後のお茶会で何があったか、何を話したのか全く覚えていない。


 この情報が事実なら、私はものすごく面倒な世界に産まれてしまったことになる。



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