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25.日向の誕生日 side光琉
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カチャカチャ。グォーン。ピーピー。
クッキーにマフィンにフィナンシェ、マドレーヌにマカロン、そしてエクレア。日持ちするものを中心に…エクレアは早めに食べるよう伝えて…残った材料でフロランタンも作れそうだな。
キッチンを占領して日向に渡すスイーツ作りをしていたら、姉貴が帰ってきたようだ。
「それ、日向くん用のスイーツ? 今回多くない?」
「誕生日用だから」
つか入ってくんなよ。
「朝帰りの相手ベータだろ。香水臭いんだけど」
「失礼ね。それにしても見事にシナモン味とバニラ味ばっかり。まだ付き合ってすらないのに」
「黙れ」
普段キッチンに入らないくせに、俺が使ってる時だけ邪魔しに来やがって。
「ふーん。お姉様にそんな態度取って良いのかしら? せっかく新たな日向くん情報があるのに」
「なんだよ」
前に偶然会ったあの日から、姉貴は日向のお姉さんと親しくしているらしい。どうせくだらない内容だろうけど仲良くしてくれるのは、まぁ悪くない。
「で、日向の情報は」
何で姉貴から聞かなきゃいけないんだ、とイラつきながらも聞いてしまう。
「日向くんね、小さい頃からいちご味のスイーツが好きみたいよ」
「は?」
知ってるけど。
「バニラじゃなくて残念ね」
「今一番好きなのはバニラ。小さい頃からいちご味好きだってことも知ってる」
「そうなの? なぁんだつまんない」
どうせなら新情報持ってこいよ。つか匂いが移る前にさっさと出ていけよな。
「それにしても健気っていうか…こういうのヘタレって言うのかしら? さっさと告白すればいいのに。アルファのくせに情けない」
「もういいから出てけって」
俺だって分かってるよ。でも日向は運命の相手だから俺を気にしてるだけだで、まだ俺自身を好きじゃない。
運命の相手じゃなければ俺だってもっと攻めた。でも運命の相手じゃなかったら…出会い方が違えば日向との関係も違ってたかもしれないし。だからこれでいい。確実に手に入れることにかわりないから。
姉貴をキッチンから追い出し、再びスイーツ作りに励む。
誕生日ケーキまで作るのはやり過ぎだと、作りたいなら付き合えと周りが煩いから今年は諦めた。来年は誕生日ケーキも手作りできると良いなぁ…1日ずっと二人きりで過ごして…夜は…
あー、早く明日にならないかな。日向に会いたい。
*
『もしもし』
「誕生日おめでとう、日向」
『ありがとう。メッセージの返信した瞬間電話鳴ってびっくりした』
0時になってすぐメッセージアプリでお祝いの言葉を送り、日向が起きていたら電話しようって決めてたんだ。
「ごめんね。すぐ既読になったからまだ起きてるかなって思ったら電話してたよ」
『いや……嬉しいから。あ、ありがとう』
絶対今顔赤い。絶対可愛い。あー、テレビ電話にすればよかった。
「そうだ日向。明日待ち合わせの時間まで予定ある?」
『ゲームでもしよっかなって思ってる』
「なら出かけない? 前に行ったパンケーキのお店、また行きたいって日向言ってたし、明日行こうよ」
『い、いいよ』
「車で迎えに行くね。明日は誕生日なんだから遠慮はなしだよ」
スイーツも箱詰めしたし、買っておいたサマーストールも準備できてる。明日のプランをもう一度シュミレーションしてから寝よう。
『うっ、分かった。じゃあ寝坊しないよつにもう寝るわ。おやすみ』
「おやすみ、日向」
クッキーにマフィンにフィナンシェ、マドレーヌにマカロン、そしてエクレア。日持ちするものを中心に…エクレアは早めに食べるよう伝えて…残った材料でフロランタンも作れそうだな。
キッチンを占領して日向に渡すスイーツ作りをしていたら、姉貴が帰ってきたようだ。
「それ、日向くん用のスイーツ? 今回多くない?」
「誕生日用だから」
つか入ってくんなよ。
「朝帰りの相手ベータだろ。香水臭いんだけど」
「失礼ね。それにしても見事にシナモン味とバニラ味ばっかり。まだ付き合ってすらないのに」
「黙れ」
普段キッチンに入らないくせに、俺が使ってる時だけ邪魔しに来やがって。
「ふーん。お姉様にそんな態度取って良いのかしら? せっかく新たな日向くん情報があるのに」
「なんだよ」
前に偶然会ったあの日から、姉貴は日向のお姉さんと親しくしているらしい。どうせくだらない内容だろうけど仲良くしてくれるのは、まぁ悪くない。
「で、日向の情報は」
何で姉貴から聞かなきゃいけないんだ、とイラつきながらも聞いてしまう。
「日向くんね、小さい頃からいちご味のスイーツが好きみたいよ」
「は?」
知ってるけど。
「バニラじゃなくて残念ね」
「今一番好きなのはバニラ。小さい頃からいちご味好きだってことも知ってる」
「そうなの? なぁんだつまんない」
どうせなら新情報持ってこいよ。つか匂いが移る前にさっさと出ていけよな。
「それにしても健気っていうか…こういうのヘタレって言うのかしら? さっさと告白すればいいのに。アルファのくせに情けない」
「もういいから出てけって」
俺だって分かってるよ。でも日向は運命の相手だから俺を気にしてるだけだで、まだ俺自身を好きじゃない。
運命の相手じゃなければ俺だってもっと攻めた。でも運命の相手じゃなかったら…出会い方が違えば日向との関係も違ってたかもしれないし。だからこれでいい。確実に手に入れることにかわりないから。
姉貴をキッチンから追い出し、再びスイーツ作りに励む。
誕生日ケーキまで作るのはやり過ぎだと、作りたいなら付き合えと周りが煩いから今年は諦めた。来年は誕生日ケーキも手作りできると良いなぁ…1日ずっと二人きりで過ごして…夜は…
あー、早く明日にならないかな。日向に会いたい。
*
『もしもし』
「誕生日おめでとう、日向」
『ありがとう。メッセージの返信した瞬間電話鳴ってびっくりした』
0時になってすぐメッセージアプリでお祝いの言葉を送り、日向が起きていたら電話しようって決めてたんだ。
「ごめんね。すぐ既読になったからまだ起きてるかなって思ったら電話してたよ」
『いや……嬉しいから。あ、ありがとう』
絶対今顔赤い。絶対可愛い。あー、テレビ電話にすればよかった。
「そうだ日向。明日待ち合わせの時間まで予定ある?」
『ゲームでもしよっかなって思ってる』
「なら出かけない? 前に行ったパンケーキのお店、また行きたいって日向言ってたし、明日行こうよ」
『い、いいよ』
「車で迎えに行くね。明日は誕生日なんだから遠慮はなしだよ」
スイーツも箱詰めしたし、買っておいたサマーストールも準備できてる。明日のプランをもう一度シュミレーションしてから寝よう。
『うっ、分かった。じゃあ寝坊しないよつにもう寝るわ。おやすみ』
「おやすみ、日向」
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