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会長と庶務
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しおりを挟むそのまま大きなマンションに連れてこられ、部屋に入った途端に荒々しいキスをされた。
「……んんっ…!」
その激しさに驚いて、びくんと身体が反応する。
思わず後ずさると、壁に身体を押しつけられた。
「…ふぅっ、…ぅ…ん、」
玄関に、淫らな水音と俺が漏らした声が響く。
「……俺ね、」
唇が離れた途端力が抜けて座りこんでしまった俺を、ぎゅうっと抱きしめながらあなたは言った。
「シノちゃんを大事にしたいって、思ってて…でも、そのせいで不安にさせてたんだね」
腕の中はあたたかくて、その言葉は優しくて、涙が溢れた。
「ごめんね?」
俺は何も言えなくて、ただ首を振った。
「……そういう顔、川崎達の前でしたらダメだよ?」
「……え?」
「ううん、なんでもない。それよりさ…」
よいしょと俺の身体を離すと、あなたのシャツは俺の涙やら鼻水やらでひどいことになっていた。
「……っすいませんっ」
慌てて謝ると、違うよとあなたは笑う。
「これ以上くっついてたら、我慢できなくなっちゃいそう」
「え…」
「送ってくから、ちょっと待ってて」
あなたはそう言うと立ち上がった。
俺は思わず、その腕を掴んだ。
「……っいいです、我慢しなくて、俺…会長なら…じゃなくて…会長が、いい…」
「……シノちゃん…」
「あなたのものに、なりたい」
言ってから、すごく恥ずかしくなってしまった。
顔がすごく熱い。
俺はそれをごまかすように、あなたにぎゅっとしがみつく。
甘い香水の匂い。
彼の匂い。
いつからだろう。
あなたのことばかり、考えるようになったのは。
あなたのことを、こんなに感じるようになったのは。
「……シノちゃん、かわいすぎ」
そのまま部屋に入り、またキスをして、そのままもつれるようにベットに倒れこんだ。
我慢できないと言ってたのに、あなたはすごく時間をかけて俺を抱いた。
必死で声を押し殺そうとしている俺を見て、またかわいいと言って微笑んだ。
挿れられる時はやっぱり痛かったけど、それよりも彼と一つになれることが嬉しくて、胸がいっぱいで。
「っああっ…!」
「……、シノちゃんのなか、すっごい…」
「……っ!」
「……俺も、不安…」
「……え?あ、っ!」
「シノちゃん、壊しちゃいそう」
「……っいっぱい、いっぱい壊して…っ」
ぎゅっとしがみつきながら言う。
「ぐちゃぐちゃにして…」
「……シノちゃん、」
いつも上手く言葉にできなくて。
あんなに傍にいたのに、想いを告げる事すら出来なかった。
あなたが俺のことを受け入れてくれてからも、ずっとずっと…怖くて本当の気持ちを伝えることが出来なかったんだ。
……それに…
もうとっくに壊れてる。
あなたに出会ってから、俺は…。
俺の心は、ずっと壊れたままだ。
自ら腰を動かし、求めた。
「……っあ、」
鋭い痛みと、甘く痺れるような感覚。
「んっ、あぅ、あ…!」
「……ヤバいって、それ…」
「…か…いちょ…」
……だって、欲しいんだ
一番じゃなくてもいいから。
あなたと繋がっていたいんだ。
あなたを感じていたいんだ。
「……っ、あんまり煽らないのっ」
あなたはそう言うと、俺の腰を掴んだ。
それからは、夢中でお互いを貪りあった。
息をつく間もなく押し寄せてくる快感の波に、俺は溺れた。
身体の痛みはいつの間にか全然感じなくなっていた。
でもそれは、俺が辛くないようにあなたが気遣ってくれていたからだろう。
自分を変えてしまうほどの恋。
壊してしまうほどの恋。
それはとても不安定で、これから先のことなんて全然わからない。
「……ねぇ、シノちゃん」
散々抱き合ったあと動けない俺を抱きしめて、髪を撫でながらあなたは言う。
「会長じゃなくて、恭介って呼んでよ」
……あぁ、もうダメだ
「……無理です」
「ええー?なんで?」
「……恥ずかしいから」
……あなたしか、見えない
胸に顔を押しつけると、あなたは笑った。
「じゃあ、恭ちゃんでもいいよ」
「……もっと無理」
「会長命令ね~」
「………」
あなたは俺の頭を撫でながら、守れなかったら全校生徒の前でチューするよ、と子どものような笑顔で言った。
end.
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