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第1章 1
しおりを挟む「……なあ、」
参考書や教科書が広げられているテーブルに顎を乗せ、那波がげんなりした様子で呟いた。
「なあってばー」
……またかよ、
読んでいた本から顔をあげて、大きな溜め息を吐く。
「あ、おまえ今ウンザリしただろ」
「うん。で、どこがわかんないの?」
「全部」
「帰れ」
「ヤダ。……てかもう、何がわかんないのかわかんないってゆうか」
「………」
……じゃあ教えようがないだろ…
呆れかえっていると、今度は眠いと言いだした。
「……じゃあ寝れば?俺も眠いし」
すげなく言うと、本を閉じて立ち上がる。
「……けどコレ、明日までに出さねぇと単位くれねえって」
「……そんなん知るかよ。てゆうかそんな大事な課題、なんで放ってたんだよ」
「やろうとは思ってたけど…つい?」
ハイハイ、と那波がくわえた煙草をもぎ取った。
「ついつい遊んじゃったわけね。おまえの言い訳ってガキん頃から全然変わんないね。それとここ禁煙」
ケチ、とムクれる那波。
深夜に人の部屋に押しかけてきた挙げ句、課題まで手伝わさせておいてこの言い草。
厚かましいにも程がある。
……まぁ、今に始まった事じゃないけどな
相手にするのをやめて、ベランダに干していたタオルを取ると風呂場に向かった。
すると部屋から声が聞こえてくる。
「一緒に入るー?昔みたいにさあ」
「ワケわかんねーこと言ってないで、それさっさと終わらせろよ」
俺は素っ気なく言うと、風呂場のドアを閉めた。
……ったく、今まで何回付き合わされたことか…
湯船に浸かり、風呂場の白い壁から滴り落ちる雫をぼんやりと眺める。
あいつは昔からそうだった。
後で自分が困るのはわかってるのに、やらなきゃいけないことは全部後回しで楽しいことや興味があることにはすぐ飛びついて。
……忍耐力がないんだよな…
結果、その何度言っても治らない悪癖の被害は周囲に及ぶ。
とゆうか、主に俺に。
甘いよなぁと自分でもつくづく思うけど。
那波に頼られるとどうしても無下には出来ない。
腐れ縁ってやつだ。
俺と那波は幼なじみだ。
家も近所で、よく一緒に遊んだ。
だけど性格は正反対で、俺はどちらかというと大人しく部屋で本を読むのが好きだった。
それに対して那波は、とにかくじっとしているのが苦手でいつも外で暴れまわっていた。
性格の違いは、中学にあがると更に顕著になった。
俺はそう目立ちはしないものの、勉強するのが嫌いではなかったからそれなりに成績は良かった。
那波はというと成績はかなり悪かったが、ノリが良く騒ぐのが好きだったのでクラスの人気者だった。
でもだからといって距離ができるわけでもなく、俺達はいつも一緒にいた。
よく変な組み合わせだと笑われたけど、俺達にとってはそれが自然だった。
お互いに、隣りにいる事が当たり前だったんだ。
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