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Xmas編
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しおりを挟む「……で?」
「……や、だから…説明すんのめんどいから省略するけど…」
「するなよ」
「てゆうか飲み会じゃなかったのかよ!!なに女の子とイチャこいてんだ!」
「説明すんのめんどいから省略。てか話逸らすな」
「………。だからさ…その…たぶん俺を一番大事にしてくれてんのって、おまえだと思ったんだよ、さっき突然」
「ほんと突然だな。……てゆうかいきなり結論?」
「仕方ないだろ!そう思っちゃったんだから!」
俺だってびっくりしたんだよ!!
「……まぁでも、そうかもな」
「……え?」
巽はあっさりと言った。
「俺はおまえが一番大切だよ」
「……えええ?!」
まさかの告白。
だっておまえ、それって…!
「……おまえ俺のこと好きなの?!」
「…………たぶん」
「んだよ今の間はああっ」
てゆうか、たぶんってなんだぁぁぁ!!
「だって俺、男いけっかわかんねーし」
「……わかんねーって…」
……確かにそこは大事だけどさ…
「好きっつっても、友達とか家族みたいな好きかもしんないし。おまえもいきなり俺とそういう関係になるとか、なんか想像できなくね?」
「……う」
「それに、もしダメだったら友達に戻るとか無理だろ」
「………」
「おまえ、それでもいーの?」
「……んなの、わかんねーけど…」
じゃあ別れなきゃいいんじゃん!!
とゆうことで、もうなんてゆうか衝動にまかせてキスしてみた。
「………」
「………」
「……俺とキスすんの、嫌?」
「……嫌じゃない」
「マジで?!」
「けど、なんか変」
……変って…
「ヘタくそ。だからフラれんじゃん」
……なぁおまえほんとに俺の事好きなのか?!
あまりの言いように泣きそうになっていると、巽の手が頬に触れた。
「……キスってゆうのは、こうすんだよ」
「……んぐ?!」
ぐいっと抱き寄せられて、また唇を重ねた。
でもそれは、さっきとは全然違う…大人のキスだった。
「……ふ、っ……んっ」
頭がくらくらする。
……信じらんねえ…
どうしよう俺、巽とキスしてる。
しかも、なんかすげえ気持ちいい…。
唇が離れても、俺はしばらくその余韻に浸っていた。
「巽って意外と激しいよねぇ~」
「……うん…って、いつ戻ってきたんだよ!!」
「え~?さっき」
いや、だからなんで普通にいるんだよ?!
てゆうかすっかり忘れてたけどこの女!!
はやくも現れた(?)俺の宿敵!!
「あははっ、淳くん顔真っ赤~」
「うっせえ!!」
「あ、さっきのチュー、写真撮っといたよ」
はぁぁぁあ?!
「何してんだあんた!!」
「巽、あとで送っとくね」
「あぁ、」
「はぁぁぁっ?!」
「じゃあ、あたし帰る~」
「ちっ、ちょっ…」
送る、と言って巽が立ちあがる。
「いーよ、タクシー拾うから。でもよかったね~巽」
「うるさい」
「淳くーん、巽ねぇ夕方死にそうな声で電話かけてきて…」
「え?」
「あーもうやっぱ送る!」
バタバタと部屋を出ていく二人。
取り残された俺は…とりあえず、混乱している頭のなかを整理することにした。
たぶん、こたつにも何かしらの魔力があるんだろう。
もともと考えるのが苦手な俺は、いつの間にか眠っていた。
「……おい」
「……んぁ…?」
「おまえ俺の部屋で寝るそのクセ、どーにかしろ」
「……いーじゃん…俺んち、こたつねーし…」
「……襲うぞ」
「……いいの?!」
がばっと起きあがる。
「……襲われたいの?」
……あれ?
なんか呆れてる?
「なぁ、ところでさっきの子って…」
「あぁ、リクのねーちゃん」
……はぁぁぁあ?!
「一応口止めしといたし、大丈夫だろ」
「そーじゃねぇだろおまっ、友達の姉貴とっ…」
何してんだよ!!
「まぁ気にすんなよ」
するわ!!
「………。あのさ、巽…」
「俺は浮気はしない」
巽は俺の隣りに座って言った。
「………」
「おまえを一番、大切にする」
「巽…」
「でもさっきの見られた後じゃ、説得力ねーな」
そう言って笑った巽に、思わず抱きついた。
「……俺とつきあって」
「……いーよ」
見慣れた手が、優しく俺の頭を撫でる。
ずっと求めていたものは、案外近くにあった。
こたつと巽の腕の中のぬくもりに包まれて、俺はなんだかすごく幸せだった。
end.
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