手をつないで(BL)

kotori

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入学式編

2

 
「……とゆうことが、あって…」

その日、偶然家に来ていた瑛兄に相談した。

「それで、ダメだって言えなかったわけか」
「……うん」

しょぼんとして答える。

「……なんかその…相手の気持ち考えたら…言いにくくて…」

自分自身フラれた経験が多いぶん、尚更。

「………。でもそれって、ある意味一番ひどいよな」
「え…」
「おまえにまったくその気はなくても、期待するだろ。やっぱり」
「………」
「おまえがその立場なら、どう思う?」

それは…。

……期待する、かも

ぎゅ、とネックレスを握りしめた。

「……瑛兄、俺…明日、はっきり言う」
「そうか」
「うん」

そうだ、俺は巽が好きなんだ。
別れるなんて、考えられないし。

「………。なんかさ、」
「ん?」
「告られるのも、大変なんだね」

そう言うと瑛兄は生意気、と笑って俺の頭を撫でた。
巽は中学の頃から、しょっちゅう告られてたけど。
今でもきっと、そうなんだろうけど。
大変なんだろうな…。





「………」

なんか、ふわふわしてあったかい。
それに、いい匂い。
なんかすげー、落ち着く…。

「……起きたか?」
「……………へ?」

目が覚めたら、なぜか俺は巽の膝の上で寝ていた。
驚いて起きあがる。

「……え、あれ?!なんで?!」
「よく寝てたな」
「あ、うん、いつの間にか…ってゆうか、瑛兄は?」
「さっき帰った」
「え?そうなの?」

起こしてくれればよかったのに!

「あれ?でもなんで、巽がいんの?」
「おまえんちに菓子持ってけってお袋に頼まれて、来たらおばちゃんにあがってけって言われて、」

俺の髪を撫でながら、巽は笑顔で言う。

「そしたらおまえはなぜか、あのイトコの膝の上で気持ちよさそうに寝てて」

……え

「おまえはどうしてそう、無防備なんだ?」
「ああああの、それはその」

腕を掴まれ絶体絶命、とその時、あっちゃーん、巽くーん、ごはんよーと母さんの声。
助かった…と安堵する俺の隣りで、舌打ちする巽。

「おまえ、あとで覚えとけよ」

こっ、怖いしまじでっ…てゆうかなんかこのパターン、多くねえ?!


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