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〜2020/06/15まで執筆分
52話//しばらく
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チュンチュン
鳥の鳴き声が聞こえる。
「…あれ?どこだここ?」
目を開くと暖かい陽射しが顔に当たる。しかし見慣れた天井ではなく、自分の家よりも豪華な内装。
「あ、ブラウンさん目が覚めたんですね。早速ですが早く朝ごはん食べてください。もうすぐ出かけますよ」
コンコンコンという弾むようなノックと入ってきたのは代表を名乗っていた男だ。どうやらかなりの間眠っていたらしい。
「って、眠ってたとしてもなんで?!えーっと…あ、そうだ給仕係の男に決闘申し込んで…あ。負けたんだ」
そう思いつつも部屋の扉を開くとそこには老年の執事服の紳士が待ち受けていた。
「主より案内を仰せつかっております。さぁこちらですぞ」
「ようやく来たな」
「給仕係…いや、ナハム殿!先日はすみませんでしたァ!!!」
見えて開口一番出た謝罪と土下座。それを見た一同はどうやら笑いを堪えたような呼吸と肩を揺らしている。
「…ふw。…まぁまずは席に座ってください。その誤解も含め説明をします」
「は、はい」
「まず、ミカさんとハムさんは男女の関係ではなりません。僕らとミカさんは言わば雇用主と従業員です。まぁこの屋敷で生活はしてますけど、それはブラウンさんもこれから同じなので。で、ここからが重要なんですが、僕らエターナルは…」
「え、エターナル!?!?!?」
「とりあえず話を最後まで聞くっすよ」
そう言われ口にパンを突っ込まれる。
あ、このパン美味しい(*゚▽゚)
「その反応で察してはいると思いますが僕らはSランクなので昨日のような行為は相手の実力を測ってから挑んで欲しいんです」
「す、すいませんでした…」
「わかればいいんです。じゃこれから次の光の曜日まで森に籠るので最低限の装備をして外に集合です。いいですか?」
なにをもってじゃあなのかわからない部分もあるが一つだけ確実にわからない。
「あの…それって」
「つべこべ言うんじゃねぇよ」
「私も同じなのでがんばりましょ?」
あぁ…天使がいた。もうこれだけで頑張れる。
××++××++××++××++××++××++××++××
「お待たせしました…ってみなさんそんな軽装備なんですか!?」
ブラウンが僕らの装備を見るなりワァキャア騒いだ。
「見た目こんなっすけど、結構防御力高いんすよ?」
「それに武器はアイテムボックスにしまってあるしな」
マスカルとナハムの言う通り装備は薄いが堅い守りをモットーに作った装備だ。黒一色の暗部のような動きやすそうな忍風装備のマスカルと、白を基調とした牧師というより祓魔師な雰囲気の装備のナハム。ミカはどういうタイプかわからないのでとりあえずキャリアウーマンみたいなパンツスタイルの服装に胸当て装備を作った。自分のはモノクロで隠しポッケが沢山あるバー店員みたいな服装。
「まぁ僕らが軽装備だとしてもその装備?はなんなんですか」
ブラウンがしてきたのは体格より一回りも二回りもデカい重装甲。倒れたら起きれないだろう。
「だって!森にこもるんですよね!?だったら寝てるところを襲われても大丈夫なように準備しないと」
「それでその装備ですか。そんなんで普段通りの実力出せますか?動けますか?」
「うっ…。そ、それは…」
おっと、天を仰いで明後日の方向と明日の方向と焦点が合わないぞ?
「脱いで下さい。じゃあ出したもの来てくださいよ…これとこれと…あ、これと…。うん、あとこれ付けて。ハムさんどうですかね?」
ユィートが出したのはthe初期装備。村人風のブラウス、ベスト、スラックス。そこに膝あて、肘あて、手甲と胸当て。まぁ妥当だろう。
「いいんじゃないか?」
「な、な…なんですかこの装備の性能!!」
「あぁそうですよね、失敗作ですし結構カス性能ですよね」
「逆ですよ!高性能すぎます!!ダメージ軽減に炎熱耐性、攻撃力10%up。こんなのいくらすると思ってるんですか!?」
「金貨5枚とかですかね」
「「もっとします!!白金貨20枚はします!」」
なんということだ。ゲーム感覚でちょっといい初期装備を作ったつもりが国宝レベルらしい。今後その辺を考えて作らないとなぁ。
「まぁ篭ってるうちに消耗するし…」
「そ、そうっすよ!安全のためっす!!」
もうちょっと世情に詳しくならないとなぁ。そんな事を秒ほど考えて森へと歩みだした。
『食事処:レストランテ休業のお知らせ
次の光の曜日までお休みします。御用の方はコチラに投書ください』
そんな張り紙と目安箱のようなものが店頭に置かれていた。
鳥の鳴き声が聞こえる。
「…あれ?どこだここ?」
目を開くと暖かい陽射しが顔に当たる。しかし見慣れた天井ではなく、自分の家よりも豪華な内装。
「あ、ブラウンさん目が覚めたんですね。早速ですが早く朝ごはん食べてください。もうすぐ出かけますよ」
コンコンコンという弾むようなノックと入ってきたのは代表を名乗っていた男だ。どうやらかなりの間眠っていたらしい。
「って、眠ってたとしてもなんで?!えーっと…あ、そうだ給仕係の男に決闘申し込んで…あ。負けたんだ」
そう思いつつも部屋の扉を開くとそこには老年の執事服の紳士が待ち受けていた。
「主より案内を仰せつかっております。さぁこちらですぞ」
「ようやく来たな」
「給仕係…いや、ナハム殿!先日はすみませんでしたァ!!!」
見えて開口一番出た謝罪と土下座。それを見た一同はどうやら笑いを堪えたような呼吸と肩を揺らしている。
「…ふw。…まぁまずは席に座ってください。その誤解も含め説明をします」
「は、はい」
「まず、ミカさんとハムさんは男女の関係ではなりません。僕らとミカさんは言わば雇用主と従業員です。まぁこの屋敷で生活はしてますけど、それはブラウンさんもこれから同じなので。で、ここからが重要なんですが、僕らエターナルは…」
「え、エターナル!?!?!?」
「とりあえず話を最後まで聞くっすよ」
そう言われ口にパンを突っ込まれる。
あ、このパン美味しい(*゚▽゚)
「その反応で察してはいると思いますが僕らはSランクなので昨日のような行為は相手の実力を測ってから挑んで欲しいんです」
「す、すいませんでした…」
「わかればいいんです。じゃこれから次の光の曜日まで森に籠るので最低限の装備をして外に集合です。いいですか?」
なにをもってじゃあなのかわからない部分もあるが一つだけ確実にわからない。
「あの…それって」
「つべこべ言うんじゃねぇよ」
「私も同じなのでがんばりましょ?」
あぁ…天使がいた。もうこれだけで頑張れる。
××++××++××++××++××++××++××++××
「お待たせしました…ってみなさんそんな軽装備なんですか!?」
ブラウンが僕らの装備を見るなりワァキャア騒いだ。
「見た目こんなっすけど、結構防御力高いんすよ?」
「それに武器はアイテムボックスにしまってあるしな」
マスカルとナハムの言う通り装備は薄いが堅い守りをモットーに作った装備だ。黒一色の暗部のような動きやすそうな忍風装備のマスカルと、白を基調とした牧師というより祓魔師な雰囲気の装備のナハム。ミカはどういうタイプかわからないのでとりあえずキャリアウーマンみたいなパンツスタイルの服装に胸当て装備を作った。自分のはモノクロで隠しポッケが沢山あるバー店員みたいな服装。
「まぁ僕らが軽装備だとしてもその装備?はなんなんですか」
ブラウンがしてきたのは体格より一回りも二回りもデカい重装甲。倒れたら起きれないだろう。
「だって!森にこもるんですよね!?だったら寝てるところを襲われても大丈夫なように準備しないと」
「それでその装備ですか。そんなんで普段通りの実力出せますか?動けますか?」
「うっ…。そ、それは…」
おっと、天を仰いで明後日の方向と明日の方向と焦点が合わないぞ?
「脱いで下さい。じゃあ出したもの来てくださいよ…これとこれと…あ、これと…。うん、あとこれ付けて。ハムさんどうですかね?」
ユィートが出したのはthe初期装備。村人風のブラウス、ベスト、スラックス。そこに膝あて、肘あて、手甲と胸当て。まぁ妥当だろう。
「いいんじゃないか?」
「な、な…なんですかこの装備の性能!!」
「あぁそうですよね、失敗作ですし結構カス性能ですよね」
「逆ですよ!高性能すぎます!!ダメージ軽減に炎熱耐性、攻撃力10%up。こんなのいくらすると思ってるんですか!?」
「金貨5枚とかですかね」
「「もっとします!!白金貨20枚はします!」」
なんということだ。ゲーム感覚でちょっといい初期装備を作ったつもりが国宝レベルらしい。今後その辺を考えて作らないとなぁ。
「まぁ篭ってるうちに消耗するし…」
「そ、そうっすよ!安全のためっす!!」
もうちょっと世情に詳しくならないとなぁ。そんな事を秒ほど考えて森へと歩みだした。
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そんな張り紙と目安箱のようなものが店頭に置かれていた。
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