目指せonly.1。異世界生活、始まっちゃいました!?

華町はる

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2話 はじめまして父さん。

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 初めて見る街並みは、ものすごく俺の心を震わす光景だった。

 いわゆる、西洋の街並みで、石畳の大きな通りには馬車の様な乗り物が往き来し、側道には日本では見ない服を着た人々がたくさん行き交っている。

 中には、黄金の防具を身につけ腰には光り輝く剣を拵えている人や、ローブ姿に杖といった、魔術士の様な格好をしている人もいる。

 目の前の光景はファンタジーだった。
 一瞬目を擦りたくなってしまったよ。まだ擦れないけど。

ーー

「さて、今日で生後1ヶ月。ローちゃんの適正魔法を調べに行きましょうか。」

 そんな言葉から始まった今日という素晴らしい日は、間違いなく俺の中で忘れられない日となりそうだった。

ーー

 そんな街中を母に抱き抱えられながら歩いていると目の前に大きな大きな石造りの建造物が目に入ってくる。
 
 ステンドガラスがあしらわれ、壁には一定間隔で鳥の模様が描かれた旗が掲げられている。めちゃくちゃ綺麗で壮大な建物だった。

 (あれが、国の国旗かな?ってことはお城か?)

 俺の心はワクワクでいっぱいだった。
 そんなことを考えながら、母に揺られること数分。

 俺達は、一際大きな大通りに面したステンドガラスがあしらわれた石造りの大きな建造物の前に到着した。
 何を隠そう、さっき遠くから見ていた建物だ。どうやら目的の場所だったらしい。

 しかし、なかなか母は入ろうとせず、辺りをキョロキョロしている。目の前の通りは、歩行者天国のようになっており人が沢山いる。

 (人を探してるってことは……待ち合わせか?も、も、も、もしかして男か!?)

 俺は暇ということもあり、冗談半分、冷やかし半分でハラハラしている。

 なぜハラハラしてるかって?
 
 それは、俺がまだ父親には会ったことがない事に起因する。居るのかどうかも分からない。だから、もしかしたら今日、父と初対面する可能性があると思い、ハラハラしているのだ。

 会ったら何話そう。あ、俺まだ話せないや。二人になったらどうしよう。あ、俺まだ話せないや。本当のお父さん以外の人だったら……あ、俺話せないや。うん。考えても無駄な事が分かった。バッチコーイ。

 そんな自問自答を繰り返しながら待つこと5分。

 遂に待ちに待った、待ち人の正体が判明した。

 沢山の人が行き交う大通りのかなり遠くから、黄金の防具をピカピカに光らせながら、大きく手を振り、走ってくる男性。
 
 一目見て分かった。父だ。これは血のせいなのか、勘が働いただけなのか。でも間違いなく父であることは分かった。

 母も嬉しそうに手を振っている。

 嬉しそうな母……か、かわいい。

 近くに来た父は息を整えながら、俺の顔を見てニコッとはにかむ。

 イケメンだった。それもクソがつくほどの。悔しいが…これはモテるわ。それが俺の第一印象。

 銀髪で前髪を流し、顔は整っている。それでいて、防具の隙間から見える筋肉質な体つき。さらにさらにかなりの高身長だ。母の身長が170cm位だとしたら父は190cmはあるだろう。

 日本にいたらスカウトマン殺到だね。これは。

 「起きてる時に会ったのは、初めてだな。俺の名前はバリー。ロードのお父さんだ。いつも一緒に入れなくてごめんな。今日はロードの大切な日だから、仕事休ませてもらったんだ。今日はずっと一緒に居てやるからな。」

 そんな事をさらっと、笑顔で言いながら頭を撫でられる。
 かっこいいなーチクショー。

 「さっ、時間もないし行こうか、ミリア。あ、俺にロード抱っこさせてくれよ。くぅー、ロードはかわいいなぁ~。」
 「もぅ、あなたったら。ふふふ。」

 そんなイチャイチャ具合を目の前で見せつけられる。
 悔しい。とっても悔しいが……。美男美女がそれをやるとどうしても絵になってしまう。

 将来俺らも頑張ろうな、我が息子肉棒よ。

 とにかくまあ、俺は愛されているみたいだ。よかった。

 それにしたって父よ。防具の角が頭に当たって痛いよ。ちょっと離して、やっぱり母さんが良い。ちょっと離してぇーー。
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