【転生】こんな勇者だから救える異世界。あると思います。

華町はる

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第一章:幼少期編

2話 母ミューカ、父ロンド

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ーオギャ~オギャ~


 耳障りな甲高い赤ちゃんの泣き声が聞こえて目が覚める。
 それも耳元くらいの近さで聞こえている。


 (あ~うるせ~な。誰か赤ちゃん泣き止ませろよ。)


 俺は、子供が大嫌いだ。
 なに言ってるか分からないし、煩い。


 それに、今は訳の分からない状況でムシャクシャしているのだ。
 余計にイライラする。


 だって突然、半裸な美人で巨乳な女神に転生がどうとか言われ、眠くなったと思って目を瞑り、起きたと思えば、目も見えないし、手も足も自由に動かせない。


 しかもすんごい眠いし……どういう状況なんだよこれ…。
 はぁ~眠んむっ


 3日連続で徹夜した日くらいの眠さに、俺は意識を手放した。


ーZZZZ

 
ーオギャ~オギャ~


 もう何回目だろうか、赤ちゃんの甲高い泣き声で目が覚める。
 目が覚める度に、強制的に口の中に何かが押し込まれ、液体が口の中に入ってくる。


 この生暖かい甘い液体は何なんだろうか。


 そんな疑問を考える暇もなく、また強い眠気が襲い、意識が刈り取られる。

 本当になんなんだよ…こ…れ…


ーZZZZ


 あれから何度繰り返しただろうか、そして何日経ったんだろうか、寝ては起きて、寝ては起きての繰り返し。朝なのか夜なのかさえ分からない……。


 でもね。朗報です。
 やっと状況が分かってきましたよ、はい。


 徐々に目も見えるようになってきたし、口に充てがわれる柔らかいものの正体も、そこから出てくる生温くて甘い飲み物の正体も判明しました。さすが俺。


 煩いと思っていたあの泣き声……どうやら俺みたいです。
 要するに、俺は赤ちゃんに転生したみたいなんです。


 でもね。不思議な事が一つ。


 口におっぱいを充てがわれて、母乳プレイをされてるってのに、興奮しないんだよなぁ。


 そんな事に気がついた、その日。
 眠りについた俺の元に、またあの半裸女神が現れたんです。


◆◇


 「お久しぶりです。女神ヘラです。」
 「オ、オギャァァア。オギャァァア。」
 「この空間では喋れますよ?ふざけないでください?」


 あれ?そんな気はしてたけど、やっぱり?
 ってかなんか冷たくない?俺被害者だよね?あなた加害者だからね?何でそんなに偉そうなの??


 また女神のヘラさんが、半裸状態で俺の目の前に現れた。
 俺は心の中で悪態をつきながらも、視線はしっかりと豊満な胸へと向けていた。

 
 だが、何故か前みたいに興奮はしない。
 どうやら、赤ちゃんの感覚がまだ残っているようだ。


 「やっと今の状況、転生したことの把握が出来たみたいですね。やっと夢に入る事ができましたよ。今までの転生者よりも随分と遅い……コホンッ。とまぁ、話を戻しましょう。今日は、あなたにスキルを与えますよ。この世界で生き抜くための。」


 どうやら、スキルをもらえるようなのだ。
 いまいちこの世界のことが分かっていないが、貰えるもんはもらっておいたほうがいいだろう。


 だが、しかし気になるワードがあったような気がする。
 俺でなきゃ見逃しちゃうねぇ~。

 
 「あ、あの、ヘ、ヘラさん?い、今までの転生者よりも…って?お、俺以外にも転生者の方が、い、いるんですか…?」


 どうやら転生してもコミュ障は治らないようだ。
 まぁそれは追々治していけばいい。今はそれよりも気になることがある。

 
 「スキルですが、どんなものがいいですか?出来る限り希望通りに与えたいのですが…。あ、ちなみに、あなたは特異魔法〔クリエイト〕っていうのを元々持ってますので、そことは被らないようなスキルにした方がいいかと思います。」


 ん?聞こえてない?聞こえてないのかな?
 俺の声が小さかったのか?


 ……んーまぁいいか。
 小さい事は気にしない、それっワ○チコッ、ワカ○コーって名言もあるくらいだしな。
 うん、気にしないことにしよう。それがいい。


 俺は諦めがよく、切り替えが早い方なのだ。
 すぐに諦め、スキルの方に頭を切り替えた。


 「スキルかー。それならゲームみたいなインベントリが欲しいかな。ステータスとかマップとか持ち物一覧とか見れるようなやつ。あります?」


 俺はパッと頭に浮かんだ、欲しいスキルを伝えた。
 どうやら、今回はしっかり伝わったようだ。


 「はい、あります。それでは、それを与えますね。……はい、与えました。では。」
 「え、ちょっ、使い方とか……」


 俺は話の途中で、強烈な眠気に襲われ、意識を手放した。


◆◇


 目が覚めると、頭がハッキリとし今までの眠気のような、体のダルさのようなものがなくなっていることに気がついた。


 そして、辺りを見渡すと、木造の家のベットの上にいる事がわかった。壁には盾と剣が飾ってあったり、見たこともない実がなっている木も飾ってあった。


 ファンタジー過ぎる光景に心が躍るが、一方で不安もある。


 (ここはどこだ?それにしてもあの女神、せっかちすぎるだろ。)


-ガチャガチャッ

 
 そんなことを思っていると部屋の扉のノブが音を立てて、扉が開く。身体がピキリと少し緊張し強張るのが分かる。


 入ってきたのは、金髪ロングの美女と、銀短髪の体格の良い美男子だった。

 
 「ヴァンっ!おはよう~!私の可愛い可愛い息子ちゃんは、今日も元気かな~?」
 「ミューカ。可愛い息子だ。」
 「そうね。ごめんなさい、ロンド。可愛い息子でした~。テヘッ」


 突然現れた美男美女は、ものすごいラブラブで、イチャイチャしている。新婚だろうか。


 そして、今の会話から分かったのだが、どうやら俺の名前はヴァンで、彼らが俺の両親らしい。

 
 正直、この先、この夫婦の息子やるの、不安です。
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