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第一章:幼少期編

3話 ここ数日のお話〜急成長のヴァン!?〜

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 女神が現れ、父ロンドと母ミューカを認識してから、数日が経った。


 あの日以来、急激な眠気もなくなり、朝起きてから夜になるまで日々活動中である。
 手足に力はまだ入らないため、ベッドの上での生活に限られてはいるが。


 じゃあ何をやっていたの?


 うんうん、みんなの疑問は手に取るように分かります。
 それについて、今日は説明しましょう。


ーー


 まず、取り組んだのは、俺に付いているの確認だ。
 

 最初にそんなこと?って思った?
 でもね。俺にとっては大事なんです。
 今世の、男としての運命が決まりますからね。

 
 で、結果から言うと、かなりデカい。まだ産まれて間もないっていうのに、シャウエッセンくらいのサイズはある。

 
 いや通常が分からないが、前世の俺よりはすでに大きい。
 これは勝ち確でしょう。いや、そう信じたい。


 今後の成長に期待ですな。


ーー


 さて次に取り組んだのは、ステータスの確認と、スキルの確認。俺がもらった"インベントリ"の使い方とか諸々ね。

 
 でもこれは、案外あっさりと解決した。

 
 心の中で"インベントリ"って思った瞬間、目の前に灰色の白文字で、半透明なウィンドウ画面みたいに出てくるんだもの。

 
 ちなみにこれについては、俺にしか見えてないっぽい。メイドさんがいる時にやってみたけど、気づいてなかったみたいだからね。


 で、ここからが大事だ。


 インベントリを出すと、ウィンドウ上部に項目が並んでいる。
 RPGゲームのオプション画面みたいなやつだ。


 左から順に、ステータス、持ち物、地図、図鑑と項目が続くのだが、ステータス以外はまっさらで、何も書かれていなかった。
 

 まぁベッドの上にいるから当たり前だが。
 なので、今日はステータスについて報告しようと思う。


 まずは見てもらった方が良いだろう。
 ステータスは以下の通りだった。

 
◆◇

【ステータス】
名前:ヴァン
年齢:生後23日
職業:なし
レベル:なし

攻撃:1
防御:1
速度:1
知識:500
魔力:30

【スキル】
使用:インベントリ(神)
持続:前世の記憶(神)

【魔法】
特異魔法〔クリエイト〕

【称号】
なし

◆◇

 RPGの知識から言うと、かなりゲキ弱いが、まぁまだ赤子。
 こちらも俺のムスコ同様に今後の成長に期待だろう。

 
 とりあえず今の段階で、分かった事をまとめておく。


 ①俺はもう少しで生後1ヶ月になるということ
 ②スキルには二種類?使って発動するタイプ(使用)と、永久に発動するタイプ(持続)があること……もしかしたらまだあるかもしれないが……。
 ③俺は特異魔法という魔法を扱えるということ


 ちなみに特異魔法〔クリエイト〕は、自分で想像したものを作れる魔法のようだ。


 でも今は、木の枝が限界だった。
 グラマラスな女の子を作ろうとしたが、無理だった。


 経験が足りないのか、魔力が足りないのかを調べるには、今後も検証が必要になってくるだろう。


 そして魔法で出した木の棒は、10秒くらい経つとすぐ消えてしまった。

 
 これに関しては、理由は明白。魔力が無くなったのだ。


 さらに魔力が無くなると、激しい倦怠感を覚えて頭がボーッとする。ボーッとしすぎて、脱糞したのは今となっては、いい思い出だ。

 
 メイドに綺麗に拭いてもらいました。気持ちよかったよ。本当に。


ーー
 
 
 最後に。ここ数日で、少しずつだが魔力が上がっている。


 最初は、10だったのだが、毎日魔法でグラマラスな女の子を作ろうと頑張っているのが功を奏したのか、30まで上がっている。


 原因はなんなのか、よく分からない。

 
 これに関しても検証が必要になってくるだろう。


 ここまでが、ここ数日の俺の成長だ。


ーー


 ちなみに今日、俺は立つことができた。
 成長速度がエゲツないだろう?


 あれ?みんな何か勘違いしてない?


 俺じゃなくて、俺のムスコの話。


 お父さんよりも早く成長するムスコなんて聞いたことないよね。
 

 お前はきっとビッグになる、俺はそう思った。
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