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Episode.02 白銀の少年との出会い
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しおりを挟むソフィーナはレウコスタキス侯爵様のご子息であるセネシオ様を案内するため、わたしは一人で自室へと戻る。
『あ、あの…!』
セネシオ様の言葉が、まるでわたしに近付くメイドを足止めさせるためのように聞こえた。
いや、気のせいだろうとは思うけれど、そんな絶妙のタイミングだったのだ。
部屋に入ると、あの〝ルクリ・スア〟の香りがする。
窓際の花瓶に生けられた薔薇は美しくも可憐に咲き誇っている。どうやら窓が開いているようで、生地の薄い白のカーテンがふわりと揺れる。
「セネシオ・レウコスタキス…。」
レウコスタキス侯爵様は、たしかお父様が懇意にしている方、だったと思う。
わたしは学院に入り社交デビューするまで領内にいるが、お父様は王都にある家にいることが多い。お母様もわたしが学院へ行った後は王都の方へ移る予定らしい。
レウコスタキス侯爵様がいらしたということは、お父様は今こちらにいるのだろうか。王都にいても領内にいても忙しいお父様は、こちらにいても朝が早く夜が遅くわたしと会うことはない。
わたしにとってはとてもレアな存在なのだ。
ーーーコンコンコン
扉をノックする音に応えると、昼食をカートに載せたソフィーナが部屋に入ってくる。
わたしに付いているのは主にソフィーナだ。それ以外の人はほとんど付いていない。少しずつ慣れていけるようにとのお母様の配慮だと思う。
しかし、ソフィーナにもまだ慣れていないのが現状だ。
「ルクリアお嬢様、お待たせ致しました。」
「…わざわざこちらへ運んでくれてありがとう、ソフィーナ。」
それでもここまで会話できるようになったのはなかなかの進歩といえる。
そういえば、朝、お母様が話していた客人こそ、レウコスタキス侯爵様なのだろう。
わたしはまだこの年だし、礼儀作法もなってないし、初対面の人に会わせるにまだまだとお母様も考えているはずだ。けらど、いつかはわたしも貴族としての責務を果たさなければならない。
まあ、このままではわたしを妻にと選んでくれる人がいないと思われるが。まともなコミュニケーションもできない相手などわたしも嫌だ。
「ソフィーナ、セネシオ様のことなんだけどーーー
ーーーコンコンコン
…やっぱりいいわ。」
またもや鳴ったノックの音に言葉が止まる。セネシオ様のことを聞こうと思ったけれど、まあいいか。
次はいつ会うことになるのか分からないし。
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