勇者がレベル1でも仲間が全て最強クラスなら世界を救えるんじゃないか説

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第26説

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クーデターを決意して突撃していくネズミたちの勢いに、こっちも負けてはいられない!!

僕たちはその後を追うように走って、ネイズミーたちのいるボス部屋へと向かった!!

タロピンの話では、ボス部屋への通路の途中には、鍵の掛かった扉がたくさんあるということだったが、既にクーデターネズミ(?)の数の暴力によって扉はズタボロに破壊されており、タロピンの力を借りるまでもなく通ることができた。

「なんや、もう扉破壊されとるんか。ワイの力を見せつけるチャンスやと思ってたんやが、ちょっぴり残念やなぁ……」

「まあまあ、手間が省けて良かったじゃん。それに、タロピンの力が必要とされる時は、これからドンドンやってくるから」

別にそんな褒めたつもりはなかったのだが、走りながら頬を赤らめて、ニコニコと喜ぶタロピン。いや、おだてられやすいなオイwwww結構可愛いじゃねえかコイツwwww(?)

僕の発言の意図としては、ネイズミーを倒してこの洞窟を脱出できたら、気になっていた宝箱を開けにいってもらおうと思っていただけだったんだけど、まあ本人(本ネズミ?)が喜んでいるのであれば、余計なことを言う必要はない。

タロピンの案内により洞窟の通路を走っていくと、これまで抜けてきた扉とは明らかに違う、一際大きい扉の前に着いた。

「これがボス部屋への扉や。まず手前にギミィとダリヒーの部屋があり、そこを抜けた先にネイズミーの部屋、そして洞窟の出口がある」

「了解した。よし!!一気に突撃するぞ!!」

サルバトルの合図で一斉に突撃した僕たち。

中ではクーデターネズミたちと、ギミィとダリヒーが、それぞれ部屋の両端で壮絶な戦いを繰り広げていた。

クーデターネズミの一匹が、タロピンの姿を認めて声をかける。

「タロピン!!こっちは大丈夫だ!!お前たちは早くネイズミーを倒しに行けッ!!」

「了解や~!!ギミィとダリヒーは任せたで!!」

二つに分かれたクーデターネズミの群れに囲まれて、ギミィとダリヒーの姿はあまり認識できないが、その中から怒号が響く。

「タロピン、貴様かぁッ!!このネズミたちを扇動したのはぁッ!!許さん!!絶対に許さんぞぉッッッ!!」

「ひぃっ、ギミィとダリヒーがワイにキレとる!!あいつら普段めちゃくちゃ怖いんやで!!もしこのクーデターが失敗でもしたら、ワイは間違いなく殺されるな……」

「大丈夫、虚勢を張っているだけだ。タロピン、お前には我々が手出しはさせん」

「サルバトルの旦那……。グスンっ……ありがとう……」

サルバトルがそうタロピンを励ます。その『我々』の中にしれっと僕も含まれてそうなのが怖かったのだが(?)、確かに、協力してくれたタロピンに危害が及ぶようなことだけは、絶対反対!!断固反対!!ブラックな職場を破壊殲滅せよ!!という気持ちは僕も一緒だ。

「行こう!!みんなの奮闘を無駄にしてはいけない!!ネイズミーを倒すんだ!!」

僕は、ネズミたちの奮闘ぶりを見て、思わず柄にもない熱いセリフを口走ってしまって恥ずかしかったのだが、「おう!!」とサルバトルもタロピンもついてきてくれて、本当にいい仲間だった。

息せき切ってネイズミーの部屋へ走る途中、タロピンが先程のバトルの解説(?)をし始めた。

「みんなさすがやで。ギミィとダリヒーは連携技がとにかく強力なんやが、それをさせないために集団で二体を引き離して戦っとった。あれなら勝てる!!まず大丈夫や!!」

タロピンの立場(クーデター失敗したら即死)からしたら、『そう信じ込みたい』という気持ちもあるんじゃないかという見方は否定できなかったが、ネズミたちがけして勢いだけではなく、キチンと戦略を立てて戦っているのは、大きなプラスの情報ではあるだろう。

そんなことを考えながら通路を走り抜け、僕たちは遂に最後の扉を開ける!!

『バンッ!!』

中では自らが築き上げた洞窟の異変を感じた、凄まじく巨大なネズミの親玉が、僕たちを待ち構えていた。
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