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第四夜
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それから、『彼』は毎日欠かさず、僕の家を訪れるようになった。
風の強い日も。
土砂降りの雨の日も。
照り付ける太陽の日も。
まるで君がいなくなったあの日のような、星の綺麗な夜も。
たまに予報が外れ突然の通り雨に襲われた日など、傘も持たず一日中雨に打たれながら、玄関の前でうなだれて立ち尽くしている日もあった。
僕は、彼がとことんまで苦しめばいいと思っていた。
そうして、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、人としてもっとも辛い艱難辛苦を味わった後、地獄に堕ちればいい。
悪魔め。
お前は人ではない、僕からこの世で一番大切な人を奪った、地獄に堕ちるのが当然の悪魔なんだ。
彼が苦しんでいるところを見ても気が晴れることはなく、むしろ日に日に憎悪ばかりが募っていく毎日だった。
日によって滞在時間の違いこそあれど、彼がどんな時でも必ず、まるで『約束ごと』のように毎日家を訪れていることを、僕は知っていた。
知っていた上で、窓のカーテンを閉めて彼を徹底的に視界から消した。無視した。
表面上では、彼はこの世に『存在していないもの』として扱っていた。
僕がそういった素振り、彼を『人として扱わない姿勢』を見せるのが、彼にとって一番堪えるであろうことを知っていたからだ。
そうしてその実、僕は彼の動向を誰よりも気にしていた。
彼を視界から消せば消すほど、まるで透明人間がコートを羽織って自分の存在を確認するように、なぜか僕の中で彼の『存在』はより色濃く浮かび上がってきたんだ。
ある日、彼があまりにもしつこく帰らなかったので、玄関を開けて彼に会ったことがある。
彼は、ずっとそれを望んでいたであろうにも関わらず、実際に僕に会うと震え出して何を言うこともできず、僕の顔、目を直視することもできず、ただただ呪文のように「申し訳ありませんでした」を繰り返し、ひたすらに土下座を続けた。
まるで、自分にできることは、毎日ここに来てただただ頭を下げ続けることだけだとでも言わんばかりに、特に弁解をすることもなく、謝罪の意だけを繰り返した。
僕は、そんな彼の様子を見て、余計頭に血が上った。
なぜかはわからない。
もちろん、彼をこの世でもっとも憎んでいることは確かだ。
しかし、憎んでいる以上に、彼が自分に真摯に謝罪をしようとしているのを見ると、なぜ余計に憤りが募っていくのか、その時の僕にはわからなかった。
「なんだそれは?ふざけるなふざけるなふざけるなぁッ!!いいか、忘れるな!!必ず!!お前の人生をもって償わせてやる!!覚悟しておけぇッ!!」
あまりの憤りに、僕は思わず突発的にそう叫んで、彼を突き飛ばして玄関を閉めた。
彼の謝罪、その存在を見なかったことにして、完全にシャットアウトした。
彼が毎日僕の家を訪れている裏で、僕は彼の『素行』について、独自に調査を始めていた。
彼の職場。
彼の行きつけの食堂。
彼がいつも息抜きをする喫茶店。
そこにいる人々に、彼への『悪評』を尋ねて回ったのだ。
しかし、僕の『望み』とは裏腹に、彼に対する悪評はついぞ聞こえてはこなかった。
むしろ、あんな良い人はいない、仕事のミスやピンチを何度も助けてもらった、いつも笑顔で気さくに挨拶をしてくれる、オーダーを間違えた時も一言も責めることなく、逆にバイト初日の自分を励まして、ただ黙って作り直すのを待っていてくれていたと、誰もが彼への感謝の言葉を口々に語っていた。
『事故』のことについて尋ねると、みな口をつぐもうとしたけれど、その中の職場の一人の同僚だけが答えてくれた。
きっと、たった一度の『過ち』だったんだろうと。
これ以上ないほどの真面目極まる働きぶりで、上司からの覚えも良く、事故のあった前日は急な欠勤が続き、そのカバーで疲れが溜まっていた。
従順で反抗しない彼は、配達員の中でも特に仕事を押しつけられ、ほとんど寝る間もないような状態で働いていたと。
もちろん、事故を起こしたのは本人の過失だが、そのような状態で働かせていた会社にも責任はあると、その同僚は語っていた。
僕の中に。
星のない夜空のような絶望が走っていくのがわかった。
彼が本当の『悪人』であれば、逆に僕もどれだけ心が楽だったことだろう。
なぜなら、悪人であれば僕が直接『手を下す』のに、なんら罪悪感を抱かなくて済むからだ。
だけど、彼は残念なことに、この薄汚れた世界では珍しいほどの、稀に見る『善人』だった。
そんな善人が、僕の最愛の人の命を奪ったとは、この世界はなんて無慈悲で、なんて強烈な皮肉に満ちた世界なのだろう。
僕が彼の謝罪を見て、更に言いようのない憤りが募ったのは、彼が本当の悪人ではないことに、心のどこかで気づいていたからではなかったか。
彼がどんな人間だったとしても、僕の中で『結論』は変わらないことは、実は素行調査など始める前からわかっていたんだ。
僕はただ単に、『言い訳』が欲しかった。
別に彼の人となりが知りたかった訳じゃない、なぜなら、知ったところで彼を絶対に許さないことは、僕の中で既に確定しているのだから。
では、どうして彼の素行調査など始めたのかというと、僕はずっと『言い訳』を探していたのだ。
彼に自らこの手で『罰』を与えても、神に赦される『言い訳』を。
彼には僕と同じく、彼の最愛の人と共に、『責任』をとってもらう。
もちろん、わかっている。
彼の妻には、何の罪も責任もないのだ。
自分が人の道に外れていることは、他ならぬ自分自身が一番よくわかっていた。
◆ ◆ ◆
だから、彼らに『責任』をとってもらった後、自分も『責任』をとることにしたんだ。
爆弾は、たしかにセットしてある。
彼の家と、いま僕がいる車の後部座席に。
僕の最愛の人を奪った彼の、最愛の人を僕が奪い、最期は彼と共に僕もその『責任』をとる。
誰よりも愛した君がいない世界で、狂気と絶望の中生み出した答えだけど、不思議と『帳尻』はとれているように思えた。
風の強い日も。
土砂降りの雨の日も。
照り付ける太陽の日も。
まるで君がいなくなったあの日のような、星の綺麗な夜も。
たまに予報が外れ突然の通り雨に襲われた日など、傘も持たず一日中雨に打たれながら、玄関の前でうなだれて立ち尽くしている日もあった。
僕は、彼がとことんまで苦しめばいいと思っていた。
そうして、苦しんで苦しんで苦しみ抜いて、人としてもっとも辛い艱難辛苦を味わった後、地獄に堕ちればいい。
悪魔め。
お前は人ではない、僕からこの世で一番大切な人を奪った、地獄に堕ちるのが当然の悪魔なんだ。
彼が苦しんでいるところを見ても気が晴れることはなく、むしろ日に日に憎悪ばかりが募っていく毎日だった。
日によって滞在時間の違いこそあれど、彼がどんな時でも必ず、まるで『約束ごと』のように毎日家を訪れていることを、僕は知っていた。
知っていた上で、窓のカーテンを閉めて彼を徹底的に視界から消した。無視した。
表面上では、彼はこの世に『存在していないもの』として扱っていた。
僕がそういった素振り、彼を『人として扱わない姿勢』を見せるのが、彼にとって一番堪えるであろうことを知っていたからだ。
そうしてその実、僕は彼の動向を誰よりも気にしていた。
彼を視界から消せば消すほど、まるで透明人間がコートを羽織って自分の存在を確認するように、なぜか僕の中で彼の『存在』はより色濃く浮かび上がってきたんだ。
ある日、彼があまりにもしつこく帰らなかったので、玄関を開けて彼に会ったことがある。
彼は、ずっとそれを望んでいたであろうにも関わらず、実際に僕に会うと震え出して何を言うこともできず、僕の顔、目を直視することもできず、ただただ呪文のように「申し訳ありませんでした」を繰り返し、ひたすらに土下座を続けた。
まるで、自分にできることは、毎日ここに来てただただ頭を下げ続けることだけだとでも言わんばかりに、特に弁解をすることもなく、謝罪の意だけを繰り返した。
僕は、そんな彼の様子を見て、余計頭に血が上った。
なぜかはわからない。
もちろん、彼をこの世でもっとも憎んでいることは確かだ。
しかし、憎んでいる以上に、彼が自分に真摯に謝罪をしようとしているのを見ると、なぜ余計に憤りが募っていくのか、その時の僕にはわからなかった。
「なんだそれは?ふざけるなふざけるなふざけるなぁッ!!いいか、忘れるな!!必ず!!お前の人生をもって償わせてやる!!覚悟しておけぇッ!!」
あまりの憤りに、僕は思わず突発的にそう叫んで、彼を突き飛ばして玄関を閉めた。
彼の謝罪、その存在を見なかったことにして、完全にシャットアウトした。
彼が毎日僕の家を訪れている裏で、僕は彼の『素行』について、独自に調査を始めていた。
彼の職場。
彼の行きつけの食堂。
彼がいつも息抜きをする喫茶店。
そこにいる人々に、彼への『悪評』を尋ねて回ったのだ。
しかし、僕の『望み』とは裏腹に、彼に対する悪評はついぞ聞こえてはこなかった。
むしろ、あんな良い人はいない、仕事のミスやピンチを何度も助けてもらった、いつも笑顔で気さくに挨拶をしてくれる、オーダーを間違えた時も一言も責めることなく、逆にバイト初日の自分を励まして、ただ黙って作り直すのを待っていてくれていたと、誰もが彼への感謝の言葉を口々に語っていた。
『事故』のことについて尋ねると、みな口をつぐもうとしたけれど、その中の職場の一人の同僚だけが答えてくれた。
きっと、たった一度の『過ち』だったんだろうと。
これ以上ないほどの真面目極まる働きぶりで、上司からの覚えも良く、事故のあった前日は急な欠勤が続き、そのカバーで疲れが溜まっていた。
従順で反抗しない彼は、配達員の中でも特に仕事を押しつけられ、ほとんど寝る間もないような状態で働いていたと。
もちろん、事故を起こしたのは本人の過失だが、そのような状態で働かせていた会社にも責任はあると、その同僚は語っていた。
僕の中に。
星のない夜空のような絶望が走っていくのがわかった。
彼が本当の『悪人』であれば、逆に僕もどれだけ心が楽だったことだろう。
なぜなら、悪人であれば僕が直接『手を下す』のに、なんら罪悪感を抱かなくて済むからだ。
だけど、彼は残念なことに、この薄汚れた世界では珍しいほどの、稀に見る『善人』だった。
そんな善人が、僕の最愛の人の命を奪ったとは、この世界はなんて無慈悲で、なんて強烈な皮肉に満ちた世界なのだろう。
僕が彼の謝罪を見て、更に言いようのない憤りが募ったのは、彼が本当の悪人ではないことに、心のどこかで気づいていたからではなかったか。
彼がどんな人間だったとしても、僕の中で『結論』は変わらないことは、実は素行調査など始める前からわかっていたんだ。
僕はただ単に、『言い訳』が欲しかった。
別に彼の人となりが知りたかった訳じゃない、なぜなら、知ったところで彼を絶対に許さないことは、僕の中で既に確定しているのだから。
では、どうして彼の素行調査など始めたのかというと、僕はずっと『言い訳』を探していたのだ。
彼に自らこの手で『罰』を与えても、神に赦される『言い訳』を。
彼には僕と同じく、彼の最愛の人と共に、『責任』をとってもらう。
もちろん、わかっている。
彼の妻には、何の罪も責任もないのだ。
自分が人の道に外れていることは、他ならぬ自分自身が一番よくわかっていた。
◆ ◆ ◆
だから、彼らに『責任』をとってもらった後、自分も『責任』をとることにしたんだ。
爆弾は、たしかにセットしてある。
彼の家と、いま僕がいる車の後部座席に。
僕の最愛の人を奪った彼の、最愛の人を僕が奪い、最期は彼と共に僕もその『責任』をとる。
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