23 / 115
コロンボ・カトゥナヤカ空港 2
しおりを挟む
男が案内したのは空港のツーリストインフォメーションのカウンターでした。
カウンターの椅子に座るように指図されます。
するとカウンター内の係員はいきなり私の前にパンフレットを広げます。
私はまだこのときは英語に耳が慣れていませんでしたので、非常に聞き取りにくかったのですが
「さあ、ツーリストカーのプランはこれだ。何日のコースにする?」
・・・てなことを言っているようです。
ただ入国しただけの外国人を捕まえて、まるでツーリストカーでツアーするのが義務であるかのように話をすすめようとする案内所の係員。
めちゃくちゃな強引さですが、スリランカ人の強引さはこんな生易しいものでは無いことは後に知る事になる・・・イヤと言うほど。
パンフレットに並んだ数字は、私の予算からするとあまりにも高額ですし、第一ツアーをやりに来たんじゃない。
「ノーサンキューだ。いらないよ」・・そう告げて立ち上がろうとすると
「ちょっと待て。一体これからどうするつもりなんだ?」
「コロンボに行く。バスはどこから乗れる?」
すると係員は、信じられない・・・というように両手を広げて
「バスだと?お前はスリランカのことを何も知らない。バスはな、すごーくデンジャーだ」
「僕は金があまり無いんだ。バスで行く」
「おいおい・・・悪いことは言わないからツーリストカーをチャーターしなよ」
「いらないよ!」
席を蹴って空港ロビーに戻ります。
「ヘイ、ジャパニー。どうした?ツーリストカーはいらないのか?」
・・・と、さきほどの白ヒゲの男が近づいてきました。
「いらないよ。バスでコロンボに行くんだ」
「ははは・・・バスで?バスなんかやめとけよ。オレがタクシーを手配してやる」
「いらないって。。」
空港ロビーに飲み物と軽食を売る店を発見。
スリランカで始めての買い物をやってみたくなった私は、サンドイッチとオレンジジュースを注文します。
カウンターの近くには手洗い用の水道があります。
見ると水道の蛇口の下で、大きな口を開けて水をがぶ飲みする男がいる。
・・・生水は絶対飲んじゃダメだったんじゃ?ガイドブックってあてにならねえなあ・・・
そんなことを考えました。
思えばこのとき生まれた油断から、後にえらいことになる。。
サンドイッチは格別旨くもありませんが、かといって食えない代物でもない。
オレンジジュースはわりとフレッシュでおいしい。
「ジャパニー。タクシーに乗れよ」
「わっ!お前まだ居たのかよっ。いらないったらいらないの!」
ニヤニヤと笑いながらも白ヒゲは私の側を離れません。
私はこのとき、デワの電話番号を書いたメモを持っていましたので、電話をかければ誰かが迎えに来たことでしょう。しかし私はいきなりデワのところに行ってしまうと、彼に頼りきってしまうことになるのを恐れていました。
しばらくの間、ひとりでコロンボに滞在してみよう・・・と。
そうすることで、まずスリランカに慣れなければならない。
「なあオジサン。バス乗り場はどっちだ?」
「おいおい。本当にバスで行くのか?やめといたほうがいいぞ。タクシー安くするから」
「いいから、教えてよ」
「ふーん。まあいい。じゃあ着いて来い」
白ヒゲに案内されて空港の外へ・・・熱い!誤字ではありません。暑いのではなく空が熱い!
バンコクの暑さとはレベルが違う、赤道直下の凶暴な太陽の熱さです。。
一気に汗が吹き出します。
「ふふふ。。。スリランカは暑いだろ?日本は寒いかね?」
バス乗り場には沢山のスリランカ人がバス待ちをしております。
その人たちが一斉に私の方を見る。注目する。凝視する。
・・・?・・・なんなんだ。僕の顔に何か付いているのかよ!
これは後々までそうでしたが、タイ人が外国人に対してほとんど構えることが無いのに対し、スリランカ人は過剰なほどに構えます。
そして尋常でなく親切にされたり、逆に騙そうとしたり・・・まあこれも後の話。。
バスには番号とかたつむりがはっているようなシンハラ文字の案内板がかかげられています。
「えーと、どれがコロンボ行きだ」
「あれだよ。ジャパニー」白ヒゲが指差します。
その先に見えるバスは・・・120%の満員バスにさらに群がり乗り込もうとする群集。。
なんだ、あれは・・・乗れないよ!
「次のバスを待つ。すぐ来るだろう、首都圏行きなんだから」
「ああ多分な」
やがて次のバスが・・・・さっきより混んでる!
また、そのバスにムリヤリ乗り込もうとする人たち・・・・
「・・・オジサン・・・タクシーはいくらだ?」
ニヤリと白ヒゲは黄色い歯を見せました。
カウンターの椅子に座るように指図されます。
するとカウンター内の係員はいきなり私の前にパンフレットを広げます。
私はまだこのときは英語に耳が慣れていませんでしたので、非常に聞き取りにくかったのですが
「さあ、ツーリストカーのプランはこれだ。何日のコースにする?」
・・・てなことを言っているようです。
ただ入国しただけの外国人を捕まえて、まるでツーリストカーでツアーするのが義務であるかのように話をすすめようとする案内所の係員。
めちゃくちゃな強引さですが、スリランカ人の強引さはこんな生易しいものでは無いことは後に知る事になる・・・イヤと言うほど。
パンフレットに並んだ数字は、私の予算からするとあまりにも高額ですし、第一ツアーをやりに来たんじゃない。
「ノーサンキューだ。いらないよ」・・そう告げて立ち上がろうとすると
「ちょっと待て。一体これからどうするつもりなんだ?」
「コロンボに行く。バスはどこから乗れる?」
すると係員は、信じられない・・・というように両手を広げて
「バスだと?お前はスリランカのことを何も知らない。バスはな、すごーくデンジャーだ」
「僕は金があまり無いんだ。バスで行く」
「おいおい・・・悪いことは言わないからツーリストカーをチャーターしなよ」
「いらないよ!」
席を蹴って空港ロビーに戻ります。
「ヘイ、ジャパニー。どうした?ツーリストカーはいらないのか?」
・・・と、さきほどの白ヒゲの男が近づいてきました。
「いらないよ。バスでコロンボに行くんだ」
「ははは・・・バスで?バスなんかやめとけよ。オレがタクシーを手配してやる」
「いらないって。。」
空港ロビーに飲み物と軽食を売る店を発見。
スリランカで始めての買い物をやってみたくなった私は、サンドイッチとオレンジジュースを注文します。
カウンターの近くには手洗い用の水道があります。
見ると水道の蛇口の下で、大きな口を開けて水をがぶ飲みする男がいる。
・・・生水は絶対飲んじゃダメだったんじゃ?ガイドブックってあてにならねえなあ・・・
そんなことを考えました。
思えばこのとき生まれた油断から、後にえらいことになる。。
サンドイッチは格別旨くもありませんが、かといって食えない代物でもない。
オレンジジュースはわりとフレッシュでおいしい。
「ジャパニー。タクシーに乗れよ」
「わっ!お前まだ居たのかよっ。いらないったらいらないの!」
ニヤニヤと笑いながらも白ヒゲは私の側を離れません。
私はこのとき、デワの電話番号を書いたメモを持っていましたので、電話をかければ誰かが迎えに来たことでしょう。しかし私はいきなりデワのところに行ってしまうと、彼に頼りきってしまうことになるのを恐れていました。
しばらくの間、ひとりでコロンボに滞在してみよう・・・と。
そうすることで、まずスリランカに慣れなければならない。
「なあオジサン。バス乗り場はどっちだ?」
「おいおい。本当にバスで行くのか?やめといたほうがいいぞ。タクシー安くするから」
「いいから、教えてよ」
「ふーん。まあいい。じゃあ着いて来い」
白ヒゲに案内されて空港の外へ・・・熱い!誤字ではありません。暑いのではなく空が熱い!
バンコクの暑さとはレベルが違う、赤道直下の凶暴な太陽の熱さです。。
一気に汗が吹き出します。
「ふふふ。。。スリランカは暑いだろ?日本は寒いかね?」
バス乗り場には沢山のスリランカ人がバス待ちをしております。
その人たちが一斉に私の方を見る。注目する。凝視する。
・・・?・・・なんなんだ。僕の顔に何か付いているのかよ!
これは後々までそうでしたが、タイ人が外国人に対してほとんど構えることが無いのに対し、スリランカ人は過剰なほどに構えます。
そして尋常でなく親切にされたり、逆に騙そうとしたり・・・まあこれも後の話。。
バスには番号とかたつむりがはっているようなシンハラ文字の案内板がかかげられています。
「えーと、どれがコロンボ行きだ」
「あれだよ。ジャパニー」白ヒゲが指差します。
その先に見えるバスは・・・120%の満員バスにさらに群がり乗り込もうとする群集。。
なんだ、あれは・・・乗れないよ!
「次のバスを待つ。すぐ来るだろう、首都圏行きなんだから」
「ああ多分な」
やがて次のバスが・・・・さっきより混んでる!
また、そのバスにムリヤリ乗り込もうとする人たち・・・・
「・・・オジサン・・・タクシーはいくらだ?」
ニヤリと白ヒゲは黄色い歯を見せました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
神様がくれた時間―余命半年のボクと記憶喪失のキミの話―
コハラ
ライト文芸
余命半年の夫と記憶喪失の妻のラブストーリー!
愛妻の推しと同じ病にかかった夫は余命半年を告げられる。妻を悲しませたくなく病気を打ち明けられなかったが、病気のことが妻にバレ、妻は家を飛び出す。そして妻は駅の階段から転落し、病院で目覚めると、夫のことを全て忘れていた。妻に悲しい思いをさせたくない夫は妻との離婚を決意し、妻が入院している間に、自分の痕跡を消し出て行くのだった。一ヶ月後、千葉県の海辺の町で生活を始めた夫は妻と遭遇する。なぜか妻はカフェ店員になっていた。はたして二人の運命は?
――――――――
※第8回ほっこりじんわり大賞奨励賞ありがとうございました!
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる