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エピローグ
カオサンロードにて
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200X年の春ごろだったと記憶しています。
私と弟子のタカはバンコクのカオサンロードのオープンカフェで食事をしておりました。
私たちのテーブルには、先ほどから見ず知らずの日本の若者がかってに座り込み、くどくどと話し掛けてきています。
若者はふたりいて、ひとりは椅子に座り込みひとりはなぜかその横に突っ立ってにやにやと笑っております・・・ガンジャか酒に酔っているのでしょう。
座っている方のおしゃべりは止まりません。
「俺たちさあ。南米もインドもアフリカも行ってきつい旅してきたんだ。本当の旅ってのはなんだかさあ、分かってきたんだよ。お兄さんたちは・・・ん?タイだけ?タイなんて旅じゃないでしょ。本当の旅をしなきゃ。いい歳なんだしさ」
かつては白人の町といわれたカオサンロードも、今ではタイの渋谷センター街といわれるほど日本の若者でいっぱいです。地べたに座り込んでる若者もいます。
私もトシを食いましたので無礼な若者の振る舞いも軽く受け流す心のゆとりが出来てきております。
「で、君たちはいつまで旅をつづけるんだい?」
若者は名刺をとりだして見せます。大手商社の名刺です。
「就職がきまったんでね。こんどは新しい遊びをやろうと思ってるんだ。まあ新しい旅の始まりってとこかな?わかる?お兄さん」
いちいち無礼な奴ですが・・・なに、こんなことで腹を立てるほど私は幼稚ではありませんが、ふとタカの顔を見ると。
・・・ヤバイ!キレてる・・・・。
タカが本格的にキレている状態を見るのは何年ぶりでしょうか。
ここ数年の間、タカは温厚な好青年として世間に接しておりました。
かつてチェンマイで彼自身が課題にしたとおり、心の中の野獣を飼いならすことに成功したのでしょう。
しかし野獣は決して死んだわけではなかったのです。
世の中にはいわゆる「キレた」状態になると大声でわめき散らすタイプがいますが、私の経験ではこのタイプはあまり危険ではない。
わめき散らすことで怒りのエネルギーを発散させているからです。
危険なのは黙り込むタイプ。
黙って内に怒りのエネルギーを蓄積し・・・一気に爆発させます。
タカは典型的「黙り込む」タイプです。
完全に目が据わっています。
そして半径3m以内に近づくのが嫌になるほど、強力な殺気を放出する。
「なあお兄さん。俺、喉がかわいちゃった。俺たち貧乏旅行者だからさあ、コーラおごってよ。コーラ。ね、いいでしょう」
座っているほうの若者が、相変わらずヘラヘラ笑いながら喋っています。
・・・バカ野郎が・・お前は今、自分がどれだけ危険な状況かわからんのか
私はすごく緊張しています。
タカの怒りはもうすぐ臨界点に達するはずです。
止めなければ。。タカが立ち上がったらいきなり暴れだすに違いない。
出鼻をくじかねば。さすがにもういいトシですから、彼が10代のガキのように暴走するのは防がねばなりません。ふりだしに戻ってはいけないのだ!!
・・ガタン!どたっ!・・
「・・・?」
顔を上げて見ると、立っていた方の若者がなぜか地面にしりもちをついております。その顔を見ると、歯をカタカタならして震えています。
泣きそうな顔をしてやがる。
もうひとりの顔を見ると、こっちはポカンと魂の抜けたような顔をしております。・・・どうしたんだ?こいつら。
すると今までじっと黙っていたタカが口を開きます。
「・・・お前ら・・消えろ」
ピクンとはじかれるように座っていた若者が立ち上がり、後を向いてダッシュで走っていきます。後を追うようにしりもちをついていたほうが、よつんばいからなんとか立ち上がり、あたふたと逃げてゆく。
「いやあ、タカ。大したもんだね。ナマイキなガキに対して暴れることなく、殺気だけで追い払うなんて。いや本当、スゴイよ」
緊張の解けたカオサンのオープンカフェで私はタカに言いました。
「何言ってるんですか。オレはさっきは、気が気じゃなかったんだから。師匠は急に黙り込んで怖い顔してるしさ。ナマイキなガキは調子こいてるしで、いつ師匠が暴れだすかとハラハラしてたんですよ。師匠が立ち上がったら力ずくでも止めなきゃって」
・・・え?そんなバカな。。僕は無礼な若者の振る舞いも、軽く受け流す心のゆとりができている・・・はず・・なんだけど。。
「師匠もいい加減オトナなんだから、もう少し丸くなってくださいよ。あんまり怖い顔で師匠が睨むもんだから、あいつら腰抜かしてにげちゃったじゃないですか」
・・・。。。
私達は旧正月をタイで迎えるべく、ここバンコクに来ておりました。
私達のお店にはもうひとりの従業員Sちゃんが入っておりますので、こうしてひさしぶりにタカとふたりで旅行することもできるようになったのです。
「タカ。カオサンもなんかこぎれいになったよなあ。日本の女子大生がそこらをウロウロ歩いてるし。いいよねえ。。」
「まあ、男子学生もいるんですけどねえ」
タカが地べたにたむろしている若い男の集団に、鋭い視線を飛ばします。
若者達は一瞬こちらに視線を返しますが、すぐに目をそらします。
「おいおい、タカ。いちいち睨むなよ。お前日本ではおとなしくなったけど、こっちに来るとなんか昔に戻ったみたいになるんだよな」
「押忍。でも、ここらにたむろってるガキどもって、なんかムカつくんですよね」
タカはどうも貧乏旅行ごっこしている若い連中が嫌いのようです。
「しかしまあ、別に害はないんだしさ。彼らはカオサンには詳しいから、道を尋ねるには役に立つんだぜ・・・おおい!君達!!」
若者集団に声をかけます。
「は・・はい。」
「ねえ、君達。レックさんラーメンて、どこに移転したか知ってる?」
「あ、はい。知ってます。そっちの道を真っ直ぐ行ったら看板出てます」
「そうか。どうもありがとう」
レックさんラーメンはタイ人レックさんの経営する、日本風中華料理屋です。
ラーメン、ぎょうざが食べられる。
「な、タカ。普通に話しかければ今の若いのだって、別に宇宙人じゃないんだからさ。お前だって結構ナマイキなガキだったんだから。いちいち敵対することはないよ」
ラーメンが運ばれて来る。
「押忍。そうですね・・ああ、ラーメン!これが食いたかったっす」
「日本に帰ればいくらでも食えるのになあ・・なんで外国で食う日本式ラーメンて、こんなにウマイんだろう」
オーソドックスな醤油味のラーメンをすすりながらぎょうざをつまみます。
今夜はチャイナタウンで正月を迎えます。
バクチクが新年を華やかに祝福することでしょう。
新しい年にはどんな旅と冒険が待ち受けているのか・・・
またぞろ心の中の野獣が目を覚ましそうだ。。
空手バックパッカー・リターンズ(了)
私と弟子のタカはバンコクのカオサンロードのオープンカフェで食事をしておりました。
私たちのテーブルには、先ほどから見ず知らずの日本の若者がかってに座り込み、くどくどと話し掛けてきています。
若者はふたりいて、ひとりは椅子に座り込みひとりはなぜかその横に突っ立ってにやにやと笑っております・・・ガンジャか酒に酔っているのでしょう。
座っている方のおしゃべりは止まりません。
「俺たちさあ。南米もインドもアフリカも行ってきつい旅してきたんだ。本当の旅ってのはなんだかさあ、分かってきたんだよ。お兄さんたちは・・・ん?タイだけ?タイなんて旅じゃないでしょ。本当の旅をしなきゃ。いい歳なんだしさ」
かつては白人の町といわれたカオサンロードも、今ではタイの渋谷センター街といわれるほど日本の若者でいっぱいです。地べたに座り込んでる若者もいます。
私もトシを食いましたので無礼な若者の振る舞いも軽く受け流す心のゆとりが出来てきております。
「で、君たちはいつまで旅をつづけるんだい?」
若者は名刺をとりだして見せます。大手商社の名刺です。
「就職がきまったんでね。こんどは新しい遊びをやろうと思ってるんだ。まあ新しい旅の始まりってとこかな?わかる?お兄さん」
いちいち無礼な奴ですが・・・なに、こんなことで腹を立てるほど私は幼稚ではありませんが、ふとタカの顔を見ると。
・・・ヤバイ!キレてる・・・・。
タカが本格的にキレている状態を見るのは何年ぶりでしょうか。
ここ数年の間、タカは温厚な好青年として世間に接しておりました。
かつてチェンマイで彼自身が課題にしたとおり、心の中の野獣を飼いならすことに成功したのでしょう。
しかし野獣は決して死んだわけではなかったのです。
世の中にはいわゆる「キレた」状態になると大声でわめき散らすタイプがいますが、私の経験ではこのタイプはあまり危険ではない。
わめき散らすことで怒りのエネルギーを発散させているからです。
危険なのは黙り込むタイプ。
黙って内に怒りのエネルギーを蓄積し・・・一気に爆発させます。
タカは典型的「黙り込む」タイプです。
完全に目が据わっています。
そして半径3m以内に近づくのが嫌になるほど、強力な殺気を放出する。
「なあお兄さん。俺、喉がかわいちゃった。俺たち貧乏旅行者だからさあ、コーラおごってよ。コーラ。ね、いいでしょう」
座っているほうの若者が、相変わらずヘラヘラ笑いながら喋っています。
・・・バカ野郎が・・お前は今、自分がどれだけ危険な状況かわからんのか
私はすごく緊張しています。
タカの怒りはもうすぐ臨界点に達するはずです。
止めなければ。。タカが立ち上がったらいきなり暴れだすに違いない。
出鼻をくじかねば。さすがにもういいトシですから、彼が10代のガキのように暴走するのは防がねばなりません。ふりだしに戻ってはいけないのだ!!
・・ガタン!どたっ!・・
「・・・?」
顔を上げて見ると、立っていた方の若者がなぜか地面にしりもちをついております。その顔を見ると、歯をカタカタならして震えています。
泣きそうな顔をしてやがる。
もうひとりの顔を見ると、こっちはポカンと魂の抜けたような顔をしております。・・・どうしたんだ?こいつら。
すると今までじっと黙っていたタカが口を開きます。
「・・・お前ら・・消えろ」
ピクンとはじかれるように座っていた若者が立ち上がり、後を向いてダッシュで走っていきます。後を追うようにしりもちをついていたほうが、よつんばいからなんとか立ち上がり、あたふたと逃げてゆく。
「いやあ、タカ。大したもんだね。ナマイキなガキに対して暴れることなく、殺気だけで追い払うなんて。いや本当、スゴイよ」
緊張の解けたカオサンのオープンカフェで私はタカに言いました。
「何言ってるんですか。オレはさっきは、気が気じゃなかったんだから。師匠は急に黙り込んで怖い顔してるしさ。ナマイキなガキは調子こいてるしで、いつ師匠が暴れだすかとハラハラしてたんですよ。師匠が立ち上がったら力ずくでも止めなきゃって」
・・・え?そんなバカな。。僕は無礼な若者の振る舞いも、軽く受け流す心のゆとりができている・・・はず・・なんだけど。。
「師匠もいい加減オトナなんだから、もう少し丸くなってくださいよ。あんまり怖い顔で師匠が睨むもんだから、あいつら腰抜かしてにげちゃったじゃないですか」
・・・。。。
私達は旧正月をタイで迎えるべく、ここバンコクに来ておりました。
私達のお店にはもうひとりの従業員Sちゃんが入っておりますので、こうしてひさしぶりにタカとふたりで旅行することもできるようになったのです。
「タカ。カオサンもなんかこぎれいになったよなあ。日本の女子大生がそこらをウロウロ歩いてるし。いいよねえ。。」
「まあ、男子学生もいるんですけどねえ」
タカが地べたにたむろしている若い男の集団に、鋭い視線を飛ばします。
若者達は一瞬こちらに視線を返しますが、すぐに目をそらします。
「おいおい、タカ。いちいち睨むなよ。お前日本ではおとなしくなったけど、こっちに来るとなんか昔に戻ったみたいになるんだよな」
「押忍。でも、ここらにたむろってるガキどもって、なんかムカつくんですよね」
タカはどうも貧乏旅行ごっこしている若い連中が嫌いのようです。
「しかしまあ、別に害はないんだしさ。彼らはカオサンには詳しいから、道を尋ねるには役に立つんだぜ・・・おおい!君達!!」
若者集団に声をかけます。
「は・・はい。」
「ねえ、君達。レックさんラーメンて、どこに移転したか知ってる?」
「あ、はい。知ってます。そっちの道を真っ直ぐ行ったら看板出てます」
「そうか。どうもありがとう」
レックさんラーメンはタイ人レックさんの経営する、日本風中華料理屋です。
ラーメン、ぎょうざが食べられる。
「な、タカ。普通に話しかければ今の若いのだって、別に宇宙人じゃないんだからさ。お前だって結構ナマイキなガキだったんだから。いちいち敵対することはないよ」
ラーメンが運ばれて来る。
「押忍。そうですね・・ああ、ラーメン!これが食いたかったっす」
「日本に帰ればいくらでも食えるのになあ・・なんで外国で食う日本式ラーメンて、こんなにウマイんだろう」
オーソドックスな醤油味のラーメンをすすりながらぎょうざをつまみます。
今夜はチャイナタウンで正月を迎えます。
バクチクが新年を華やかに祝福することでしょう。
新しい年にはどんな旅と冒険が待ち受けているのか・・・
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