私が生まれた日

知美

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私が生まれた日

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こんにちは。
初めまして。

私は今日美佳という女の子になる胎児です。

美佳って名前をもう考えている私のパパとママ。

ちょっと気が早いんじゃない?

私の顔を見てからでもいいじゃん。

私美佳ってキャピキャピしたような名前の女の子じゃないわ。

どっちかというと、花子に近いと思うの。

ママの特技は書道。
パパの特技は空手。

ママの特技を私がやるなら、やっぱり美佳って名前じゃないような気がするわ。

パパの特技を私がやるなら、やっぱり美佳って名前じゃない気がするわ。

私はパパとママどっちに似るのかしら?

ママはどっちかと言うと内気。
パパはパワフルな運動系。

どっちに似ても美佳って感じではないわ。

もう一度考え直してくれないかしら?


あ。
ママが呼んでる。


これから美佳として人間デビューしてくるわ。





「おめでとうございます。
元気な女の子です。」

「ありがとうございます。」

看護士さんとママのやり取りが少し聞こえる。

そして、パパの声も聞こえてくる。
どうやら付き添っていたらしい。

「なんて可愛い子だ。」

「あなたに似てるわね。」

「そうかな?」

「うん。」

そんな私のパパとママ。

そして

「美佳。初めまして。パパですよ。」

知ってるよ。

「美佳はね、ママの美由紀の『美』。
パパの佳彦の『佳』を使ったんだ。
ちゃんと意味もある。
美しく優しくなって欲しいって意味だよ。」

とパパは笑顔で話してくれた。

そんな意味があったのね。 

それなのに、美佳って名前の悪口言ってごめんなさいね。



私は少ししたらパパとママの家で住み始めた。

「パパー!美佳のお風呂!」

「待ってくれよー!」

「ミルク切れちゃった。
買ってくる!
パパはお風呂ね!」


バタバタだ。


仕方ない。
私がパパとママを大人にしてあげよう。
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