10 / 71
顔面キャッチボール
しおりを挟む※高塚くん視点
清々しく晴れ渡る雲一つない空。
照りつける太陽。
それらを間近に感じる事が出来る校庭。
ではなく動く度にキュッキュッと靴底から小気味よい音が鳴る体育館の中。
ぴっちぴちの素足を惜しげもなく晒して騒ぐ可愛い可愛いあのコに目は釘付け。
「いやーたまりませんなあ」
エロ親父さながらニヤニヤとある一点を見つめる。
今は体育の授業中。
二つのコートを男女で分け、それぞれバレーを行う。
四つのチームにわけられたのだが、ランダムで残念ながら森とは別のチームになってしまった。
そしてその森はというと、現在試合の真っ最中。
制服の衣替えが済み、当然ながらジャージも半袖にハーフパンツへと変わった。
それでなくても今日は暑いので皆何とかして熱を逃がそうとしている。
森も大勢に漏れることなく半袖、ハーフパンツ。
元気にコートの中でボールを弾いている。
「……」
焼けた肌にごくりと喉が鳴った。
「……高塚、お前顔ヤベェぞ」
「あー?」
そんなオレに、石野がひきつりながら告げる。
うるさいな、と生返事をする。
今は森を見るのに忙しいんだから構ってくれるな。
「なんか、性犯罪とか犯しそうな顔つきになってんだけど」
「ばっか、おま、オレは頭の中ではぐちゃぐちゃに森の事ヤッてっけど現実ではちゃんと許可貰わねえとやんないし!」
「や、そういう問題じゃねえよ。つーかお前のオカズなんてどうだって良い」
失礼な。
現実もさることながら妄想の世界の森は本当にえろくて可愛い。
目隠しをした時のあの不安気に縋ってくる指先だとか。
大勢に襲われそうになったところを助けた時の、怖かったと抱き付いてくる体だとか。
気持ち良くてたまらなくて滲む涙と漏れる声を必死に抑えようとする仕草だとか。
わざとじらして懇願するように仕向けた時の、悔しそうに歪められた眉だとか。
指の動き一つでイけるくらい堪らないのに。
「それがわかんねえとは……はっ、不憫なコだよ石野くんは」
「不憫なのはお前だ」
一つ一つを掻い摘んで説明し、バカにするように鼻で笑い肩をすくめると、軽く睨まれながら冷静な突っ込みと共にどつかれた。
「オレのどこが不憫なんだよ?」
「不憫すぎて泣けてくるくらいだボケ。それ全部妄想じゃねえか」
「だから頭の中っつってんじゃん」
「胸張って言うセリフじゃねえぞコラ」
隣で呆れたように溜め息を吐き出すが、どうだって良い。
今は森の生足と二の腕をじっくりまったりねっとり観察しなければ。
じーっと食い入るように細い体を見つめる。
試合も終盤となり、チャンスボールが森チームのコートにおりる。
森がトスを上げ、もう一人がうまい具合に決めた。
既にマッチポイントを先取していた森のチームの勝ち。
「いよっしゃあ!」
ガッツポーズをして、チームメイト達と手の平に拳をぶつけ喜ぶ。
そいつが森の肩に腕を回したところでムカっとして。
「コラーッ!そこ!くっつきすぎ!離れて離れて!」
監督よろしくメガホン片手に指をさし大声で注意。
喜びと悔しさの空気から一転、ぽかん、とした空気が流れ。
「悪い悪い、カレシに怒られちゃうよなー」
「愛されてんな、森」
「嬉しくねえ……」
相手は笑ってすぐに離れたが、からかうように頭や肩を小突かれていて、それがまたいちゃついているように見えてムカムカ。
直後森と視線がばっちり合い、その瞬間にイライラは吹き飛んだのだが。
「お前は余計な事言うな!黙ってやがれ変態!つーか見んな!」
「ぶッ!?」
「ぶははははだっせえ高塚!」
「ナイス顔面キャッチ!」
怒声とともにボールが顔面を直撃。
石野とその他仲間達に大爆笑されてしまった。
ちくしょう相変わらず森の愛は痛いぜ。
でもやっぱり怒った顔も超可愛い。
「保健室行くか?」
「冗談!森がついてきてくれんなら別だけど」
「くたばれ」
石野の問い掛けに答えたところで即座に森からの一言に撃沈。
次回は是非腹チラを拝みたいものだ。
神様宜しく。
end
12
あなたにおすすめの小説
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
殿堂入りした愛なのに
たっぷりチョコ
BL
全寮の中高一貫校に通う、鈴村駆(すずむらかける)
今日からはれて高等部に進学する。
入学式最中、眠い目をこすりながら壇上に上がる特待生を見るなり衝撃が走る。
一生想い続ける。自分に誓った小学校の頃の初恋が今、目の前にーーー。
両片思いの一途すぎる話。BLです。
陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。
陽七 葵
BL
主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。
しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。
蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。
だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。
そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。
そこから物語は始まるのだが——。
実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。
素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
姉の男友達に恋をした僕(番外編更新)
turarin
BL
侯爵家嫡男のポールは姉のユリアが大好き。身体が弱くて小さかったポールは、文武両道で、美しくて優しい一つ年上の姉に、ずっと憧れている。
徐々に体も丈夫になり、少しずつ自分に自信を持てるようになった頃、姉が同級生を家に連れて来た。公爵家の次男マークである。
彼も姉同様、何でも出来て、その上性格までいい、美しい男だ。
一目彼を見た時からポールは彼に惹かれた。初恋だった。
ただマークの傍にいたくて、勉強も頑張り、生徒会に入った。一緒にいる時間が増える。マークもまんざらでもない様子で、ポールを構い倒す。ポールは嬉しくてしかたない。
その様子を苛立たし気に見ているのがポールと同級の親友アンドルー。学力でも剣でも実力が拮抗する2人は一緒に行動することが多い。
そんなある日、転入して来た男爵令嬢にアンドルーがしつこくつきまとわれる。その姿がポールの心に激しい怒りを巻き起こす。自分の心に沸き上がる激しい気持に驚くポール。
時が経ち、マークは遂にユリアにプロポーズをする。ユリアの答えは?
ポールが気になって仕方ないアンドルー。実は、ユリアにもポールにも両方に気持が向いているマーク。初恋のマークと、いつも傍にいてくれるアンドルー。ポールが本当に幸せになるにはどちらを選ぶ?
読んでくださった方ありがとうございます😊
♥もすごく嬉しいです。
不定期ですが番外編更新していきます!
理香は俺のカノジョじゃねえ
中屋沙鳥
BL
篠原亮は料理が得意な高校3年生。受験生なのに卒業後に兄の周と結婚する予定の遠山理香に料理を教えてやらなければならなくなった。弁当を作ってやったり一緒に帰ったり…理香が18歳になるまではなぜか兄のカノジョだということはみんなに内緒にしなければならない。そのため友だちでイケメンの櫻井和樹やチャラ男の大宮司から亮が理香と付き合ってるんじゃないかと疑われてしまうことに。そうこうしているうちに和樹の様子がおかしくなって?口の悪い高校生男子の学生ライフ/男女CPあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる