高塚くんと森くん

うりぼう

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顔面キャッチボール

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※高塚くん視点




清々しく晴れ渡る雲一つない空。
照りつける太陽。
それらを間近に感じる事が出来る校庭。

ではなく動く度にキュッキュッと靴底から小気味よい音が鳴る体育館の中。
ぴっちぴちの素足を惜しげもなく晒して騒ぐ可愛い可愛いあのコに目は釘付け。

「いやーたまりませんなあ」

エロ親父さながらニヤニヤとある一点を見つめる。
今は体育の授業中。
二つのコートを男女で分け、それぞれバレーを行う。
四つのチームにわけられたのだが、ランダムで残念ながら森とは別のチームになってしまった。
そしてその森はというと、現在試合の真っ最中。

制服の衣替えが済み、当然ながらジャージも半袖にハーフパンツへと変わった。
それでなくても今日は暑いので皆何とかして熱を逃がそうとしている。
森も大勢に漏れることなく半袖、ハーフパンツ。
元気にコートの中でボールを弾いている。

「……」

焼けた肌にごくりと喉が鳴った。

「……高塚、お前顔ヤベェぞ」
「あー?」

そんなオレに、石野がひきつりながら告げる。
うるさいな、と生返事をする。
今は森を見るのに忙しいんだから構ってくれるな。

「なんか、性犯罪とか犯しそうな顔つきになってんだけど」
「ばっか、おま、オレは頭の中ではぐちゃぐちゃに森の事ヤッてっけど現実ではちゃんと許可貰わねえとやんないし!」
「や、そういう問題じゃねえよ。つーかお前のオカズなんてどうだって良い」

失礼な。
現実もさることながら妄想の世界の森は本当にえろくて可愛い。

目隠しをした時のあの不安気に縋ってくる指先だとか。
大勢に襲われそうになったところを助けた時の、怖かったと抱き付いてくる体だとか。
気持ち良くてたまらなくて滲む涙と漏れる声を必死に抑えようとする仕草だとか。
わざとじらして懇願するように仕向けた時の、悔しそうに歪められた眉だとか。

指の動き一つでイけるくらい堪らないのに。

「それがわかんねえとは……はっ、不憫なコだよ石野くんは」
「不憫なのはお前だ」

一つ一つを掻い摘んで説明し、バカにするように鼻で笑い肩をすくめると、軽く睨まれながら冷静な突っ込みと共にどつかれた。

「オレのどこが不憫なんだよ?」
「不憫すぎて泣けてくるくらいだボケ。それ全部妄想じゃねえか」
「だから頭の中っつってんじゃん」
「胸張って言うセリフじゃねえぞコラ」

隣で呆れたように溜め息を吐き出すが、どうだって良い。
今は森の生足と二の腕をじっくりまったりねっとり観察しなければ。
じーっと食い入るように細い体を見つめる。

試合も終盤となり、チャンスボールが森チームのコートにおりる。
森がトスを上げ、もう一人がうまい具合に決めた。
既にマッチポイントを先取していた森のチームの勝ち。

「いよっしゃあ!」

ガッツポーズをして、チームメイト達と手の平に拳をぶつけ喜ぶ。
そいつが森の肩に腕を回したところでムカっとして。

「コラーッ!そこ!くっつきすぎ!離れて離れて!」

監督よろしくメガホン片手に指をさし大声で注意。
喜びと悔しさの空気から一転、ぽかん、とした空気が流れ。

「悪い悪い、カレシに怒られちゃうよなー」
「愛されてんな、森」
「嬉しくねえ……」

相手は笑ってすぐに離れたが、からかうように頭や肩を小突かれていて、それがまたいちゃついているように見えてムカムカ。
直後森と視線がばっちり合い、その瞬間にイライラは吹き飛んだのだが。

「お前は余計な事言うな!黙ってやがれ変態!つーか見んな!」
「ぶッ!?」
「ぶははははだっせえ高塚!」
「ナイス顔面キャッチ!」

怒声とともにボールが顔面を直撃。
石野とその他仲間達に大爆笑されてしまった。

ちくしょう相変わらず森の愛は痛いぜ。
でもやっぱり怒った顔も超可愛い。

「保健室行くか?」
「冗談!森がついてきてくれんなら別だけど」
「くたばれ」

石野の問い掛けに答えたところで即座に森からの一言に撃沈。

次回は是非腹チラを拝みたいものだ。
神様宜しく。





end
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