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最近の森くんについて
しおりを挟む最近、森の雰囲気が柔らかくなった気がする。
思えば告白をしたその日から森の態度はといえばつっけんどんで敵意剥き出し、少しでも変なまねをしようものならすぐさま鉄拳が飛び交い、いくら甘い言葉を囁いても返ってくるのは馬鹿だのうざいだの冷たい言葉のみ。
それでもやはり少しずつ態度は柔らかくなってきていて。
決定的に変わったのは修学旅行でのあの一件からだ。
相変わらず手は上げられるし、その内の何回かは確かに鉛のように重いけれど、それ以外は猫のパンチのように軽く、衝撃なんてほとんどない。
なによりも、話してて森が笑うことが増えた。
なんてことのないくだらない馬鹿話だけれど。
今までは冷たい視線を寄越される事が多かったのに、心を許しているような無防備な隙だらけの笑顔を向けられる。
(あああもうなんでそんなに可愛いのはあはあはあはあはあ)
鼻息が荒くなってしまうのは仕方のないことだと思う。
勢いに任せてぎゅってしたいと言った時の森はほんとにかわいかった。
まさか許してくれるとは思わなかったけど。
言われるままにぽすって全身預けちゃってさ。
筋張ってるけど妙にすっぽり腕の中に収まっちゃったりなんかしてさ。
驚きすぎて動けなかったオレに。
『しねえの?』
なんて促したりなんかしちゃって。
別の事をしたくなってしまったのはそれこそ本当に仕方がない。
だって上目遣いでおねだりなんてあの森ちゃんが!!!※おねだりはしていない
あれは反則だ。
(今度はいつ触らせてくれるんだろ)
なんだかんだとしょっちゅう触ってはいるけど、やっぱりそれだけじゃ足りない。
もっともっと触れたい。
自分だけが森に触れられるようになりたい。
ふと、楽しそうに弧を描く口元に目が行く。
(……そういえばちゅーしちゃったんだよなあ)
事故だったけどしちゃったんだよな。
あの唇に、一度は触れたんだ。
あんまりびっくりして感触とかほとんど覚えてないけど。
柔らかそうな唇をじーっと見つめる。
相変わらずむしゃぶりつきたくなる口だなあ。
(あ、やばいむらむらしてきた)
見ていたらここが教室だろうと関係なく、貪りたくなってしまった。
最初は触れるだけ。
次に舌で頑なに閉じる唇を舐めてしゃぶって、優しく、だけど強引にこじ開けて。
逃げる舌を追いかけて絡ませて唾液も吐息も何もかもを飲み込んで。
『っ……んっ』
鼻に抜ける声で必死に力が抜けないように堪えて。
『あ、もう、高塚……ッ』
なんて涙の滲んだ熱い目で見られた日にはもうもうもうもうもう
(ああああああたまんねええええ!!!)
やばいやばいやばい!
ああやばい涎が垂れる!
可愛いんだからもう森ってば!
ばんばんと机を叩き悶える。
うっかり息子が起きかけるだなんて、相変わらず想像だけでも破壊力がすごすぎるぜ森ってば。
ここが教室でさえなかったら五回や六回はいけたかもしれない。
そんなオレを見て。
「……気持ち悪いんだけど」
「いつもの事だろ」
森と石野がそんな事を言っているだなんて気付かないまま、どうやってまたあの唇に触れようか、計画を練り続けた。
end
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