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番外編
クリスマス
しおりを挟む「森ちゃーん!見て見てー!」
キャーッ、なんて女の子みたいな黄色い声を上げながら両手を広げ駆け寄ってくる変態、もとい高塚。
「うっわ」
いつも嫌なのだがこの日ばかりはいつも以上に引いてしまった。
何故ならば。
「わあっ、高塚くんサンタ!」
「可愛いー!」
「どうしたの?それ」
「へへっ、演劇部に借りてきちゃった!」
「似合うー!」
そう、このバカは何を思ったか真っ赤な生地で袖と裾、襟に白いファーのついた上着にお揃いのパンツと帽子といった出で立ちでもって現れやがったのだ。
「似合う?」
「……」
サンタといえば真っ白で立派な髭が欲しいところだが、確かに似合う。
女子が騒ぐのもわかる。
が、しかし。
「似合うっしょ?カッコイイ?」
「うざい」
にっこにっことこちらに詰め寄ってくるのは止めて欲しい。
「森ちゃんったら照れ屋さん!」
「今のどの辺でどうそう思えんだよ!?」
「ふっへっへっ」
「……………何、気持ち悪いんだけど」
ご満悦な笑顔とは一転、にやー、と何かを企んでいる顔をする高塚。
嫌な予感がする。
とてつもなく。
そしてその予感は的中する。
「じゃじゃーんっ」
「……うわ」
思いきり顔をしかめてしまった。
だって言葉と同時に取り出したものといったら、
「森ちゃんのために借りてきたんだよコレ!」
「…………ミニスカサンタを?お前バカにしてんの?」
「可愛いでしょ?絶対絶対似合うと思うんだよね!」
「絶対バカにしてんだろおおお!!なんで似合うと思うんだよミニスカサンタが!?」
「だって森ちゃんだよ!?ミニスカだよ!?似合うに決まってんじゃん!!!ミニスカだよ!?」
「繰り返してんじゃねえよはあはあすんな死ね変態いいい!!!」
鼻息荒く更に詰め寄ってくるその鼻っ柱を掌で押し返し、すねを蹴り上げる。
「やっぱミニスカは駄目か」
「!」
痛みに悶える高塚をざまあみろと思い、聞こえた声に顔を上げる。
そこにはいつものように呆れたような顔をしつつも笑っている石野がいた。
いた、のだが。
「…………い、いし」
その出で立ちに思わず指をさす。
石野は我関せずといった感じで更に代替え案を聞いてきた。
「ん?トナカイとかにする?」
「てゆか、石野」
「ああ、オレは神様だから」
「……」
純白の法衣に茨の額飾りを付けた石野に今度こそ絶句。
まさか石野までこんなことに参加するとは思わなかった。
ミニスカサンタよりはトナカイの方がマシかな、と本気で悩んでしまった自分が恨めしい。
end
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