復讐のはじまりは暗くて寒い

皐月亭 もっちりー

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14-2.ヤンゴル伯爵家 令息

何でも屋に後腐れのない平民の破落戸を集めてバロースの店を見せしめ程度に襲うように指示を出し
自身はいつもの仲間を集めると平民達の住む住宅街の一画にあるバニエアラ男爵の愛人宅へと向かった

堂堂と三人で正門から乗り込むと守衛らしき数人が抵抗したので黙らせそのまま屋敷の西側へと進み屋敷と連なって建てられた温室の様にもみえるフェンリルが居るだろう部屋の側にたどり着いた

途中、屋敷の南東側にある庭園に人が集まっているようだったが捨て置いた

「向こうに人が集まっているな…どうする?」

「あぁ、男爵の愛人と使用人達じゃないか?外国の出身で貴い血など一筋も流れていないと聞いている…捨て置け察しが良ければどこぞに逃げ込むだろう巻き込んだとしても奴らの間抜けさ故だ自業自得だろう
抗議されたら愛人などに分不相応な物を持たせ管理出来なかった男爵のせいだとでもいえばいいさ」

この部屋にたどり着くまでに認識阻害の魔道具の干渉があったが普通の侵入者ならともかく自分達には無いに等しかった
目の前の建物に施された獣を閉じ込める為だろう魔術も簡素な物でこの程度を破れずに囚われる中に居る魔物のレベルが大したことの無い物であると示していた

そんな小物にいいようにあしらわれ醜態を晒し笑い者にされた事を思いだし一気に腰に下げた剣を引き抜いた

あの時、友人達は酒を飲んで酔った自分が勝手に転び頭を打ち起き上がれずもがいている様に見えたらしい
周りにいた者達はその無様な様子を普段の姿から想像も出来ないギャップだと大いに笑い話の種となり広まった

屈辱に歯を噛み締めると手にもった剣に魔力を流し力任せに振り下ろした

剣を振り上げた時、中に居た獣と目があった
ゾクリとした寒気は一瞬で
寝そべっていたその獣は立ち上がり此方を真っ直ぐに見据えていた…


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