平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法

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身体が支えられ、気づけばベッドに押し倒されていた。
見下ろす隼人の目は熱と狂気で濁り、息は荒い。

隼人くんは僕の手をそっと握り、ベッドの縁に腰を下ろすように導いた。

「今まで不安にさせて本当にごめんね。もう逃がさない。君は俺のものだ」

その声は甘く、低く、でもどこか独占的で。体が自然と彼に寄り添っていく。

彼の手が肩から腕に沿って滑り、指先が柔らかく触れるたび、胸の奥がぎゅっと締め付けられる。

「んっ…は、隼人くん…」

声が小さく震える。怖いはずなのに、心のどこかで嬉しくて、体が熱くなる。

ベッドに押し倒される瞬間、体がぎゅっと包まれ、息が詰まる。
唇が再び重なり、舌が絡み合う。荒々しくも、どこか優しいキス。息が混ざり合い、熱が全身を駆け巡る。

「俺、すごい幸せ」

囁きながら、頬や首筋に何度も口づけられる。
唇、顎、耳、鎖骨……そのたびに体が震えて、声が漏れる。

「は、隼人くん…」

「違う、隼人、」

「は、隼人、く、くすぐったい」

「……本当に初めてなんだね…」

「わ、悪い?そりゃ隼人ほど経験ある人にとっては笑い事かもしれないけど」

「全然嫌じゃない。むしろ嬉しい。最初から最後まで俺でいっぱいになってほしい。昔は処女は面倒だとか思ってたけど、君は本当に俺の価値観を破壊してくれるね」

嬉しそうに笑った。
そのまま行為は続けられる。

唇が首筋に落ち、軽く噛まれるたび、甘い痛みが体中を駆け抜ける。

「んっ…あ、や…」

声が勝手に漏れる。怖いはずなのに、胸が甘く締め付けられるようで、抗えない。

隼人くんの指先が胸の上でゆっくりと這い、乳首に触れる。
熱と痺れが一瞬で全身に広がり、息が詰まりそうになる。

「可愛い…光希、本当に可愛い…」

舌先が耳たぶを撫で、甘く囁かれると、体が震え、声がさらに漏れる。

手が腰から太ももへ滑り、肌の柔らかさを確かめるように絡む。
怖いけど、抗えない。胸の奥が甘く疼き、息が荒くなる。

「は…んっ…あ、やっ…」

声が震え、体の芯まで熱くなる。

唇が再び重なり、舌が絡み合う。荒々しくも深く、息が混ざり合う感覚に頭がぼんやりとしていく。
隼人くんの手は体中を這い、触れるたびに甘い電流が走る。

「光希…これからずっと、俺だけのものだ…」

独占欲と狂気が混ざったその言葉に、心臓が高鳴り、体が熱く震える。

体が熱と快感で支配され、怖さが徐々に消えていく。
でも瞳の奥に潜む狂気は消えず、甘美で危険な雰囲気が二人を包む。

僕の全てが、隼人くんに支配され、体の熱と心の震えだけが残る。
もう、逃げられない――
この瞬間、二人だけの世界に閉じ込められ、官能と狂気の狭間で、僕は完全に彼に委ねられていた。

シャツのボタンが一つずつ外されていく。冷たい空気が肌を撫でる感触。

「綺麗だ」

その言葉と共に隼人くんの唇が胸元に落ちる。軽く歯を立てる刺激に思わず背中が反り返った。

「ぁあっ……!」

自分の声とは思えない甘い吐息が漏れる。羞恥と悦びが混ざり合って頭の中が混乱していく。

布団の上で乱れたシーツが足首に絡みつく。いつの間にかズボンのベルトも外されていたことに気づいた時にはもう遅かった。下着越しに感じる熱い掌の感触。

「嫌だ……は、恥ずかしい……」

「駄目だよ。全部見せて」

容赦なく下着ごと引きずり下ろされてしまう。外気に晒された下半身が羞恥で火照った。誰かに見られてる。自分自身を晒け出すなんて想像したこともなかった。ましてやそれを誰かに見られるなんて——

「すごく可愛いよ」

隼人君の言葉には揶揄するような響きはない。本心から出ていることがわかってしまうから余計に辛いのだ。

「もっと可愛い姿見せてよ」

隼人くんの低い囁きが耳朶を這う。手のひら全体で太ももを撫で回しながら、彼はベッドサイドに置かれた小瓶を手に取った。蓋を開けると甘ったるい香りが漂う。

「これ使ったことある?」

問いかけには応えられずにいると、冷たい液体が後ろに垂らされる感覚があった。粘性のあるそれが肌を伝っていくだけで腰が浮くほどの快感が走る。

「ほら……力抜いて」

「だめ……そんなの入れちゃ……ッ」

抵抗も虚しく、隼人くんの指が侵入してきた。異物感と圧迫感で息が詰まる。でも同時に信じられないくらい気持ちよくて混乱するばかりだ。二本目の指が添えられると圧力が増して更に強く内壁を擦られるようになった。

「痛い?」

気遣うような質問だが、その表情はどこまでも嗜虐的で瞳の奥には隠しきれない情欲が宿っている。痛くはないけれど慣れない刺激に身体がついていかない。

「ふふ、もう勃ってる」

「!?」

ほんとだ、は、恥ずかしい。

「抜いてあげよっか?」

「い、いらない……そんなの」

俯いたまま答えるが、隼人くんはくすっと笑って腰を近づけてきた。視界に入った僕自身を見て息を飲む。そこまで大きくなっているとは思っていなくて……

「本当に要らないの? 君が『ほしい』って言うまで待ってあげてもいいけど」

「そんなの言えない……!」

「じゃあ勝手にするよ」

「んっ……ひぃっ!」

温かい口腔内の感触に全身が震える。隼人くんが僕のものを口に含んでいる。初めての経験に戸惑いながらも体は正直だった。柔らかく吸われて舌で包まれる度に腰が砕けそうになる。

「いやぁ……っ!そんなことしないでぇ……あぁ……っ!!」

懇願するように訴えるも逆効果だったようで舌の動きはさらに激しさを増すばかりだった。溢れ出した蜜を音を立てて啜られてしまえばもう耐えられるはずもなく……

「ひゃあああああッッ!!!」

「ぁあ……っ!」

全身が震えるほどの快楽に襲われる。白濁した液体が吐き出される感覚とともに脳内まで真っ白に染め上げられてしまったようだ。荒い呼吸を繰り返しながらぼんやりとした意識の中で考えることしかできずにいるうちに隼人君が再び動き出す気配を感じ取ってしまう。

「もっと欲しいよね?」

冷たいジェルを手早く塗り込むと、入口に熱いものが押し当てられた。反射的に抵抗しようとするが肩を強く押さえ込まれて動けない。

「初めてだからゆっくり入れるね」

宣言通り最初は慎重な動きだったが、亀頭が半分程埋まると一気に腰を落とされた。衝撃で喉がひゅっと鳴る。

「あ゛ッ……!! いッ……」

「すご……締め付けすごいよ」

彼は嬉しそうに囁いて浅く抽送を始める。痛みはあるものの同時に腹の奥が熱くなるような不思議な感覚が広がった。隼人くんの息遣いが耳元で荒くなり始める。

「ねえ……こっち見てよ」

顔を無理矢理向けさせられると至近距離で見つめ合ってしまった。彼の瞳には欲望だけではなく執着のような暗い光があって息が詰まる。

「僕は君のものだって言ってくれたら優しくしてあげるよ」

「……そんな当たり前のこと言うの…?」

声は震えていた。恥ずかしいのに、その先にある快楽に期待してしまう自分がいるのも確かで—

「……君ってやつは…!」

隼人くんは激しく打ち付けるように腰を使い始めた。結合部からは濡れた音が漏れ始める。苦しさの中に時折鋭い快感が混じりだして戸惑うばかりだ。

「んっ……隼人くん……もっと……」

自分の意思とは裏腹に、僕の身体は隼人くんを求め続けていた。彼の動きに合わせて無意識に腰が揺れる。汗ばんだ肌が密着し、互いの体温が溶け合うような感覚に溺れる。

「……可愛い顔してるね」

甘い蜜のような囁きが耳元を撫でる。彼は動きを緩め、深くつながったまま僕の頬をそっと包んだ。

「……大好きだよ」

彼が見せる柔らかな微笑みに胸が締め付けられる。涙が溢れてきたのは痛みのせいだけじゃない。この人に求められている喜びで溢れているんだ。

「僕も……隼人が好き」

言葉に出すと気持ちがより確かになる。僕たちの間にあった見えない壁が溶けていく気がした。

「ずっと一緒にいたい……」

隼人くんは目を細めると、繋がったまま僕の髪を梳くように撫でてくれた。汗で湿った髪の毛が絡まって指にまとわりつく。

「当たり前だろ……一生離さないから覚悟しろよ」

その言葉に応えるように、僕は彼の首に腕を回した。二人の鼓動が重なり合う。もう何も怖くない。ただ目の前の温もりを感じていればそれで十分だった。

「もう……隼人くん無しじゃ生きられないよ」

僕の囁きに応えるように、隼人くんは一層強く抱きしめてくれた。彼の匂いに包まれて胸がいっぱいになる。この幸せな時間が永遠に続けばいいのに。

「……俺もだよ」

低い声が耳朶をくすぐる。彼の吐息が熱く首筋にかかり、身体の奥が疼く。もっと近くに感じたくて僕は自分からキスをねだった。隼人くんは少し驚いたような表情を見せたあと、すぐに優しく応えてくれる。

「……愛してる」

囁きながら啄むようなキスを繰り返す。彼の瞳の中に映る自分の姿が見えるくらい近くにいて、心臓の高鳴りまで共有できそうだ。彼の胸に顔を埋めると規則正しい鼓動が伝わってきた。同じ早さで脈打つのが嬉しい。

「僕も……愛してる……」

自然と溢れ出した言葉に頷きながら、隼人くんはそっと身体を起こした。一度離れてしまった温もりが寂しくてつい追いかけそうになる。すると彼は苦笑しながら僕の頬に手を添えて言った。

「大丈夫。ずっとそばにいるから」

その言葉に安心して目を閉じると、優しいキス降ってきた。何度も角度を変えながら交わされる口づけは甘く蕩けるようで意識が遠のいていく。心地よい倦怠感の中で僕は幸せに満たされていた。

「じゃあ、続きするね」

「んん……あぁっ!」

隼人くんの腰の動きが速まり、僕の中を抉るように突き上げてくる。汗で滑る肌同士がぶつかり合い、結合部から漏れる水音が寝室に響いた。

「あっ……あっ……! もうダメ……!」

「……俺も限界……イキそう……」

掠れた声で囁かれると同時に抱きしめられた。骨が軋むほど強く。その痛みすら快感に変わっていく。彼の背中に爪を立てながら喘いだ。

「あぁっ! 出ちゃう……!」

「出して……!」

最奥に押し込まれた熱杭から迸る快感に全身が痺れた。腰が弓なりに反り返る。白濁が僕たちの腹の間に飛び散った。

「っく……!」

続く瞬間、隼人くんが低く呻く。彼の放つ熱い奔流が体内を満たしていく感覚に震えながら、僕は意識を手放した。

「愛してる……」

霞む視界の中で見た彼の微笑みが最後の記憶だった。
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