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世界大会編
フラグを立てないでください。パート2
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グリーデンに戻り、冒険者ギルドの受付へ向かう途中、桜がカエデの魔力の高まりを感知。
急いで向かうと受付の傍にある席にフィーネたちが居た。
「皆さま。おかえりなさいませ」
「ただいま戻りました。それで、えっと……。これはどういう状況ですか?」
いつもと何ら変わらない様子のフィーネ。
しかし、その傍には床から生えた植物に磔にされた人族の大柄な男性が二人。
「実は先ほど……」
フィーネたちが買い物から戻り休憩をしていると声をかけられたらしい。
「よう。姉ちゃんたち!この後飯に行くんだ!俺たちに付き合えよ」
「おいおい怖がらせるんじゃねぇ。安心してくれ、俺たちはこう見えて優しい人族なんだ」
そう声をかけられたが、あまりの品のなさに無視をしていると『おい!聞いてんのか!?』と声を荒げ、フィーネの腕を掴もうとした。
アニィが受付から駆けつける間もなく、一瞬でカエデが植物魔法で縛り上げ、気絶させて磔にしたそうだ。
「そうだったんですか。皆さんに怪我はありませんか?」
「はい。今アニィさんがグランさんを呼びに行っているところです」
蓮の問いに答えながらフローネが状況を説明。
ウィステリアも頷き無事を知らせた。
「カエデ。よくやった。偉いぞ」
蓮は褒めながらカエデを撫で、次はもっと強めにやるように言葉を続けると、グランが現れた。
「すまない。こちらの管理不足だ」
「対処が遅れ申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます」
グランに続き、アニィが謝罪を口にしながら頭を下げた。
流石に女性に頭を下げられては何も言えない。
「ア、アニィさん頭を上げてください。怪我はありませんし、彼らも十分な罰は受けてますから」
蓮は慌ててアニィに頭を上げるように伝え、再発防止策など後のことは冒険者ギルドに任せることにした。
念のためフィーネたちにも尋ねるが、その対応で問題ないということで、大事にはならなかった。
「カエデ。解放してあげて」
「きゅるる」
カエデは愛らしく返事をし、植物を蔓をほどき、大柄な男性二人を床に寝かせた。
植物は何事もなかったかのように、床へと戻った。
「フェンたちはクエストの完了報告を。僕はハンディルさんに魔物を渡してくるよ」
蓮はフェンたちに声をかけ、フィーネたちを待たせて奥へと進む。
「ソフィさん。騒がしくなってすみませんでした」
受付の横を通るときに、ソフィに騒がしくなったことを謝罪。
アニィは受付業務も行うが、本業は副ギルドマスターを務める手練れ。
それに対してソフィは、先頭からは程遠いただの犬人族の女性。
怖かったに違いない。
「い、いえ。こちらこそ対応が遅れてしまってすみません」
ソフィは蓮の言葉に謝罪で返し、さらに『こう言っちゃなんですけど、おかげですっきりしました。あ、内緒ですよ』と蓮に感謝の意味を込めた言葉を続けた。
蓮とは慎重さがあるため、自然と上目遣いになる。
そして、内緒と言わんばかりに人差し指を自身の口元に添えながら話す様は、とても愛らしく、男心のくすぐり方を心得ているようにも感じた。
「ひっ……。何か強い視線を感じるのですが……」
ソフィが振り返り向けた視線の先にはドラコが居た。
ドラコは声には出さずに視線を向けるソフィに口の動きだけで『話しかけるな』と伝えた。
「ん?何か言ってるな。腹が減った?すみません。うちの食いしん坊が空腹で機嫌が悪くなってきているので、これで失礼します」
蓮は『仕方のない奴だなぁ』と言葉にしながら奥へと向かうが、ソフィはドラコの口の動きから『話しかけるな』と読めていたため、蓮の鈍感さに驚愕。
ドラコの指示を守るために、引きつった笑顔で手を振り蓮を見送った。
蓮は奥へと進み、ハンディルの居る解体場へ移動。
「ハンディルさーん!ただいま戻りましたぁ!」
「も、戻ってくるんじゃねぇよ!もう無理だ!これ以上はぁぁぁぁぁぁああぁあぁ!お、終わった……」
蓮はハンディルが拒む前に、言葉の途中でゴリラージやオークなど狩りたてホヤホヤの魔物を大量に山積みにした。
向日葵を連れてきて癒しの効果を与えた方が良いのではないかと悩むほどに、ハンディルは絶望的な表情を浮かべ膝をついた。
「だ、大丈夫です!明日も街に居ますし、また今度で大丈夫ですので!」
せめてもの気休めに蓮は伝えながらリンゴを2つ取り出し、ハンディルへ手渡した。
ハンディルは絶望の淵のように小さな声で『俺ミカンの方が好きなんだ』と言うので、蓮は取り出し、ミカンも2個プレゼントした。
「ではお願いします!あ、こっちの山と、あっちの山はフェンさんたちの分なので早めにお願いします!」
「やっぱりしばらく来んじゃねぇ!」
ミカンで一瞬機嫌が直りかけたが、明日がゴリラージとその上位種の山と、オークとその上位種の山を指さし言うと、ハンディルの機嫌が再び悪くなった。
蓮はハンディルの怒りの言葉を最後まで聞かずに走って部屋を後にした。
「お待たせしました。向かいましょうか」
蓮が戻ると、ちょうどフェンたちも受付での任務完了報告が終わるところだ。
小熊のしっぽへと移動。
「……と、まぁそんな感じで、拠点の移動を考えているので、また決まったら言いますね」
ベアードの美味しい料理を食べながら、グランにもある程度の今後の方向性を共有。
全ては王と話した後にしか確定できないため、あくまで蓮の考えと方向性だけだ。
「ふむ。なるほどな。案外、お前が次の領主に任命されたりしてな」
蓮の考えを聞き、グランは冗談交じりに言葉にした。
グランの言葉を聞き、フェンやメイも良案だと口を揃えたが蓮は断固として拒否した。
「絶対に嫌です!というか本当になったらどうするんですか。冗談でもやめてください」
せっかくの異世界スローライフが早くも終わってしまうところだ。
ただでさえ、ポーション事業でのんびり暮らそうと思っていたところが、特別指定討伐対象の討伐でレグナムに呼ばれ有名になったり、王族と仲良くなったり、世界大会の指南役になったりと、思わぬ方向に発展している。
この先、更なる発展を防ぐためにも、蓮は滅多なことを口にしないように、グランに再度釘を刺した。
急いで向かうと受付の傍にある席にフィーネたちが居た。
「皆さま。おかえりなさいませ」
「ただいま戻りました。それで、えっと……。これはどういう状況ですか?」
いつもと何ら変わらない様子のフィーネ。
しかし、その傍には床から生えた植物に磔にされた人族の大柄な男性が二人。
「実は先ほど……」
フィーネたちが買い物から戻り休憩をしていると声をかけられたらしい。
「よう。姉ちゃんたち!この後飯に行くんだ!俺たちに付き合えよ」
「おいおい怖がらせるんじゃねぇ。安心してくれ、俺たちはこう見えて優しい人族なんだ」
そう声をかけられたが、あまりの品のなさに無視をしていると『おい!聞いてんのか!?』と声を荒げ、フィーネの腕を掴もうとした。
アニィが受付から駆けつける間もなく、一瞬でカエデが植物魔法で縛り上げ、気絶させて磔にしたそうだ。
「そうだったんですか。皆さんに怪我はありませんか?」
「はい。今アニィさんがグランさんを呼びに行っているところです」
蓮の問いに答えながらフローネが状況を説明。
ウィステリアも頷き無事を知らせた。
「カエデ。よくやった。偉いぞ」
蓮は褒めながらカエデを撫で、次はもっと強めにやるように言葉を続けると、グランが現れた。
「すまない。こちらの管理不足だ」
「対処が遅れ申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます」
グランに続き、アニィが謝罪を口にしながら頭を下げた。
流石に女性に頭を下げられては何も言えない。
「ア、アニィさん頭を上げてください。怪我はありませんし、彼らも十分な罰は受けてますから」
蓮は慌ててアニィに頭を上げるように伝え、再発防止策など後のことは冒険者ギルドに任せることにした。
念のためフィーネたちにも尋ねるが、その対応で問題ないということで、大事にはならなかった。
「カエデ。解放してあげて」
「きゅるる」
カエデは愛らしく返事をし、植物を蔓をほどき、大柄な男性二人を床に寝かせた。
植物は何事もなかったかのように、床へと戻った。
「フェンたちはクエストの完了報告を。僕はハンディルさんに魔物を渡してくるよ」
蓮はフェンたちに声をかけ、フィーネたちを待たせて奥へと進む。
「ソフィさん。騒がしくなってすみませんでした」
受付の横を通るときに、ソフィに騒がしくなったことを謝罪。
アニィは受付業務も行うが、本業は副ギルドマスターを務める手練れ。
それに対してソフィは、先頭からは程遠いただの犬人族の女性。
怖かったに違いない。
「い、いえ。こちらこそ対応が遅れてしまってすみません」
ソフィは蓮の言葉に謝罪で返し、さらに『こう言っちゃなんですけど、おかげですっきりしました。あ、内緒ですよ』と蓮に感謝の意味を込めた言葉を続けた。
蓮とは慎重さがあるため、自然と上目遣いになる。
そして、内緒と言わんばかりに人差し指を自身の口元に添えながら話す様は、とても愛らしく、男心のくすぐり方を心得ているようにも感じた。
「ひっ……。何か強い視線を感じるのですが……」
ソフィが振り返り向けた視線の先にはドラコが居た。
ドラコは声には出さずに視線を向けるソフィに口の動きだけで『話しかけるな』と伝えた。
「ん?何か言ってるな。腹が減った?すみません。うちの食いしん坊が空腹で機嫌が悪くなってきているので、これで失礼します」
蓮は『仕方のない奴だなぁ』と言葉にしながら奥へと向かうが、ソフィはドラコの口の動きから『話しかけるな』と読めていたため、蓮の鈍感さに驚愕。
ドラコの指示を守るために、引きつった笑顔で手を振り蓮を見送った。
蓮は奥へと進み、ハンディルの居る解体場へ移動。
「ハンディルさーん!ただいま戻りましたぁ!」
「も、戻ってくるんじゃねぇよ!もう無理だ!これ以上はぁぁぁぁぁぁああぁあぁ!お、終わった……」
蓮はハンディルが拒む前に、言葉の途中でゴリラージやオークなど狩りたてホヤホヤの魔物を大量に山積みにした。
向日葵を連れてきて癒しの効果を与えた方が良いのではないかと悩むほどに、ハンディルは絶望的な表情を浮かべ膝をついた。
「だ、大丈夫です!明日も街に居ますし、また今度で大丈夫ですので!」
せめてもの気休めに蓮は伝えながらリンゴを2つ取り出し、ハンディルへ手渡した。
ハンディルは絶望の淵のように小さな声で『俺ミカンの方が好きなんだ』と言うので、蓮は取り出し、ミカンも2個プレゼントした。
「ではお願いします!あ、こっちの山と、あっちの山はフェンさんたちの分なので早めにお願いします!」
「やっぱりしばらく来んじゃねぇ!」
ミカンで一瞬機嫌が直りかけたが、明日がゴリラージとその上位種の山と、オークとその上位種の山を指さし言うと、ハンディルの機嫌が再び悪くなった。
蓮はハンディルの怒りの言葉を最後まで聞かずに走って部屋を後にした。
「お待たせしました。向かいましょうか」
蓮が戻ると、ちょうどフェンたちも受付での任務完了報告が終わるところだ。
小熊のしっぽへと移動。
「……と、まぁそんな感じで、拠点の移動を考えているので、また決まったら言いますね」
ベアードの美味しい料理を食べながら、グランにもある程度の今後の方向性を共有。
全ては王と話した後にしか確定できないため、あくまで蓮の考えと方向性だけだ。
「ふむ。なるほどな。案外、お前が次の領主に任命されたりしてな」
蓮の考えを聞き、グランは冗談交じりに言葉にした。
グランの言葉を聞き、フェンやメイも良案だと口を揃えたが蓮は断固として拒否した。
「絶対に嫌です!というか本当になったらどうするんですか。冗談でもやめてください」
せっかくの異世界スローライフが早くも終わってしまうところだ。
ただでさえ、ポーション事業でのんびり暮らそうと思っていたところが、特別指定討伐対象の討伐でレグナムに呼ばれ有名になったり、王族と仲良くなったり、世界大会の指南役になったりと、思わぬ方向に発展している。
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