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第一部
第36話 ※
しおりを挟む「気持ち‥よかったですか?」
荒い息の中でエルーシアは茫然としていた。
とても気持ちよかった。薬?それともワインのせい?きっとそうに違いない。酷く乱れてしまい気恥ずかしくて、視線を外しこくんと頷いて見せれば頭を撫でられ額に口づけられる。しばらく余韻にうっとりしていたが、落ち着いたはずの疼きがまたジグジグとエルーシアを苛み出す。媚薬の効果はまだ残っている。たまらず太ももを擦り付けた。
「そろそろ‥いいですか?ちゃんと‥準備しないと」
準備。その言葉にどきんと心臓が跳ねた。ベッドの上に座ったエデルがエルーシアを抱き上げ太ももの上に向かい合わせに座らせた。座っているがエルーシアの脚は膝を折った状態で膝立ちになり、脚はエデルに跨るように大きく開かれ蜜口が晒される。エデルが両手で正面のエルーシアの胸を掬い上げた。
「や‥エデル‥」
「こうやって触れるのは久しぶりです。やっぱり大きいな」
「でも‥‥」
この胸には色々悩まされている。服を選ぶためいつもドロシーのコーディネートで目立たないよう頑張っているのだ。肩も凝るしダンスでも邪魔だ。
「別に大きいことは悪いことじゃないですよ?僕は好きです。大きくて柔らかくて甘くて、ここも美味しそうなピンク色だ。でもまあエルシャ様のならなんでも好きですが」
「も!もう!エデルったら!」
エデルは恥ずかしいことをあけすけに言う。時々わざとそう言うことを言ってエルーシアの様子を見て喜んでいるようだ。
やわやわと胸を揉まれエルーシアから甘い声が漏れる。エデルに触れられればこんなにあっさり蕩かされてしまう。
「可愛いものですよ、僕のに比べたら‥」
「え?なあに?」
「いえ別に‥、ここ‥少しだけ」
舌先で胸の尖を突かれ舐められる。愛撫に反応して硬く勃ち上がったところを転がされしゃぶられる。胸の谷間に顔を埋め舌を這わされ、ちゅうと吸いつかれる。赤い花びらが谷間に散ったがちょうど隠れて見えない場所だ。媚薬の効果でエルーシアの体がビクビク反応した。
舌と鼻で探られ再び尖る先端を舐り出した
「ああんッそこばっかり‥」
「フフッ可愛い。今なら胸だけでイけそうですね。でも」
するりと秘裂を指でなぞられてエルーシアの体がびくんと跳ねる。
「あ‥ハァ」
「今はこっちが先かな。痛かったら‥言ってください」
くるくると蜜口を弄っていた中指がゆっくりと中に差し込まれる。抜き差しではなく中を探るように動く指に体が震える。達したばかりの体に快感が駆け抜けた。
「よかった‥たくさん濡れてます。痛いですか?」
痛いどころかいつもより気持ちよくてゾクゾクする。でもそんなはしたないことも言えない。変な声が出そうで口を手で押さえる。エルーシアは目をぎゅっと瞑りぶんぶんと首を左右に振った。
「フッンッ」
「声‥我慢しないで。手はここです」
エデルの首に手を導かれる。身を寄せれば剥き出しの胸の頂がエデルの胸に擦れて電気が走ったように体が痺れた。いつもより感度が高いのは媚薬のせい。惚けるエルーシアにエデルが顔を綻ばせる。
痛がらないエルーシアに膣内のエデルの指が前後に動き出す。ゆっくり抜かれゆっくり挿る。ぬるりと動く指を膣襞がぎゅっと締め付けた。
「大丈夫そうですね。もう一本‥」
「ンンッ」
人差指を増やされつれる感覚でエルーシアの体が強張った。ピクピク痙攣する体をエデルの空いた手が宥める様に撫でる。頭を下げ尖る胸を口に含まれて舌で再び舐られ嬲られた。その快楽で下腹部から力が抜け体の奥から熱いものが溢れ出した。
きついと思っていた指が滑らかに出し入れされじゅぶじゅぶと蜜が溢れ出す。さらにもう一本指が増やされ膣襞がギチギチに広げられた。つれる感じがするが酷い痛みもない。だけど指の届かない奥が疼いてじんじんする。
感じやすいざらつく膣壁を三本の指で擦られ、快楽を逃そうと体が勝手にしなる。やがて三本の指でも滑らかに出し入れされ指から愛蜜を溢した。耳にしゃぶりつかれ耳腔に舌が捩じ込まれる。ゾクゾクと興奮と快感がエルーシアの背筋を這い上がった。
「ハァッああぁあッあんッぁんッヤッ」
「中の‥ここもイイでしょう?」
エデルの愛撫で朦朧とする中で首に縋りついていた手をエデルの胸に這わせる。エデルの胸の尖りを指でくすぐれば逞しい体がびくりと震えた。
「いたずらは‥」
「‥‥‥ダメ?」
熱にうなされたようなエルーシアの問いにエデルが目元を赤らめぐっと言葉を詰まらせる。
いつも愛してもらってばかりだ。ずっとエデルに触れたいと思っていたが恥ずかしくてできなかった。でも今日はなぜか恥ずかしくない。薬のせいだろうか?
そっと筋肉質の胸を撫でる。硬い胸板。自分のものとは随分と違う。肌を這う指がふと左肩から胸に向かう傷跡に触れた。うっすらミミズ腫れのような傷は真っ直ぐ心臓に向かっている。相当に古い。太刀傷だ。そう理解すれば鼓動がドクンと跳ねた。
「古傷です‥赤子の頃の」
「痛く‥ないの?」
「大丈夫です」
エデルが服を脱ぐこともあまりないから気がつかなかった。痛くない、その答えに安堵して指でその傷をゆっくり辿りその先の尖に触れた。自分はここが気持ちいいがエデルはどうだろうか。そこを指で撫でればエデルの手が止まる。見上げればエデルの目元が赤く染まっていた。息も荒い。
「気持ち‥いい?」
「どうかな‥くすぐったい‥が正直なところです」
「そう‥なの?」
「そこがどうというか‥触れられていることに興奮します」
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