【完結】ヒロイン、俺。

ユリーカ

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Ⅴ メシア、俺。

049: 熾天使降臨

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「陛下、朝ですぞ。お目覚めくだされ」

 何やら高くて可愛らしい声に起こされ目が覚めた。声音とセリフが全然合ってない。
 毎朝ポメが俺を起こしてくれるのだが今日は何やら様子が違う。ポメは脳に響く念話、今聞いた声は耳に響く肉声だ。

 昨日は暴飲暴食の上、女神様のなでなで天国で寝落ち。その延長か女神様の膝枕なでなでの夢を見ていたところで起こされた。

 いい夢見ていたのにー!誰だよ?!

 目をこすりながら俺の体をゆすった相手を憤然と見上げ、俺は絶句した。そこには見覚えのない、いやあるかもしれない金髪の少年が立っていた。

 歳のころは十歳前後、輝く金髪に澄んだ青い瞳、この瞳は俺の瞳に似ている。つまりこの少年は女神様に近い瞳の色を持っているということだ。神話級美少女の女神様に顔立ちもなんとなく似ている?つーことはこちらも伝説級美少年であるわけだ。

 真っ白い服がまぶしい‥太陽の光が反射して後光が見える?幻覚で背中に翼が見えるようだ。神々しい!眩しい!目がぁァァぁあ!

 まさに天使!なんだこの美人さんは?!

「は?え?お前誰だ?」
「ポメです」
「は?!」

 ほのかに微笑む美少年に俺は唖然とした。輝く金色の髪と突き抜けるような青いの瞳に目を惹きつけられる。どことなく懐かしいような———

「おそらく陛下のお力が強くなったことで我の能力が一部解放されたようです。昨晩気がつきました。第二の擬態が現れました」
「第二の擬態?これが?!」
「はい」

 にこりと溢れるように微笑む美少年に俺はまだ思考停止中だ。確かに落ち着いた雰囲気はあの魔狼と同じだ。

 アークリッチのるぅは人の姿をしていた。神の血を受けたために神の器に似ている姿なのだが、つまりるぅの兄であるこの魔狼も神の血を受けたこの姿を持っていたということだ。これならるぅと兄妹と言っても違和感が全然ない。るぅだって生意気だが見た目は美幼女だ。美形兄妹のツーショットで目で癒されそうだ。

「‥‥‥なんつーか、お前すげぇな、さすが俺の守護獣だ」
「ありがとうございます」

 俺に褒められて美少年が頬を染めて嬉しそうに笑った、その瞬間。頭に狼耳がぴょこんと生えた。よく見ればふさふさの尻尾まで腰から垂れ下がっている。これは俗にいうアレだ。

 当然俺にズガガーン!と更なる激震が走った。エフェクトは某少女漫画でお馴染み、縦ロールお嬢様の白目蒼白で「おそろしい子!」というやつでお願いします。先生のオーホホホホホッの高笑いバージョンも捨てがたい!

 頭の耳を両手で押さえポメがなぜか俺に謝ってきた。

「失礼しました!まだこの擬態に慣れてなくて」
「ぐわぁぁッ 金髪美少年にケモ耳!もふ尻尾!お前それは卑怯だろ!!」
「は?」

 ケモ耳ポメ少年がこてんと首を傾げた。元々アイドル犬級の可愛らしさだ。人の姿だけでも悶絶可愛いのにさらにケモ耳と尻尾とか!男の俺でさえズギューン!と来た!電波にこの映像を載せたらマジアイドルになれる!(2回目)

 ポメ!なんておそろしい子!!

 ヤバい!ホントに国宝級にヤバい!うちの最恐SPが悪党に拐われるぞマジで!奴隷市場一直線、有閑マダムのイカガワシイ愛玩動物ペットにされる!そして俺の思考が暴走した。

「急いで身代金の積立しておかないと。最低でも億は要るぞ。あとは護衛だ。スケさん達は夜だけだから日中はSPを雇おう。金あるし。この世界にはGPSないのか?見守りケータイとか?痴漢撃退グッズ?防犯ベルをすぐ買うぞ!」
「‥‥‥‥誰の護衛でしょうか」
「お前だよ!もっと意識しろよ!身の危険を感じろ!」
「はぁ。ですが我は陛下をお守りする役目が」
「そう!お前は俺を守れ!SPとスケさんたちと俺がお前を守る!これで完璧だ!」
「‥‥‥‥陛下、どうぞお気を確かに」

 ポメ少年が目を閉じてふぅとため息をついた。おお、ポメのため息!確かにこいつポメだ!

 そこへバンッと扉が開いて魔女っ子が歓声を上げて元気よく飛び込んできた。一目散に少年に抱きついた。ポメは魔女っ子を軽々と抱き上げ自分の肩に乗せた。魔狼的には幼女を背中に乗せているノリなのだが一見華奢なポメ少年がやるとすごい怪力に見える。

「兄者!おはようございます!」
「るぅ、おはよう。ほら、陛下にご挨拶なさい」
「あ、ルキオハヨ」

 ポメに抱き上げられた美少女がオッス!と俺に手を上げる。ん?いたの?くらいな?兄貴に比べて俺の扱い超雑だな。 俺って何?これでも魔王だよな?そこで気がついた。

「あれ?るぅも‥‥大きくなってる?」
「わらわも力が少し解放されたのじゃ」

 るぅの体は幼女サイズから小学校低学年くらいになっていた。美幼女ではなく美少女だ。ランドセルが似合いそう。ポメ少年と見た目年齢も釣り合う。だが原因がわからない。

「なんで急に」
「ルキが強くなったんじゃろ」
「え?俺が?」

 昨日は?魔導教室で死ぬほど退屈な授業受けて?(毛ほども足しにならなかった。金返せ!)女子達にイジめられて?(全然効いてないけどね。ハナホジ)デバフステッキでファイアーボール出しまくってからの暴飲暴食フテ寝、をしただけだ。これのどこに強くなる要素が?

 まずは事実確認だ。女神様なら事情がわかるだろう。

『あら、確かに強くなってるわ。100ね』
「えっと?99から100?」

 
 鏡越しの女神様がびっくりしているということは?女神様でも原因わからない?

 ゴーレムを倒して俺のレベルは99まで上がっていた。そこからちょっとだけレベルアップ?ギリギリだったところに少し経験値が入ったのか。100で俺の能力解放。しかし昨日のどれが効いた?イジメ?暴飲暴食?フテ寝?

 ピコーン!

 女神様にたくさんなでなでしてもらったからじゃね?さすが女神様、俺をも強くするなでなでとか!一日中なでなでしてもらったら俺じゃんじゃん強くなるとか?頭だけじゃなく体とかもどうかな?女神様に全身グルーミングしてもらってメロメロになりたい!
 いやいや?他にもハグとかチュッチュとか?もっと踏み込んで色々開発したらさらにレベル上がったりして?ぜひ試してみよう!タイトルは「女神様とイチャイチャだけで俺ラクラクレベルアップ!からの異世界無双!」だ!そんなウハウハなレベルアップなら誠心誠意土下座してお願いs

『そんなわけないでしょ!!!』

 ハァハァする俺の眉間に久々に強烈エアデコピンが炸裂。

 えー、違うのか、残念。でもひょっとするかもだからちょっとだけやってみたらどう?何事も試してみないと。え?ダメ?

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