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第167話 暴走・天道渦女①
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「……止めろやとぉ~~?」
メキメキと筋肉を膨張させながら渦女は私を睨む。
「なにを止めるんや? ウチが人にされたこと、いま聞いたよなぁ~~? そんなウチが人を殺して回るのが暴走いうんか?? ……ウチからしてみればな…………」
渦女が体勢を低く構える。
――――ぐぐぐ……と、充分に力を蓄えると、
「暴走しとるんは人間のほうやでっ!!!!」
――――ドンッ!!!!
叫ぶと同時に突っ込んできた!!
そして一瞬にしてその間を詰めると、強力な回し蹴りを放ってくる!!
「ラミア結界っ!!」
『きゅっ!!』
――――ギィィィィィィィィンッ!!!!
瞬時に私と百恵ちゃんを包んだ結界は渦女の蹴りを弾き返す、
「はっ!! やるやないか、でも本命はウチじゃないで!!」
叫ぶ渦女の影からヌッと現れる一つの影。
「正也さん!??」
「うぐろぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
渦女が当てた場所に重なるように、正也さんの拳が放たれる!!
「――――くっ!!」
バキィィィィィィィィンッ!!!!
一撃目で多少なりとも削られていたその部分の結界は、その追撃に耐えられずに突き破られた!!
「はっ!! さすが、宝塚《あんた》の出力でもウチら二人ががりの連続攻撃はキツいみたいやなっ!?? ならもう一ついくでっ!!」
叫んで両手を宙に構える渦女。
その先に集まる赤い液体。
それが瞬時に固まり大きな槍へと変わる!!
「ウチの血で作った血の槍や、さっきの水遊びとは覚悟が違うでっ!!」
バリバリッと稲妻にも似た念光をほとばしらせ、槍はさらに大きさを増していく。
その胴体から伸びる無数の血の根はすべて彼女へと繋がっていた。
「こんな腐った世界は滅んだらえ~~~~ねんっ!! 世間に善人なんか誰一人おらん!! おるのは弱いもんとそれを玩具にする強い卑怯者ばかりや!! 所長が悪やと? なんでや?? 組織の規則から外れたからか!? だったら人間はどうなんや、もっともっともっともっと人の道から外れとるやないか!!!! 快楽殺人やと? そうや! その通りや!! そんなクズどもを殺して快楽を感じひんわけないやないか!! 当然の感情言うんやそれはっ!!!!」
狂ったように叫ぶと渦女は槍を完成させる。
それは以前の水の槍よりも遥かに大きく太く、強いエネルギーを秘めていた。
「邪魔するやつは全員敵じゃあ死ねやぁぁぁぁっっ!!!!」
――――ゴッと凄まじい勢いで放たれる血の槍!!
同時に正也さんの腕が引き抜かれ、開いた穴へ向けてその槍は突き刺さってきた!!
バギィィィィィィンッ!!!!
落ちた水晶玉のように砕け散る私の結界。
――――ずどっ!!
そして血の槍は私の腹を貫いた!!
「ぐふっ!??」
『ぎゅるっ!!!!』
しかし、すかさずラミアが回復能力を発動させる!!
私の体は黄金の光に包まれ細胞が修復されるが、
「――――甘いわ、お前の能力なんぞとっくに計算済みや!!」
渦女が不敵な笑みを浮かべる。そして――――、
「その能力《ちから》キャンセルや!!!!」
その言葉と同時に、
――――ビタッ!!
回復能力は作動しなくなった!!
「――――うっ!?? なに……これは!???」
突然途切れたラミアからの能力供給。
さらに何故が身体の自由も効かなくなっている。
「はははははっ!!!! ウチの能力『水分操縦《ウンディーネ》』の進化系『ティアマト』や!! 能力は『液体掌握』触れた液体の状態を好きなように変化させることが出来る能力やでぇ!! ベヒモス化して能力進化したウチの必殺技や!!!!」
――――ぐっ!! うぐぐ……体が全く動かない……能力も使えない??
まるで身体が何かに乗っ取られたかのよう。
痙攣しながら道路へと崩れ落ちる私。
受け身を取ることも出来ず、ぐしゃっと頭から倒れ落ちた。
「人間の身体はほとんどが液体やねんで? いまは血中の電解質濃度をゼロにしてやったわ。これでお前の思考は脳の外には出られへんはずや、能力も一切が使えへん状態やでえ?」
――――な、なんだと? 思考と身体が切り離された??
しかし、私はこいつに触れられてなど――――
「触られてへんっと思ったな今?? あははははははははっ!! 甘い甘い!! 触っとんのじゃそれが、お前の胸になぁ!!」
私の胸には渦女の血の槍が突き刺さっている――――ま……まさか!?
「気付いたみたいやな? そうや、その血の槍や。血もウチの体の一部やさかいな、触っとることになるんやなぁ~~~~?」
そう言って今度は私の後ろで身構えている百恵ちゃんに向かって黒々くいやらしい笑みを向ける。
「この血の槍と『液体掌握《ティアマト》』の相性は抜群や、なんせ一矢でも当てたら全ての生物はその瞬間、ウチの軍門に下ることになるんやさかいな。遠距離攻撃型の絶対操作能力や……しょぼい力しかなかったウチをここまで強く進化させてくれた所長にははんま感謝しとるで!! あはははははははははははははははっ!!!!」
百恵ちゃんの眼前に無数の小さな血の槍が出現した。
「お前はまだ結界術は未熟やったなあ百恵よ? だったらデカイ槍はいらん。お前にお似合いの小さい針で串刺しにしたるわ。ほんでその後は」
「ぐうるるるるるるる…………」
「ははは……正也が食いたいって言うてるわ。すまんな冥土の土産になってやってくれるか?」
そう嘲笑う渦女の目には、さっき彼女に痛めつけられた怨念の炎が上がっていた。
しかしその目に向かって百恵ちゃんは言い放つ。
「分を超えた能力で調子にのっている愚か者が、お前らこそとっくに吾輩の獲物に成り下がっておるわ、この・化・け・物・ど・も・め」
メキメキと筋肉を膨張させながら渦女は私を睨む。
「なにを止めるんや? ウチが人にされたこと、いま聞いたよなぁ~~? そんなウチが人を殺して回るのが暴走いうんか?? ……ウチからしてみればな…………」
渦女が体勢を低く構える。
――――ぐぐぐ……と、充分に力を蓄えると、
「暴走しとるんは人間のほうやでっ!!!!」
――――ドンッ!!!!
叫ぶと同時に突っ込んできた!!
そして一瞬にしてその間を詰めると、強力な回し蹴りを放ってくる!!
「ラミア結界っ!!」
『きゅっ!!』
――――ギィィィィィィィィンッ!!!!
瞬時に私と百恵ちゃんを包んだ結界は渦女の蹴りを弾き返す、
「はっ!! やるやないか、でも本命はウチじゃないで!!」
叫ぶ渦女の影からヌッと現れる一つの影。
「正也さん!??」
「うぐろぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
渦女が当てた場所に重なるように、正也さんの拳が放たれる!!
「――――くっ!!」
バキィィィィィィィィンッ!!!!
一撃目で多少なりとも削られていたその部分の結界は、その追撃に耐えられずに突き破られた!!
「はっ!! さすが、宝塚《あんた》の出力でもウチら二人ががりの連続攻撃はキツいみたいやなっ!?? ならもう一ついくでっ!!」
叫んで両手を宙に構える渦女。
その先に集まる赤い液体。
それが瞬時に固まり大きな槍へと変わる!!
「ウチの血で作った血の槍や、さっきの水遊びとは覚悟が違うでっ!!」
バリバリッと稲妻にも似た念光をほとばしらせ、槍はさらに大きさを増していく。
その胴体から伸びる無数の血の根はすべて彼女へと繋がっていた。
「こんな腐った世界は滅んだらえ~~~~ねんっ!! 世間に善人なんか誰一人おらん!! おるのは弱いもんとそれを玩具にする強い卑怯者ばかりや!! 所長が悪やと? なんでや?? 組織の規則から外れたからか!? だったら人間はどうなんや、もっともっともっともっと人の道から外れとるやないか!!!! 快楽殺人やと? そうや! その通りや!! そんなクズどもを殺して快楽を感じひんわけないやないか!! 当然の感情言うんやそれはっ!!!!」
狂ったように叫ぶと渦女は槍を完成させる。
それは以前の水の槍よりも遥かに大きく太く、強いエネルギーを秘めていた。
「邪魔するやつは全員敵じゃあ死ねやぁぁぁぁっっ!!!!」
――――ゴッと凄まじい勢いで放たれる血の槍!!
同時に正也さんの腕が引き抜かれ、開いた穴へ向けてその槍は突き刺さってきた!!
バギィィィィィィンッ!!!!
落ちた水晶玉のように砕け散る私の結界。
――――ずどっ!!
そして血の槍は私の腹を貫いた!!
「ぐふっ!??」
『ぎゅるっ!!!!』
しかし、すかさずラミアが回復能力を発動させる!!
私の体は黄金の光に包まれ細胞が修復されるが、
「――――甘いわ、お前の能力なんぞとっくに計算済みや!!」
渦女が不敵な笑みを浮かべる。そして――――、
「その能力《ちから》キャンセルや!!!!」
その言葉と同時に、
――――ビタッ!!
回復能力は作動しなくなった!!
「――――うっ!?? なに……これは!???」
突然途切れたラミアからの能力供給。
さらに何故が身体の自由も効かなくなっている。
「はははははっ!!!! ウチの能力『水分操縦《ウンディーネ》』の進化系『ティアマト』や!! 能力は『液体掌握』触れた液体の状態を好きなように変化させることが出来る能力やでぇ!! ベヒモス化して能力進化したウチの必殺技や!!!!」
――――ぐっ!! うぐぐ……体が全く動かない……能力も使えない??
まるで身体が何かに乗っ取られたかのよう。
痙攣しながら道路へと崩れ落ちる私。
受け身を取ることも出来ず、ぐしゃっと頭から倒れ落ちた。
「人間の身体はほとんどが液体やねんで? いまは血中の電解質濃度をゼロにしてやったわ。これでお前の思考は脳の外には出られへんはずや、能力も一切が使えへん状態やでえ?」
――――な、なんだと? 思考と身体が切り離された??
しかし、私はこいつに触れられてなど――――
「触られてへんっと思ったな今?? あははははははははっ!! 甘い甘い!! 触っとんのじゃそれが、お前の胸になぁ!!」
私の胸には渦女の血の槍が突き刺さっている――――ま……まさか!?
「気付いたみたいやな? そうや、その血の槍や。血もウチの体の一部やさかいな、触っとることになるんやなぁ~~~~?」
そう言って今度は私の後ろで身構えている百恵ちゃんに向かって黒々くいやらしい笑みを向ける。
「この血の槍と『液体掌握《ティアマト》』の相性は抜群や、なんせ一矢でも当てたら全ての生物はその瞬間、ウチの軍門に下ることになるんやさかいな。遠距離攻撃型の絶対操作能力や……しょぼい力しかなかったウチをここまで強く進化させてくれた所長にははんま感謝しとるで!! あはははははははははははははははっ!!!!」
百恵ちゃんの眼前に無数の小さな血の槍が出現した。
「お前はまだ結界術は未熟やったなあ百恵よ? だったらデカイ槍はいらん。お前にお似合いの小さい針で串刺しにしたるわ。ほんでその後は」
「ぐうるるるるるるる…………」
「ははは……正也が食いたいって言うてるわ。すまんな冥土の土産になってやってくれるか?」
そう嘲笑う渦女の目には、さっき彼女に痛めつけられた怨念の炎が上がっていた。
しかしその目に向かって百恵ちゃんは言い放つ。
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