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第168話 暴走・天道渦女②
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百恵ちゃんの凄みに、しかし渦女は怯みもせずに高笑う。
「はっはっはっはーーーーっ!! おもろいおもろい!! 絶体絶命でもそんな強がりが言えるお前はおもろい奴やで、百恵よぉ? んでもなぁ、そんな強がりもこの一瞬で終わりやでぇっ!!!!」
嘲笑いと同時に無数の血の針が百恵ちゃんに襲いかかる!!
全方位に展開され、彼女に向かって集束してくる針。その攻撃をかわす隙間はどこにも無いかに見えた。
しかし――――、
「ふんっ、ならば吹き飛ばすまでのこと――――ガルーダッ!!!!」
――――ドンッ!!!!
自らの周囲を円状に爆破する。
その衝撃で軌道をそらされた血の針は彼女に当たらず彼方へと飛んでいく。
「はっ、やるやないかっ!! なら正也、頼んだでっ!!」
――――ボッ!!!!
声と同時に突進してくる正也。
爆風で歪んだ空間を押しのけ、彼女に拳を放ってくる!!
それを迎え撃てるほどにはガルーダの連射性能は高くない。
――――だめだ、やられる!?
動けない体で目を背くことも出来ない私。
しかし百恵ちゃんの表情に緊迫感は無かった。
「――――おヌシじゃあるまいし」
呟く彼女はその拳を避けもしない。
真正面から正也さんの攻撃を受け止める!!
――――ぼにゅん。
「――んな、なんやと!?」
大岩すら粉々に砕きそうな正也さんの一撃は、彼女の前に張られた見えないクッションによってその威力を無に変えられた。
「敵の動きは常に頭に入れておるよ」
それは暴走し完全ベヒモス化した瞬との戦いで見せた空気の防御膜だった。爆発ほどのエネルギーを必要としないぶん、とっさの時に即対応出来る充填の速さと物理に対する防御力の高さが売りの彼女独自の防御技だ。
「結界操作は苦手でも、しっかり代わりは用意しておるわ。戦闘班を舐めるなよ?」
抜かりは無い、とばかりに渦女に視線をとばす彼女
しかし衝撃こそ無にしても、向けられたパワーをゼロにしたわけではない。ノーダメージながらも激しく吹き飛ばされる百恵ちゃん。
「ふん、やるやんけっ!! じゃあこれはどうやっ!!」
叫んで渦女が宙に浮かべたのは一本の桃色をした槍。その根は切断破壊された車に繋がっていた。
そして握られているオイルライター。
車にある桃色の液体って――――ま、まさか……!??
「ガソリンやっ!! 石油かって液体やでぇ!!」
猟奇的に笑い、弾かれている百恵ちゃんに向かってそれを解き放つ!!
――――シュドッ!!!!
「衝撃は無効化しても熱はどうにもならんやろ、食らえやっ!!!!」
叫び、根に火を点ける渦女。
瞬間っ!!
――――ボボッボッボッ!!!!
細かな爆発を連鎖させて火が槍に追いついていく!!
ガソリンの槍が百恵ちゃんに追いついたと同時に火も追いつき、
「――――くっ!!!!」
とっさに身体を丸め防御を固める百恵ちゃん。
カッ!!
――――ガアァァァァァァァァンッ!!!!
着火された槍が彼女を飲み込むように大爆発を起こしたっ!!!!
爆風が私にまで襲ってきて体が煽られる!!
「ふひゃははははははははははっ!!!! どうやどうや!! 大サービスで点火の瞬間気化させて威力高めてやったでぇ!??? 」
残る液体のガソリンが火を纏い、炎の柱を作る。
榴弾並みの爆発に鉄をも溶かす灼熱の炎。
百恵ちゃんの姿は立ち上る煙の中に埋もれて確認出来ないでいた。
「年下のガキが偉そうな口ききおって!! 木っ端微塵か? それともこんがり焼き肉か? どっちにせよ他愛もないなぁ、あはははははははははははははっ!!!!」
燃え盛る炎を指差し、腹を押さえながら笑う渦女。
しかしすぐに身を低く構えると頭上に再び血の槍を出現させる。
「――――なんてな!! 油断すると思ったら大間違いや!! もう死んどるかもしれへんけどなぁ、死体見るまで手は緩めへんでぇっ!! 正也ぁっ!!!!」
「うぐるがあぁぁっ!!!!」
渦女の号令と共に正也さんが吠えて火の中に飛び込んだ!!
「宝塚がまだ生きとるさかいなっ!! どんな手を使って復活されるかもわからへん、たとえ死んどっても体はぐちゃぐちゃに破壊しときや!! 生きとったらウチの血の槍食らわして無力化しとるさかいなぁっ!! 万が一の二重保険や、ここまでやるかってくらいに慎重に殺してやるぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ぐるおうあぁぁぁぅっ!!!!」
火中に飛び込み、炎を吹き飛ばすほどの鉄拳を地面に連打する。
ついで渦女の血の槍が飛んでいく。
拳の風圧によって飛ばされる炎と煙。
拳撃の反動でめくれ、打ち上げられるアスファルト。
それを縫うように血の槍が無数の軌跡を描く。
「これで終わりや!! 線香くらいは上げてやるで元・エース~~~~??」
やがて晴れていく炎と煙幕。
野獣のように大きな正也さんの背中と、肉がめくれ上がった拳。
掘り抉られた地面には、渦女の放った血の槍が何本も刺さっているが――――、
しかしその中に――――百恵ちゃんはいなかった。
「んなっ!??」
ありえないとばかりに目を開く渦女。
声が聞こえた。
「油断せぬ心構えは感心じゃが――――」
それに引かれて上を仰ぐ。
上空に百恵ちゃんはいた。
「――――も、百恵ーーーーっ!!!!」
彼女の後ろには猛々しき霊長《ガルーダ》が舞っている。
それは最大出力の充填が完了していることの証。
それを悟った渦女の目がくやしさに充血する。
「吾輩を捉えたと思い込んだのは――――慢心じゃったな」
同時に出現する圧縮空気の種。
それは渦女や正也さん、そして私をも含めた周囲全域に埋め尽くされ、
「――――吹きとばせガルーダ―ァァァァァァァァッ!!!!」
叫びと共に、一斉に弾けた!!
「はっはっはっはーーーーっ!! おもろいおもろい!! 絶体絶命でもそんな強がりが言えるお前はおもろい奴やで、百恵よぉ? んでもなぁ、そんな強がりもこの一瞬で終わりやでぇっ!!!!」
嘲笑いと同時に無数の血の針が百恵ちゃんに襲いかかる!!
全方位に展開され、彼女に向かって集束してくる針。その攻撃をかわす隙間はどこにも無いかに見えた。
しかし――――、
「ふんっ、ならば吹き飛ばすまでのこと――――ガルーダッ!!!!」
――――ドンッ!!!!
自らの周囲を円状に爆破する。
その衝撃で軌道をそらされた血の針は彼女に当たらず彼方へと飛んでいく。
「はっ、やるやないかっ!! なら正也、頼んだでっ!!」
――――ボッ!!!!
声と同時に突進してくる正也。
爆風で歪んだ空間を押しのけ、彼女に拳を放ってくる!!
それを迎え撃てるほどにはガルーダの連射性能は高くない。
――――だめだ、やられる!?
動けない体で目を背くことも出来ない私。
しかし百恵ちゃんの表情に緊迫感は無かった。
「――――おヌシじゃあるまいし」
呟く彼女はその拳を避けもしない。
真正面から正也さんの攻撃を受け止める!!
――――ぼにゅん。
「――んな、なんやと!?」
大岩すら粉々に砕きそうな正也さんの一撃は、彼女の前に張られた見えないクッションによってその威力を無に変えられた。
「敵の動きは常に頭に入れておるよ」
それは暴走し完全ベヒモス化した瞬との戦いで見せた空気の防御膜だった。爆発ほどのエネルギーを必要としないぶん、とっさの時に即対応出来る充填の速さと物理に対する防御力の高さが売りの彼女独自の防御技だ。
「結界操作は苦手でも、しっかり代わりは用意しておるわ。戦闘班を舐めるなよ?」
抜かりは無い、とばかりに渦女に視線をとばす彼女
しかし衝撃こそ無にしても、向けられたパワーをゼロにしたわけではない。ノーダメージながらも激しく吹き飛ばされる百恵ちゃん。
「ふん、やるやんけっ!! じゃあこれはどうやっ!!」
叫んで渦女が宙に浮かべたのは一本の桃色をした槍。その根は切断破壊された車に繋がっていた。
そして握られているオイルライター。
車にある桃色の液体って――――ま、まさか……!??
「ガソリンやっ!! 石油かって液体やでぇ!!」
猟奇的に笑い、弾かれている百恵ちゃんに向かってそれを解き放つ!!
――――シュドッ!!!!
「衝撃は無効化しても熱はどうにもならんやろ、食らえやっ!!!!」
叫び、根に火を点ける渦女。
瞬間っ!!
――――ボボッボッボッ!!!!
細かな爆発を連鎖させて火が槍に追いついていく!!
ガソリンの槍が百恵ちゃんに追いついたと同時に火も追いつき、
「――――くっ!!!!」
とっさに身体を丸め防御を固める百恵ちゃん。
カッ!!
――――ガアァァァァァァァァンッ!!!!
着火された槍が彼女を飲み込むように大爆発を起こしたっ!!!!
爆風が私にまで襲ってきて体が煽られる!!
「ふひゃははははははははははっ!!!! どうやどうや!! 大サービスで点火の瞬間気化させて威力高めてやったでぇ!??? 」
残る液体のガソリンが火を纏い、炎の柱を作る。
榴弾並みの爆発に鉄をも溶かす灼熱の炎。
百恵ちゃんの姿は立ち上る煙の中に埋もれて確認出来ないでいた。
「年下のガキが偉そうな口ききおって!! 木っ端微塵か? それともこんがり焼き肉か? どっちにせよ他愛もないなぁ、あはははははははははははははっ!!!!」
燃え盛る炎を指差し、腹を押さえながら笑う渦女。
しかしすぐに身を低く構えると頭上に再び血の槍を出現させる。
「――――なんてな!! 油断すると思ったら大間違いや!! もう死んどるかもしれへんけどなぁ、死体見るまで手は緩めへんでぇっ!! 正也ぁっ!!!!」
「うぐるがあぁぁっ!!!!」
渦女の号令と共に正也さんが吠えて火の中に飛び込んだ!!
「宝塚がまだ生きとるさかいなっ!! どんな手を使って復活されるかもわからへん、たとえ死んどっても体はぐちゃぐちゃに破壊しときや!! 生きとったらウチの血の槍食らわして無力化しとるさかいなぁっ!! 万が一の二重保険や、ここまでやるかってくらいに慎重に殺してやるぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
「ぐるおうあぁぁぁぅっ!!!!」
火中に飛び込み、炎を吹き飛ばすほどの鉄拳を地面に連打する。
ついで渦女の血の槍が飛んでいく。
拳の風圧によって飛ばされる炎と煙。
拳撃の反動でめくれ、打ち上げられるアスファルト。
それを縫うように血の槍が無数の軌跡を描く。
「これで終わりや!! 線香くらいは上げてやるで元・エース~~~~??」
やがて晴れていく炎と煙幕。
野獣のように大きな正也さんの背中と、肉がめくれ上がった拳。
掘り抉られた地面には、渦女の放った血の槍が何本も刺さっているが――――、
しかしその中に――――百恵ちゃんはいなかった。
「んなっ!??」
ありえないとばかりに目を開く渦女。
声が聞こえた。
「油断せぬ心構えは感心じゃが――――」
それに引かれて上を仰ぐ。
上空に百恵ちゃんはいた。
「――――も、百恵ーーーーっ!!!!」
彼女の後ろには猛々しき霊長《ガルーダ》が舞っている。
それは最大出力の充填が完了していることの証。
それを悟った渦女の目がくやしさに充血する。
「吾輩を捉えたと思い込んだのは――――慢心じゃったな」
同時に出現する圧縮空気の種。
それは渦女や正也さん、そして私をも含めた周囲全域に埋め尽くされ、
「――――吹きとばせガルーダ―ァァァァァァァァッ!!!!」
叫びと共に、一斉に弾けた!!
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