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2章、サウス樹海の中
10.
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「身体的特徴、年齢を入出荷の際書いてるわけよ。そんでもって、12年前に銀の髪に紅玉の瞳。追記に感情の高まりによって瞳の色が変化。あんただよな」
一冊の紙束を手に読み上げた。
感情の高まりで変化。自分だろうと確信する。感情の高まりで変化する瞳をもう1人知っているが、その瞳は紫色。
「そう、ね・・・」
「おや?威勢の良さはどこに?」
「ここにあるけど?どこに子供売ってるかも知りたいな・・・」
自分の他にもいたはず。なのに、自分以降の聖女は数人いるだけ。なぜなのか・・・。
男はニタニタ笑いながら近づいてきた。
「おじさん、喋り疲れたなぁ。いっぱい喋ったから、ご褒美が欲しいな~」
突如、男は立ち上がり、腕を掴むと、投げられた。
柔らかな布地の上に転がった。
男たちが取り囲む。
「15歳も、立派な大人うちだよな」
「処女か、初物もいいな」
「聖女を食えるなんざ、思っちゃいなかったぜ」
「おめぇら、丁重にしろや」
一瞬理解が追いつかなかった。
知識として、話には聞いたことがあっても、これから何が起こるのかわからなかった。ただ異様な雰囲気に身の危険を感じた。
聖女として人に触れることはある。触れられることもある。
だが、初めて触られたくないと思った。
触れられるのが怖いと思った。
怖くて目を固く閉じた。
「ギャァ」
悲鳴が上がる。
目を開けると、男の肩にナイフが突き刺さっていた。
目の前にはメイド服が見える。
「何者だ!!」
「シェリル様に・・・、コロス」
「アリス、殺さないで。生きかして!!」
短剣をむけて突進するアリスに叫ぶ。
器用にクルリと剣の向きをかえ、柄で男の頭を殴りつけた。
「テメェー」
「残念。もう終わりです」
アリスは短剣を袖の中に隠すと同時に騎士たちが入ってきた。
「シェリル」
アシュリーが来て、シェリルを抱きしめた。
「怪我はありませんか?」
震える手が頬さわり、服の埃を払いながら傷の有無を見ていく。
「わたしはないよ。奥に子供たちと女の人・・・2人・・・えっと・・・」
目線を彷徨わせ、言いにくそうにしている理由を察する。
「アリス、女性2人はお願いします」
「シェリルさまぁ・・・」
「アリス。あなたしか頼れないの。お願い」
「・・・わかりました・・・」
名残惜しそうにして、アリスは奥へと向かう。
男たちは騎士たちに鉄錠をかけられていた。
「シェリル?」
「伯爵様」
アシュリーの手を押し退け、騎士たちに指示を出しているグレンディールの前に行った。30センチ以上高い彼を見上げる。
真紅の目と黒い目が絡み合う。
「彼らは人身売買の一味です。奥に赤い目の子供ばかりいます。そっちの髪の束はその記録みたいです。他の辺境伯様とも連携で捜査していただけますか?人身売買売買自体、根が深い。どうかお願いします」
頭を下げた。
「わ、わかった。わかったから、頭をあげろ・・・、それより、大丈夫か?」
グレンディールは言い返す。そして、小さな頭をなぜた。
「わかった。きちんとする。だから、心配するな。そっちのやつに心配されとけ」
クイッと首で合図する。
真っ青なアシュリーの顔が目に入った。
「シェリル、大丈夫ですか?」
濃くなっている紫の瞳。
わざとツィっと目を逸らせ、机に近づくとあの男が持っていた紙束を手に取った。
紙束をめくり、とある1ページで止まる。
「100リーン・・・。アシュリー、このお金でどれくらい暮らせる?」
「田舎で贅沢をしなければ、3年・・・」
「そっか、3年間か。・・・良かった・・・」
涙が落ちた。
アシュリーがそっと抱きしめた。
一冊の紙束を手に読み上げた。
感情の高まりで変化。自分だろうと確信する。感情の高まりで変化する瞳をもう1人知っているが、その瞳は紫色。
「そう、ね・・・」
「おや?威勢の良さはどこに?」
「ここにあるけど?どこに子供売ってるかも知りたいな・・・」
自分の他にもいたはず。なのに、自分以降の聖女は数人いるだけ。なぜなのか・・・。
男はニタニタ笑いながら近づいてきた。
「おじさん、喋り疲れたなぁ。いっぱい喋ったから、ご褒美が欲しいな~」
突如、男は立ち上がり、腕を掴むと、投げられた。
柔らかな布地の上に転がった。
男たちが取り囲む。
「15歳も、立派な大人うちだよな」
「処女か、初物もいいな」
「聖女を食えるなんざ、思っちゃいなかったぜ」
「おめぇら、丁重にしろや」
一瞬理解が追いつかなかった。
知識として、話には聞いたことがあっても、これから何が起こるのかわからなかった。ただ異様な雰囲気に身の危険を感じた。
聖女として人に触れることはある。触れられることもある。
だが、初めて触られたくないと思った。
触れられるのが怖いと思った。
怖くて目を固く閉じた。
「ギャァ」
悲鳴が上がる。
目を開けると、男の肩にナイフが突き刺さっていた。
目の前にはメイド服が見える。
「何者だ!!」
「シェリル様に・・・、コロス」
「アリス、殺さないで。生きかして!!」
短剣をむけて突進するアリスに叫ぶ。
器用にクルリと剣の向きをかえ、柄で男の頭を殴りつけた。
「テメェー」
「残念。もう終わりです」
アリスは短剣を袖の中に隠すと同時に騎士たちが入ってきた。
「シェリル」
アシュリーが来て、シェリルを抱きしめた。
「怪我はありませんか?」
震える手が頬さわり、服の埃を払いながら傷の有無を見ていく。
「わたしはないよ。奥に子供たちと女の人・・・2人・・・えっと・・・」
目線を彷徨わせ、言いにくそうにしている理由を察する。
「アリス、女性2人はお願いします」
「シェリルさまぁ・・・」
「アリス。あなたしか頼れないの。お願い」
「・・・わかりました・・・」
名残惜しそうにして、アリスは奥へと向かう。
男たちは騎士たちに鉄錠をかけられていた。
「シェリル?」
「伯爵様」
アシュリーの手を押し退け、騎士たちに指示を出しているグレンディールの前に行った。30センチ以上高い彼を見上げる。
真紅の目と黒い目が絡み合う。
「彼らは人身売買の一味です。奥に赤い目の子供ばかりいます。そっちの髪の束はその記録みたいです。他の辺境伯様とも連携で捜査していただけますか?人身売買売買自体、根が深い。どうかお願いします」
頭を下げた。
「わ、わかった。わかったから、頭をあげろ・・・、それより、大丈夫か?」
グレンディールは言い返す。そして、小さな頭をなぜた。
「わかった。きちんとする。だから、心配するな。そっちのやつに心配されとけ」
クイッと首で合図する。
真っ青なアシュリーの顔が目に入った。
「シェリル、大丈夫ですか?」
濃くなっている紫の瞳。
わざとツィっと目を逸らせ、机に近づくとあの男が持っていた紙束を手に取った。
紙束をめくり、とある1ページで止まる。
「100リーン・・・。アシュリー、このお金でどれくらい暮らせる?」
「田舎で贅沢をしなければ、3年・・・」
「そっか、3年間か。・・・良かった・・・」
涙が落ちた。
アシュリーがそっと抱きしめた。
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