【完結】わたしの大事な従姉妹を泣かしたのですから、覚悟してくださいませ

彩華(あやはな)

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16.ミシェル視点

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 屋敷に帰る。

 やる事が山積みだ。

 帰るなり早々、お父様にお願い事をしたし、セルジオ兄様から紹介してもらう業者とスムーズに連携できるようにしなければならない。

 協力を仰いだメイドたちは嬉々としてやる気満々になっていた。

 そんな時、お兄様が帰ってきた。

 予定より早い帰還に驚いた。
 あと四、五日はかかるだろうと思っていたから・・・。

「シャルルがミシェルの為にさっさと帰れって・・・」

 見てわかるほど、しょげていた。

 それを見て何となく何があったか想像できてしまった。
 わざわざお兄様に行ってもらったことがあだになってしまったのだろう。重要な事だからと他人ではなくお兄様を直接来させたのだと、真面目なシャルル様は思ったに違いない。だから、ついてすぐにお兄様を追い返してしまったのかも・・・。
 少し可哀想になってしまった。

 あとで、シャルル様に手紙を送っておこうか・・・。
 次に会うときはお兄様を誉めてと・・・、いや、やめておこう。

 意外にシャルル様は策士だ。
 『恋愛』に関してはど素人の私は手を出さない方がいいかもしれない。

 お礼の手紙だけにしよう・。



 まだぶちぶち独り言を呟いているお兄様は捨て置き、シャルル様からの手紙を読むと、レイチェル彼女のことが詳しく書かれていた。

 シャルル様の情報収集能力の高さには舌を巻いてしまった。

 あのお馬鹿な脳内お花畑女をどう懲らしめてあげようか、綿密に計画を立てよう。

「お嬢様。顔が怖いです。女性としてその顔はどうかと・・・」
「あら、ごめんなさい」

 だって楽しいじゃない。

 無計画なイタズラは成功しないもの。
 しっかり練って実行しないといけないわ。

「ミシェル。シャルルが言っていたことがある」

 私の顔を見て冷静さを取り戻したのかお兄様は正面から見てきた。

「あの女の両親は彼女との縁は断つそうだ。処分等はこちらで任すと。後日正式に文面として送られてくるそうだ」
「あら、をこちらに丸投げすると?」
「そのようだ」

 厄介な物を丸投げなんて、傍迷惑でしかないというのに。

「アリス、この手紙を持って至急セルジオ兄様に報告してきて。
 シャンス国に抗議文を急いで送る事を伝えて。第二便に使者派遣。三便目に外交官と医師を用意。あの女のやらかしたことはでかいわよ。今なら恩も売れるわ」

 ここまでやって知らぬ存ぜぬはできないだろう。

「ミシェル。落ち着け」
「無理ですわよ」

 お兄様にこの数日の話を聞いてもらい、私の悪巧みも聞いてもらった。
 強制参加してもらいましょうか。

 げっそりした顔を見せたお兄様を見なかったことにして私は張り切り出した。







◇◇◇◇◇

次からレイチェルの過去です。
『まだ?』と思われるかと思いますが、レイチェル過去流れで入りますのでもう少しだけお待ちください。

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