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20.レイチェル過去
父はあたしに甘い。
優しい声をかけてくれる。
姉たちの意地悪に苦言を呈してくれるようにもなった。
仕事であまりいない兄も帰ってくると、あたしを見てくれるようになった。
幸せだった。
でも不安になった。
いつ薬の効果がきれるのだろうか・・・。
切れた時、また以前のような生活に戻るのではないだろうか・・・。
父や兄たちの冷たい視線。
虐めてくる姉たち。
今の生活を辞めたくない。あんな惨めな思いをしたくない。
だから、一月に一度、例の店に行くようになった。
店主に連絡をしてもらってもあの男になかなか会えないこともあった。
不安で不安で仕方ない。
自分でも恐ろしいほど情緒不安定になることがあった。
男に会えばもらうようにした。
男は初めては必ず薬を出すのを渋った。
だから、自分の思いの丈をぶつけた。泣いて縋った。叫んだ。不安だから薬が欲しいと。
自分を作るためにどうしても必要な物なのだと。
必死だった。
そうすればしぶしぶ薬を分けてくれた。
「これ以上はもうダメだ」
それは初めて薬を貰って半年した時だった。あたしの顔を見て男はため息をついた。
「ここまで薬に依存するとは思わなかった。もうこれ以上は君にはあげることはできないよ」
男は「最後の一粒だ」と言ってお金もうけとらず、薬を渡すと部屋の奥に去っていった。
そんな・・・。どうしよう。これがなくなったらあたしは・・・。
不安が押し寄せて来た。
不安で、不安で。
イライラして。
爪を噛んだ。
「お嬢ちゃん。今日は帰りなさい。次までにあいつを説得しとくから」
店主が軽く言ってくれた。
その日は薬を大事に抱えて帰えり、部屋で飲んだ。
喉元を通る感触でほっとした。
これで、まだひと月は持つ。
でも、次は・・・。
ひと月後、あの男はいなかった。でも代わりに店主が薬を売ってくれるようになり、あたしはいつでも買いにこれるようになったのだ。
あたしは姉たちが羨むほどちやほやされた。
あたしの助言もあり母も今までのような暮らしはしなくても良くなった。
我儘も聞いてくれた。
最高に気持ちいい。
自分が女主人になったようになれる。
幸せだった。
15歳になり、学園に入った。
周りの男たちはあたしをお姫様のように扱ってくれた。
プレゼントをくれる。優しくエスコートをしてくれる。笑いかけてくれた。
なんて幸せなのかしら!?
あたしの我儘を聞いてくれた。
最高。
でも、高貴族や他の女はあたしを疎ましそうに見てきた。
嫌いな目。
前まであたしを見ていた目だ。
なによ。
なんで、そんな目で見られないといけないのよ。
だから、取り巻きの男たちに泣き真似をして訴えた。
「虐められているの」
そうすれば彼らはあたしの味方になってくれた。彼女たちに報復してくれた。
清々しくなる。
優越感に浸れた。
最高に気分が良かった。
優しい声をかけてくれる。
姉たちの意地悪に苦言を呈してくれるようにもなった。
仕事であまりいない兄も帰ってくると、あたしを見てくれるようになった。
幸せだった。
でも不安になった。
いつ薬の効果がきれるのだろうか・・・。
切れた時、また以前のような生活に戻るのではないだろうか・・・。
父や兄たちの冷たい視線。
虐めてくる姉たち。
今の生活を辞めたくない。あんな惨めな思いをしたくない。
だから、一月に一度、例の店に行くようになった。
店主に連絡をしてもらってもあの男になかなか会えないこともあった。
不安で不安で仕方ない。
自分でも恐ろしいほど情緒不安定になることがあった。
男に会えばもらうようにした。
男は初めては必ず薬を出すのを渋った。
だから、自分の思いの丈をぶつけた。泣いて縋った。叫んだ。不安だから薬が欲しいと。
自分を作るためにどうしても必要な物なのだと。
必死だった。
そうすればしぶしぶ薬を分けてくれた。
「これ以上はもうダメだ」
それは初めて薬を貰って半年した時だった。あたしの顔を見て男はため息をついた。
「ここまで薬に依存するとは思わなかった。もうこれ以上は君にはあげることはできないよ」
男は「最後の一粒だ」と言ってお金もうけとらず、薬を渡すと部屋の奥に去っていった。
そんな・・・。どうしよう。これがなくなったらあたしは・・・。
不安が押し寄せて来た。
不安で、不安で。
イライラして。
爪を噛んだ。
「お嬢ちゃん。今日は帰りなさい。次までにあいつを説得しとくから」
店主が軽く言ってくれた。
その日は薬を大事に抱えて帰えり、部屋で飲んだ。
喉元を通る感触でほっとした。
これで、まだひと月は持つ。
でも、次は・・・。
ひと月後、あの男はいなかった。でも代わりに店主が薬を売ってくれるようになり、あたしはいつでも買いにこれるようになったのだ。
あたしは姉たちが羨むほどちやほやされた。
あたしの助言もあり母も今までのような暮らしはしなくても良くなった。
我儘も聞いてくれた。
最高に気持ちいい。
自分が女主人になったようになれる。
幸せだった。
15歳になり、学園に入った。
周りの男たちはあたしをお姫様のように扱ってくれた。
プレゼントをくれる。優しくエスコートをしてくれる。笑いかけてくれた。
なんて幸せなのかしら!?
あたしの我儘を聞いてくれた。
最高。
でも、高貴族や他の女はあたしを疎ましそうに見てきた。
嫌いな目。
前まであたしを見ていた目だ。
なによ。
なんで、そんな目で見られないといけないのよ。
だから、取り巻きの男たちに泣き真似をして訴えた。
「虐められているの」
そうすれば彼らはあたしの味方になってくれた。彼女たちに報復してくれた。
清々しくなる。
優越感に浸れた。
最高に気分が良かった。
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