【完結】研究一筋令嬢の朝

彩華(あやはな)

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アルフリード

興味

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 自室に帰るため廊下を歩いていると、向こうから噂のアイリ嬢がやってきた。侍女がいないのか、髪は濡れたまま、服も庶民が着る様なこざっぱりしたものだった。
 「アイリ嬢だったけ?」
 つい、呼び止めてしまった。
 彼女は立ち止まりこちらを見た。
 「えっと、誰ですか?」

 ・・・。自分を知らないとは思わなかった。マルクを見ると呆然としているのがわかった。ふふふっ。これはまた、自分と同類に出くわすとは思ってもいなかった。

 「僕はアル。研究室室長だよ。よろしくね」
 「室長ですか。すみません。研究以外だとあまり気にならないたちで、よく怒られてしまうんです。わたしはアイリです。よろしくお願いします。こちらから来られたのなら、室長、もうご覧になられました?昨夜、やっと魔術変換式ゴミ吸い取り機ができたんですよ」

 ?なんだそれは?ライディンは何も言っていなかったが?報告書は上がっていたか?
マルクを見たが、知らないらしく首を振っていた。

 「報告に上がってないけど、なにかな、それ?」
 「あっ?言っちゃダメなやつかな?あの~、聞かなかったことにしていただけませんか?」

 へろりんと笑って誤魔化そうとする。
 流石に見逃せないな。

 「ライディンに、僕の部屋にくる様に言ってくれるかい?」

 「・・・はい」

 シュンとする彼女の顔が楽しいと思った。
 他人の顔を見て楽しいと思うのはマルク以来だろう。



 「アルフリード様、楽しそうですね」

 マルクの言葉に「アイリ嬢観察日記」から、顔を上げる。そこには、笑みを見せるマルクがいた。入れてくれた紅茶に口をつける。

 「そうか?」
 「えぇ。その様なお顔をするのは久しぶりです。兄も最近心配してました」
 「ラズが?」
 「はい。この数年、表情筋が機能していないのではと言っていました」

 相変わらず失礼な奴だ。まあ、確かにここのところ、何も変わらない毎日だった。マルクを虐めるのも飽きてきていた。レパートリーが尽きた訳ではないが、やりたい事と、マルクに出来ることの差がつき始めたのだ。マルクにして、マルクが使い物にならなくなったら取り返しもつかない。ラズに叱られる。

 「・・・ラズには敵わないな」
 「何をおっしゃいますか」

 君は知らないからね。ラズの本心を。別に国なんてどうなろうと知った事ではないけど、きっと、この国が崩壊したら君は泣くんだろうね。その方が夢見が悪いんだよ。

 「楽しそうはともかく、もう少しアイリ嬢の事は知りたいかな。マルク、この際だ折角だから、ロディクの事も調べてきて。アイリ嬢が僕の事知らないのにもビックリしたしね」
 「畏まりました」

 マルクは一礼して出ていった。
 入れ違いに入って来たライディンに聞いてみる。

 「ねぇ、ライディン。日記ノート読んだんだけど、アイリ嬢は研究塔に部屋借りてるの?」
 「はい、家に帰るのが勿体ないらしく、侍女も置かずに暮らしています」
 「侍女いないの?ご両親と仲悪いとか?」
 「いえいえ、逆に過保護みたいで、家にいると家族総出で構ってくるらしく、家出したいのを我慢して2年間だけ寮生活をさせて貰っている状況だそうです。と言っても卒業した3か月ごにはご成婚ですが」
 「妃教育は?」
 「それは、終わっているそうです。やりたい事のためならさっさと終わらせて、好きな事をするが、彼女の方針らしいですから。ですが、ダンスは苦手らしく、時たま王宮に行く様ですけど」

 なかなかじゃないか。

「このノート見てたんだけど、起きた後の行動が掴めないんだけど、なんで?」

 おや?ライディンが真っ赤になって言い淀んだ。ゴニョゴニョと口の中で呟いている。

 「なに?」
 「えっと、起きた後、シャワーを浴びるんですが、・・・あの・・・、男である私からは彼女の名誉のためにも、言えません」

 床にゴツンっとつっぷした。アイリ嬢、なにをしたんだい?この男をこうまでする君は大物だよ。

 じゃあ、言える答なら聞いていいよね。
キリキリ吐いてもらおうじゃないか。

 「わかったよ。それについては聞かないで置いてあげるから、魔術変換式ゴミ吸い取り機についてはしゃべってもらうね」

 にっこり。
 ・・・ライディン、悪魔を見るような目で僕を見ないでくれたまえ。
 




 
 
 
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