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七話、叱られました、なぜ?
しおりを挟むその後、店側から、エンリュリッヒ様はお礼を言われていました。
あの馬鹿男、この店でいつも同じような事をしているそうです。傍迷惑な。
従業員の証言も手に入りました。
重要な証拠になります。
店を出て帰ります。
後ろからエンリュリッヒ様がついて来ています。
ちなみにわたしはウィッグとメイクはおとしいつもの地味スタイルです。
また、彼らに会って、絡まれたら困りますしね。
「どうかしましたか?」
終始無言なので聞いてみました。
グイッと引っ張られ
街角に連れ込まれてしまいました。
再び壁ドン。
今、流行っていましたっけ?
「いつも、あんなことしてるのか?」
へっ?
「君は女の子だろう。男の力に叶うわけないだろう。なのに、あんなの危険ことを!」
心配してくれてます?
確かに男の方の力にはかないませんが・・・。
思いっきり脛をける。
油断してバランスを崩したら背後に回って腕を捻りあげる。
「うあっ?」
「わかってますよ。かなわなことは。だから、か弱く見せて隙を作るんです。どうです?護身術ぐらいならできるんです」
パッ離してあげました。
「あっ・・・、えっと・・・」
「助けていただいたのは感謝してます。ですが、このことも含めわたしの仕事なので、貴方にとやかく言われたくありません。わたしの邪魔をするなら、近づかないでください」
はあ。
わかってますっ。
だからこそ、知り合いに頼んで、護身術や武術も習ったのです。
誰かをもしもの時、助けてあげる為に。
あの時のわたしじゃない。
・・・アン。
あなたは今、どこにいますか?
わたしの大事な、友達・・・。
エンリュリッヒ様は驚いた眼差しでわたしを見てました。
そうですよね。
ひと回り小さな女の子にやられたらビックリしますよね。
「どこで?」
「領地で。知り合いに鍛えていただきました」
「・・・そうなんだ・・・」
さあ、帰りましょう。
まだ、突っ立っているエンリュリッヒ様を放って帰りました。
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