【完結】結び屋 アメリア・ブロー〜他人の幸せを結んでいますが、自分の幸せの相手には気付きません〜

彩華(あやはな)

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十九話、模擬夜会2

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「ミッシェル様、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ」

 ミッシェル様は大きく深呼吸されました。

 今から、ポニー様に言いたい事を言いにいくのです。

 夜会を台無しにするものではありません。
 仲直りですから。許可もとっています。


 ミッシェル様は意を決して、二人に近づきました。

「ケンロット様、お話があります」
「なんですか?」

 怖いお声。
 おっ、なかなかの演技ですね。

「ポニーは、わたしの親友です!大事な親友です。凄く優しくてしっかり者で、わたしのかけがえのない友達です!
 そんな親友が認めたからには貴方な事認めてあげるわ。でも、ポニーを泣かしたら、ゆっ、ゆるっ、許さないっ、からっ。ポニーっ、のこと幸せにぜったいっ、にっ、するっって、ちかって!でなっいとっ、わたっし、みとめ、ってあげ、ないっん、だ、か、っらっ」


 泣いてますよ。
 認めたといいながら、認めないって・・・。
 素直じゃないですよ。

「ミッシェル・・・」
「ヒウッ、ポニーィ、ごめ、ん。やだ、きらわない、でぇ。わた、し、ポニーに、き、らわ、ったら、むっ、りぃぃ」

 ヒグヒグと泣き始めました。

 そんなミッシェル様を初めて見たのでしょう、ポニー様は初めて呆然とされてましたが、次第にもらい泣きされ、二人は抱きしめあいました。
 謝りあっています。


 大丈夫。
 これでよかっのです。

 見届けると、退散。

 メガネをかけ直します。

 エンリュリッヒ様のいるバルコニーへと行きました。

「アレが最後の仕上げか?」
「はい。実はポニー様からも依頼はありました。でも優先したのはミッシェル様のです」
「なぜ?」
「ケンロット様は自分の幸せ。ポニー様はケンロット様の幸せ。ミッシェル様はポニー様の幸せを願いました。
 ケンロット様は独りよがり、ポニー様は自己満足、誰も幸せにならないと思いました。  
 ミッシェル様はただひたすらにポニー様の幸せを願われたのです。
恋より親友をとりました。
 実際ミッシェル様もケンロット様を気にはされていたとは思います。
 ある意味気づかない『恋』だったかもしれませんね。
 ケンロット様に対してなのかポニー様に対して恋したのは分かりかねますが。
 だからあの芝居をしました。わたしの提案を飲んで、嫌な気持ちになりながら・・・、お二人に対してケジメをつけられたのです」
「そうか・・・」

 風が吹きます。
 髪を抑え、夜空を見上げました。
 星が綺麗ですね。

「もちろん、アフターケアーは万全です。ほら」

 三人の方を見ると、レックス様、マロン様、そしてもう一人男性が近づくのが見えました。
 エンリュリッヒ様に調べてもらった時に気になったのよねぇ~。

「ポニー様のお兄様ーロイド様です。ミッシェル様に拗らせて今したので、少しばかりアドバイスをしました」
「君は・・・」 

呆れたようにため息つかないでください。









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