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二章、学園時代

13歳ー1

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 春になり、わたしたちは学園に入った。

 わたしはカリナと同じ一年生となる。

 両親がわたしは気難しく力の制御もままならないなど、あることないことを理由に出来損ないだからと、カリナと同じ学年にいれたのだ。
 そんな理由を並べながらも、ちゃっかりと奨学金申請をしていったのだから驚きである。

 とはいえ、魔術騎士であるアウスラー先生の助言と入学早々にあった実技テストのさい今持つ実力を見せたことで、奨学金どころか特待生候補の審査を受けれることになった。
 もし、特待生になれば学費免除になり、両親からも干渉されなくなると思うと嬉しい限りである。

 飛び級の話も出てはいるが、今は両親を逆撫でしたくないので、このままで行こうとは思っていた。幸いにもアウスラー先生のフォローによっておおよその先生方の理解も得ているので大丈夫そうだ。
 本当にアウスラー先生には感謝しきれない。

 ちなみに当のアウスラー先生はわたしの学園行きに伴い家庭教師契約を打ち切られたが、ちゃっかりと学園の魔術科の先生に収まっている。なので、いまだにわたしと顔を合わしていた。


 カリナは持ち前の愛嬌と人懐っこさで入学早々に友達を作りクラスの人気者になっている。努力家でもあるため、妬む人は少ないだろう。何より光魔法を持つ者としてみんなから一目置かれていた。
 それに、クラルテもいるので大丈夫だとは思っている。

 仲良くおしゃべりをしているカリナを見ていると、自分の妹ながら自慢したくなった。
 

 わたしはというと、まさか一年生というのは魔術初心者に近いとは思っていなかったため、実力テストで全員の前で膨大な魔力と青い火を見せつけてしまったことで、遠巻きにされた。
 両親の流した『力の制御ができない』という噂を信じ込んだ生徒もいたため誰も声をかけてくることはなかった。
 つまり、入学初めからつまづいたのだ。

 もともと一人でいても苦痛に思わないので構わないのだが、カリナにだけは迷惑をかけないようにと心に誓ってはいる。

『みんなわかってないのねぇ~』

 カリナの傍でいるはずのクラルテは暇さえあれば分身の小さな光の玉を私の元に飛ばして来ていた。わたしの膨大な魔力を栄養補給として求めにきている。

 ただであげるとセイカは眉を寄せて嫌がり、クラルテもそれがわかっているのか、カリナの状況などを勝手に報告しにきていた。

『別にわかってもらわなくてもかまわないわ』 
『あなたはそうかもしれないけど~、らん様はそうは思ってはないわよ~。まぁ~、私が口出しすることじゃぁないわね~。それより、周りには気をつけた方がいいんじゃな~い?』
『えっ?』

 わたしは光の玉を見た。
 玉だけあって、表情はわからない。

『人間関係なんて、わたしたちにはわからないからね~』

 それだけ言うと、クラルテは消えていった。

 精霊は人間とは感性が違う。
 人間のように対人関係を拗らせることもないのだろう。

 クラルテはどんな意味だったのかわからなかった。
 
 

 
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