【完結】それがわたしの生き方

彩華(あやはな)

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 わたしの母は男爵令嬢だった。そして父はこの国の国王である。

 父が視察中、母に一目惚れをして、関係を強要し、わたしが生まれた。
 母には婚約者がいたらしい。わたしを産むなり母は死んだ。

 わたしは城の片隅で生きる。
 最低限の生活。二人の義兄と一人の義姉とも顔を合わすこともない生活。

 一人の侍女と、その子供ーラックだけがわたしの味方。
 ラックとはいつも遊んでいた。

 わたしの初恋の相手。
 
 12歳の頃、ラックは騎士見習いに入りあまり会えなくなった。
 それでも、手紙をくれた。
 
 最低限の生活のなか、教育だけは厳しかった。マナーや学問。最高の出来を要求してきた。できなければ全て母の身分が低いからだと言われ、折檻される。

 そこまでするより、平民にでも落としてくれればいいものを、彼らはわたしを縛りつけた。
 それもそのはず、15歳の時、婚約することになった。

 相手は、隣の国の暴虐王。
 今までに六人の妻がいて、誰も見たことがないとまで言われている。国民さえも、あまりのひどさに逃げ出しているとも・・・。

 わたしは生贄だった。

 母がどんなに身分が低かろうが所詮、王族であり、彼らのでしかないのであろう。わたしの意見などないのだ。

 悔しい。
 かと言ってどうすることもできない。
 あるがままを受け入れるしかないのだ。

 ラックがやってきた。
 寝静まったころ、誰にも知られないようにきたのだ。
 結婚前に男女二人きりで会うにはいかないからだ。
 もう時期、わたしは行くから最後の挨拶なのだろう・・・。


 ラックはわたしを抱きしめた。

「一緒に逃げましょう」

 欲しかった言葉だった。
 
 でも、どこに?
 逃げてもいずれつかまる。
 捕まればラックの命なんて、すぐに消えてしまう。

 わたしは首を振った。

 ラックの死など見たくない。
 幸せになって欲しい。
 わたしを忘れて幸せに・・・。
 
 
 正直、ラックが他の女性と結婚自体見たくなかった。
 ある意味丁度いいのだ。

 二人で見た夜空は流星がいくつもながれていた。 


 ラックと別れた後、わたしは泣いた。
 誰にも分からないよう、一人で泣いた。

 そして、わたしは暴虐王の元に嫁いだ。

  暴虐王。

 言葉通り。

 彼はわたしを欲の吐口にしたのだった。
 わたしは笑った。

 あまりの馬鹿馬鹿しさに。
 くだらなさに。

 彼はわたしの手首に鎖をつく、首には首をはめた。

 飼い犬か?

 地下の暗くジメジメした場所で殴る蹴る。

 性欲のハケにはされなかった。
 貧弱な皮と骨の女には興味ないと言った。

 嬉しい反面、人を馬鹿にしている。

 この男に対して、怒りしかなかった。

 
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