【完結】それがわたしの生き方

彩華(あやはな)

文字の大きさ
1 / 3

1

しおりを挟む
 わたしの母は男爵令嬢だった。そして父はこの国の国王である。

 父が視察中、母に一目惚れをして、関係を強要し、わたしが生まれた。
 母には婚約者がいたらしい。わたしを産むなり母は死んだ。

 わたしは城の片隅で生きる。
 最低限の生活。二人の義兄と一人の義姉とも顔を合わすこともない生活。

 一人の侍女と、その子供ーラックだけがわたしの味方。
 ラックとはいつも遊んでいた。

 わたしの初恋の相手。
 
 12歳の頃、ラックは騎士見習いに入りあまり会えなくなった。
 それでも、手紙をくれた。
 
 最低限の生活のなか、教育だけは厳しかった。マナーや学問。最高の出来を要求してきた。できなければ全て母の身分が低いからだと言われ、折檻される。

 そこまでするより、平民にでも落としてくれればいいものを、彼らはわたしを縛りつけた。
 それもそのはず、15歳の時、婚約することになった。

 相手は、隣の国の暴虐王。
 今までに六人の妻がいて、誰も見たことがないとまで言われている。国民さえも、あまりのひどさに逃げ出しているとも・・・。

 わたしは生贄だった。

 母がどんなに身分が低かろうが所詮、王族であり、彼らのでしかないのであろう。わたしの意見などないのだ。

 悔しい。
 かと言ってどうすることもできない。
 あるがままを受け入れるしかないのだ。

 ラックがやってきた。
 寝静まったころ、誰にも知られないようにきたのだ。
 結婚前に男女二人きりで会うにはいかないからだ。
 もう時期、わたしは行くから最後の挨拶なのだろう・・・。


 ラックはわたしを抱きしめた。

「一緒に逃げましょう」

 欲しかった言葉だった。
 
 でも、どこに?
 逃げてもいずれつかまる。
 捕まればラックの命なんて、すぐに消えてしまう。

 わたしは首を振った。

 ラックの死など見たくない。
 幸せになって欲しい。
 わたしを忘れて幸せに・・・。
 
 
 正直、ラックが他の女性と結婚自体見たくなかった。
 ある意味丁度いいのだ。

 二人で見た夜空は流星がいくつもながれていた。 


 ラックと別れた後、わたしは泣いた。
 誰にも分からないよう、一人で泣いた。

 そして、わたしは暴虐王の元に嫁いだ。

  暴虐王。

 言葉通り。

 彼はわたしを欲の吐口にしたのだった。
 わたしは笑った。

 あまりの馬鹿馬鹿しさに。
 くだらなさに。

 彼はわたしの手首に鎖をつく、首には首をはめた。

 飼い犬か?

 地下の暗くジメジメした場所で殴る蹴る。

 性欲のハケにはされなかった。
 貧弱な皮と骨の女には興味ないと言った。

 嬉しい反面、人を馬鹿にしている。

 この男に対して、怒りしかなかった。

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

あなたに何されたって驚かない

こもろう
恋愛
相手の方が爵位が下で、幼馴染で、気心が知れている。 そりゃあ、愛のない結婚相手には申し分ないわよね。 そんな訳で、私ことサラ・リーンシー男爵令嬢はブレンダン・カモローノ伯爵子息の婚約者になった。

貴方の側にずっと

麻実
恋愛
夫の不倫をきっかけに、妻は自分の気持ちと向き合うことになる。 本当に好きな人に逢えた時・・・

従妹を甘やかす婚約者に意趣返しするお話

下菊みこと
恋愛
従兄と結託してやり返すお話。 元サヤではありません。 御都合主義のハッピーエンドです。 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】あなたの愛が欲しくて・・・

彩華(あやはな)
恋愛
失った愛ー。馬車が揺れるー。 あたしは1番欲しい物がある。それは、あなたの愛ー。 その為にわたしはーする。 4話完結です。

聖女の力に目覚めた私の、八年越しのただいま

藤 ゆみ子
恋愛
ある日、聖女の力に目覚めたローズは、勇者パーティーの一員として魔王討伐に行くことが決まる。 婚約者のエリオットからお守りにとペンダントを貰い、待っているからと言われるが、出発の前日に婚約を破棄するという書簡が届く。 エリオットへの想いに蓋をして魔王討伐へ行くが、ペンダントには秘密があった。

逆ハーレムの構成員になった後最終的に選ばれなかった男と結婚したら、人生薔薇色になりました。

下菊みこと
恋愛
逆ハーレム構成員のその後に寄り添う女性のお話。 小説家になろう様でも投稿しています。

カメリア――彷徨う夫の恋心

来住野つかさ
恋愛
ロジャーとイリーナは和やかとはいえない雰囲気の中で話をしていた。結婚して子供もいる二人だが、学生時代にロジャーが恋をした『彼女』をいつまでも忘れていないことが、夫婦に亀裂を生んでいるのだ。その『彼女』はカメリア(椿)がよく似合う娘で、多くの男性の初恋の人だったが、なせが卒業式の後から行方不明になっているのだ。ロジャーにとっては不毛な会話が続くと思われたその時、イリーナが言った。「『彼女』が初恋だった人がまた一人いなくなった」と――。 ※この作品は他サイト様にも掲載しています。

【完結】好きになったので

彩華(あやはな)
恋愛
わたしは拾われた。 拾ってくれた主人の為に尽くそうとしたが、とある人に一目惚れをしてしまったのです。 わたしはその方のもとへ行きます。 あの方を傷つけるものは許しません!! あの方のためにわたしは・・・。

処理中です...