【完結】ターニャの歌

彩華(あやはな)

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最後のドール2

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 広場には、幾人かの人がいた。
 なかなか息絶えないのをアルフェルドとファロット、そしてフェルンダルが数人の兵とともに見に来てた時、そこには黒髪に青い双眸の女性が大事そうにターニャを抱いている姿だった。

「誰だ!」
「・・・。ターニャ。全て、終わりました」

 彼女は問いかけには答えず、ターニャに向けて言った。
ターニャの視点が緩やかに合い言葉を紡ぐ。

「あ、りが、とう・・・」
「もう、大丈夫です。心配事はありません」
「おい、貴様、答えろ」

 彼女は静かに声を震わせた。

「愚かなる者たち。全ては終わったわ。戦いは既に終わりを迎えた」
「はあ?」

 アルフェルドが、不思議そうに声をだした。

「全ての魔核は破壊しました。今後永久に魔核が取れることもありません」
「何を言ってるんだ。まだ、ここにある!そんな筈がなかろう」
「いや・・・、お前たち、役目は終わりです。皆の元へ行きなさい」

 静かなる命令。
 アルフェルドの持つラルドが、急に光を失ったように墜落する。兵士が持つ武器もファロットの鷹もどきも、ガラクタのように動かない。
 フェルンダルが確認すると、内蔵されていた魔核が全て壊れていた。

「ラルド?ラルドに何をした?」
「何を?魔核を壊しただけよ」
「魔核を?馬鹿な、あり得ない」
「あり得るのよ。わたしはドールです。ターニャが作りし最後のドール。大昔に失われた魔核がわたしの心臓。ずっと受け継がれた記憶と共に生きてきた最古のドール。ターニャは願いました。ドールの終わりを。わたしに全て託した、全てをかけた」
「ターニャが?」
は人間を知りたかった。それを初代人形師が身体をくれた。人間の優しさを知り恩恵を与えた。それを自ら切ったのです」
「嘘だ!嘘だ」
「これより、全ての恩恵は失われました。魔術技師はもう用はなくなった。魔術操作もいらない。これからは昔の様に不自由な中で暮らしていくだけ。それが、貴方方が選んだ道です」
「なぜだ、何故?」
「わからないの?貴方が戦いを望んだからよ。ターニャは平和を愛情を欲した。なのに貴方たちは裏切りを教えた」

 わかって欲しい。でも、わからないだろう。
 ターニャはただ、愛されたかった。それだけだった。
 幸せに生きることを知りたかった。

「どうすれば・・・」
「知らない。自分でどうにかしなさいよ」

 突き放すように言った。

「ターニャ行きましょう」
「どこに行くんだ?」
「一つよ。故郷に帰るの。アソコがターニャの街だもの」
「アソコはもう生きれない。土地が汚染されて・・・」
「だから、何?わたしたちはドール。どこでも生きていけるわ。逆に貴方たちは来れないもの、都合がいいわ」

 ターニャを抱え直し、去ろうとする。

「そうそう、ターニャが歌ってた歌はね。昔、リアが歌っていた、恋人の歌よ。戦地から帰らない恋人を待つ悲しい歌。忘れられた、悲しい歌。貴方たちはこれから何を求めるの?わたしは見てる、貴方の全てを・・・」

 それだけをいい残し彼女は去っていった。
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