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エピローグ
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彼女の話をロードスは真剣に聞いた。
メモをとり、事細かに記してゆく。
「じゃあ、君はそれからずっとここにいるの?」
「ええっ。ターニャはここで最期を迎えることを望んだの。ずっと帰りたがっていた。生みの親のカジェロのいる所、育てくれたエスタニアのいるところ。帰る場所だった。幸せだった場所だから」
「国はどうなったの?」
「予想通り、魔核に頼り切っていた生活は破綻したわ。
生きるのに必死になって、戦争も争いも・・・それどころじゃなくなった。助け合わなくてはいけなくなった。
人形師は・・・いなくなった。いえ、ほとんどの人形師がドールだったの。わたしのように受け継がれた魔核。みんな解放を願っていた」
「それで一気に文化の衰退があったわけか・・・」
「謎が解けたかしら?」
「ああ、新発見だ。すごいよ。でも・・・」
ロードスは言葉を濁した。
「証拠がないのが残念だね。君の話だけでは確証が得ないからね」
「そう、なら残念ね」
優しく微笑んだ。
「君はこれからもここでいるの?」
「・・・」
「君は一人でずっといた。誰に会うでもなく、墓守として。もう解放されても構わないんじゃないかな?」
「解放?」
「もう、人形師もドールも君を除いてはいない。追われることもない。なら外に出ようとは思わないの?」
彼女は目を伏せた。
沢山の思いがあっただろう。
「もう、ターニャはいない。なら、解放されても・・・」
「わからない・・・、わからない。どうすればいいのか?自分がどうしたいのか」
幼いまま、大人になったようだった。
成長するはずの魔核が、人と触れ合う事がなかったのだろう。記憶だけで生きている知識も経験もかけたドール。
彼は彼女の頭をポンポンとやさしく叩いた。
「これから知っていけばいいじゃないか。僕と一緒に行こう」
「でも・・・」
「いつでも帰って来れるよ。ここは君の故郷。君はドール。僕より遥かに生きるんだろう。ならまた、帰って来れるよ。それに僕が協力するよ。こう見えて発掘調査のスペシャリストさ。保存するよう、かけ合おう」
自信満々のロードスに笑った。
初めて笑った。幸せを感じた。
「ターニャ、わたし行ってもいい?」
振り返りターニャを見ると、その顔は微笑んでいるように見えた。
『生きなさい。わたしは大丈夫。ゆっくり果てるわ。貴女は貴女の生き方を見つけてきなさい。わたしが見ることのなかった世界を見てきたらいいの』
聞こえるはずもない声。
でも存在した。
胸の奥からいくつもの温かな声援が聞こえてくる気がする。
「ターニャ、わたし行ってくる。世界を見てくるわ」
「じゃあ、僕と行こう。僕名前はロードス。君は?」
「わたしはプレア。遠い異国の古語で『祈り』と言う意味よ」
二人は笑い合った。
手を繋ぎ前を向いて、歩き出した。
ー完ー
メモをとり、事細かに記してゆく。
「じゃあ、君はそれからずっとここにいるの?」
「ええっ。ターニャはここで最期を迎えることを望んだの。ずっと帰りたがっていた。生みの親のカジェロのいる所、育てくれたエスタニアのいるところ。帰る場所だった。幸せだった場所だから」
「国はどうなったの?」
「予想通り、魔核に頼り切っていた生活は破綻したわ。
生きるのに必死になって、戦争も争いも・・・それどころじゃなくなった。助け合わなくてはいけなくなった。
人形師は・・・いなくなった。いえ、ほとんどの人形師がドールだったの。わたしのように受け継がれた魔核。みんな解放を願っていた」
「それで一気に文化の衰退があったわけか・・・」
「謎が解けたかしら?」
「ああ、新発見だ。すごいよ。でも・・・」
ロードスは言葉を濁した。
「証拠がないのが残念だね。君の話だけでは確証が得ないからね」
「そう、なら残念ね」
優しく微笑んだ。
「君はこれからもここでいるの?」
「・・・」
「君は一人でずっといた。誰に会うでもなく、墓守として。もう解放されても構わないんじゃないかな?」
「解放?」
「もう、人形師もドールも君を除いてはいない。追われることもない。なら外に出ようとは思わないの?」
彼女は目を伏せた。
沢山の思いがあっただろう。
「もう、ターニャはいない。なら、解放されても・・・」
「わからない・・・、わからない。どうすればいいのか?自分がどうしたいのか」
幼いまま、大人になったようだった。
成長するはずの魔核が、人と触れ合う事がなかったのだろう。記憶だけで生きている知識も経験もかけたドール。
彼は彼女の頭をポンポンとやさしく叩いた。
「これから知っていけばいいじゃないか。僕と一緒に行こう」
「でも・・・」
「いつでも帰って来れるよ。ここは君の故郷。君はドール。僕より遥かに生きるんだろう。ならまた、帰って来れるよ。それに僕が協力するよ。こう見えて発掘調査のスペシャリストさ。保存するよう、かけ合おう」
自信満々のロードスに笑った。
初めて笑った。幸せを感じた。
「ターニャ、わたし行ってもいい?」
振り返りターニャを見ると、その顔は微笑んでいるように見えた。
『生きなさい。わたしは大丈夫。ゆっくり果てるわ。貴女は貴女の生き方を見つけてきなさい。わたしが見ることのなかった世界を見てきたらいいの』
聞こえるはずもない声。
でも存在した。
胸の奥からいくつもの温かな声援が聞こえてくる気がする。
「ターニャ、わたし行ってくる。世界を見てくるわ」
「じゃあ、僕と行こう。僕名前はロードス。君は?」
「わたしはプレア。遠い異国の古語で『祈り』と言う意味よ」
二人は笑い合った。
手を繋ぎ前を向いて、歩き出した。
ー完ー
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