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38.白昼夢と短剣
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◇◇◇◇◇
銀色の髪の女性が夜の浜辺で声を出さずに泣いていた。私はどう言葉をかければいいのかわからず彼女を見ていた。そんな時、海から同じ銀の髪の人魚が現れた。
『フィレーネ姉様。フィレイネ姉様』
『レイシア?どうしたの?なんであなたが?』
突然現れた妹のレイシアに驚いた。
『女王から伝言です。この宝剣で大切な方を刺せば人魚に戻れます』
レイシアは黒い短剣を差し出してきた。
黒い短剣は月の光に照らされ輝いている。
『これで殺せと女王がそう言ったの?』
『はい。それと、フィレーネ姉様の女王継承は無くなりました。私が次の女王になります』
淡々と言うレイシアに驚きの表情をフィレーネは向けた。
『殺すことができなければ、姉様は泡となり海に還ります。また殺し人魚に戻ったとしても、元のようにいきていけますか?』
『・・・・・・』
フィレーネは唇を噛み締めた。
『フィレイネ姉様にはフィレーネ姉様を泡沫人にしたからには、どんな最後になるかをきちんと見届けてくるようにと女王は仰っていました。よろしいですね』
レイシアは笑み一つない冷静な顔で言ってきた。きっとこれが本来の人魚なのかもしれない。
『わかったわ。最後まで見届けるわ』
レイシアは短剣を押し付けるようにフィレーネに渡すと海の底に帰って行った。
◇◇◇◇◇
ーまた白昼夢か・・・
黒い短剣にも想いがあったようだ。
最近よく白昼夢を見るからにして、人魚には強い意志や思い入れがあるのかもしれないと思うようになっている。
そんな気持ちをルナ様には悟られないように聞く。
「なぜ今これを?」
「もともとセイネシアに渡すために隠し持ってきてたの。セイネシアは泡になる覚悟があるようだからとあえて人魚に戻る方法は教えてなかったのよね。でも、今はセイネシアは思いあぐねている。ならばその選択肢として渡しておくわ。叶わない恋は人魚を泡に還しててしまうことを踏まえて、セイネシアにはしっかり考えなさいとでも言っといて」
簡単に言うが、この方はどうするつもりなのだろう。
淡々と言うルナ様を私は見つめた。
「ルナ様はやはり、人間になりたいのですか?」
私の質問にルナ様は声を立てて笑った。
「そうよ。泡沫人になりたいの。それが私の夢なの」
「どうやってですか?」
恋が叶わなかったら人魚は海の泡に還ってしまうとルナ様自身が口にした。
ルナ様は本当にロイド殿下に恋しているのだろうか・・・。
私が見るからにルナ様は恋などしていないように見える。
この方が人間になった理由がわからなかった。
恋していないのに人間のままでいることは叶わないのではないはずである。
「ふふっ。あなたは本当に人魚に詳しいのね。でも、これでいいの。あなたには関係ないわ」
ルナ様は静かに私を見てきた。
「もう、いいわね。一人になりたいから出て行って」
彼女は足をさすりながらそう静かに言った。
銀色の髪の女性が夜の浜辺で声を出さずに泣いていた。私はどう言葉をかければいいのかわからず彼女を見ていた。そんな時、海から同じ銀の髪の人魚が現れた。
『フィレーネ姉様。フィレイネ姉様』
『レイシア?どうしたの?なんであなたが?』
突然現れた妹のレイシアに驚いた。
『女王から伝言です。この宝剣で大切な方を刺せば人魚に戻れます』
レイシアは黒い短剣を差し出してきた。
黒い短剣は月の光に照らされ輝いている。
『これで殺せと女王がそう言ったの?』
『はい。それと、フィレーネ姉様の女王継承は無くなりました。私が次の女王になります』
淡々と言うレイシアに驚きの表情をフィレーネは向けた。
『殺すことができなければ、姉様は泡となり海に還ります。また殺し人魚に戻ったとしても、元のようにいきていけますか?』
『・・・・・・』
フィレーネは唇を噛み締めた。
『フィレイネ姉様にはフィレーネ姉様を泡沫人にしたからには、どんな最後になるかをきちんと見届けてくるようにと女王は仰っていました。よろしいですね』
レイシアは笑み一つない冷静な顔で言ってきた。きっとこれが本来の人魚なのかもしれない。
『わかったわ。最後まで見届けるわ』
レイシアは短剣を押し付けるようにフィレーネに渡すと海の底に帰って行った。
◇◇◇◇◇
ーまた白昼夢か・・・
黒い短剣にも想いがあったようだ。
最近よく白昼夢を見るからにして、人魚には強い意志や思い入れがあるのかもしれないと思うようになっている。
そんな気持ちをルナ様には悟られないように聞く。
「なぜ今これを?」
「もともとセイネシアに渡すために隠し持ってきてたの。セイネシアは泡になる覚悟があるようだからとあえて人魚に戻る方法は教えてなかったのよね。でも、今はセイネシアは思いあぐねている。ならばその選択肢として渡しておくわ。叶わない恋は人魚を泡に還しててしまうことを踏まえて、セイネシアにはしっかり考えなさいとでも言っといて」
簡単に言うが、この方はどうするつもりなのだろう。
淡々と言うルナ様を私は見つめた。
「ルナ様はやはり、人間になりたいのですか?」
私の質問にルナ様は声を立てて笑った。
「そうよ。泡沫人になりたいの。それが私の夢なの」
「どうやってですか?」
恋が叶わなかったら人魚は海の泡に還ってしまうとルナ様自身が口にした。
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私が見るからにルナ様は恋などしていないように見える。
この方が人間になった理由がわからなかった。
恋していないのに人間のままでいることは叶わないのではないはずである。
「ふふっ。あなたは本当に人魚に詳しいのね。でも、これでいいの。あなたには関係ないわ」
ルナ様は静かに私を見てきた。
「もう、いいわね。一人になりたいから出て行って」
彼女は足をさすりながらそう静かに言った。
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