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カロン様は一気に顔色を変えた。
目が泳いでる。
射抜くような瞳で彼女をみます。
「そのブローチ、アンジュのだよね」
「そうでしたわね。カロン様、そのブローチお返しいただきますね」
さあ、返してもらいましょう。
「わ、わたしのよ!そう言ったはずよ」
「たしか、王太子様からの贈り物、でしたっけ?」
「そ、そう、よ」
「事実か?」
クロード様がエルキース王太子殿下に向かって聞きます。
「へっ?」
間抜けな返事。
「そういないか、と聞いている」
「殿下ぁ、殿下がくれましたわよね」
カロン様が必死に訴えかけている。
どうでる?
何と言う?
「あ、ああ、わたしが彼女にあげたものだ」
それを聞いて国王夫妻は崩れ落ちた。
涙を流して王太子殿下を見た。
能天気な二人はわかっていない。
国王陛下たちの反応に二人は疑問を抱きつつわかっていない。
王太子殿下とあろうものが知らないとは・・・。
「ふふ、アハハ」
あら、クロード様が楽しそう。
珍しく声をあげて笑うなんて。
「アンジュ教えてあげなよ」
わかりましたわ。
わたしは王太子殿下とカロン様を見ました。
「それは世界にたった一つしかない宝石です。わがトレイニー家の嫡子に受け継がれる大事なブローチ。知る人ぞ知るブローチ。それがあればどんな国の要人でも平れ伏すほどの価値あるブローチです。ですので、エルキース王太子殿下が与えることもカロン様がつけることもできないもの。それを持っていると言う事はあなた方が盗人である証拠です」
「し、しらん!わたしは贈ってない」
手のひらを返したようにエルキース王太子・・・いえ、エルキースが叫びます。
「嘘よ。これにそんな価値があるなんて!!」
「どう言われようが、本当です。疑うのなら鑑定に出してくださって結構よ。まあ、そうなれば入手経路を聞かれるまでですか」
聞かれたら最期、よね。
今のままでも最期ですけど。
「あなたにはすでに王族を巻き込んでの嘘をつきましたし、覚悟はよろしいかしら?」
「し、知らない。わたし、そう、拾ったのよ」
「また、嘘、ですか?皆様聴きましたのよ?」
「ふっ!!!こんなもの!」
ブローチを引きちぎって投げ捨てる。
傷がついちゃう!!
つかないけど。
剣さえ通さないほど硬い石ですから。
「わたしは何も知らなかったんだ。許してください!皇帝陛下!!」
震えて懇願するエルキース。
「五月蝿い」
「こいつが、こいつが勝手に・・・」
「あんただって!!」
はあ、ほんとにどうしようもないわ。
皇帝相手に虚偽を言ったからにはお咎めがあるのは普通でしょう。『影』からの報告も上がってるのよ。カロン様がわたしの鞄から取ったと。鞄を盗み噴水に投げ捨てたことも。
今更いい訳しても無理なのよ。
どうしてわからないわけ?
クロード様はブローチを拾うとわたしに渡してくれました。
返ってきました。
大事なものが。
「アンジュ。大切ならきちんと持っていろ」
「申し訳ありません」
クロード様に拾わすなんてわたし、ダメね。
目が泳いでる。
射抜くような瞳で彼女をみます。
「そのブローチ、アンジュのだよね」
「そうでしたわね。カロン様、そのブローチお返しいただきますね」
さあ、返してもらいましょう。
「わ、わたしのよ!そう言ったはずよ」
「たしか、王太子様からの贈り物、でしたっけ?」
「そ、そう、よ」
「事実か?」
クロード様がエルキース王太子殿下に向かって聞きます。
「へっ?」
間抜けな返事。
「そういないか、と聞いている」
「殿下ぁ、殿下がくれましたわよね」
カロン様が必死に訴えかけている。
どうでる?
何と言う?
「あ、ああ、わたしが彼女にあげたものだ」
それを聞いて国王夫妻は崩れ落ちた。
涙を流して王太子殿下を見た。
能天気な二人はわかっていない。
国王陛下たちの反応に二人は疑問を抱きつつわかっていない。
王太子殿下とあろうものが知らないとは・・・。
「ふふ、アハハ」
あら、クロード様が楽しそう。
珍しく声をあげて笑うなんて。
「アンジュ教えてあげなよ」
わかりましたわ。
わたしは王太子殿下とカロン様を見ました。
「それは世界にたった一つしかない宝石です。わがトレイニー家の嫡子に受け継がれる大事なブローチ。知る人ぞ知るブローチ。それがあればどんな国の要人でも平れ伏すほどの価値あるブローチです。ですので、エルキース王太子殿下が与えることもカロン様がつけることもできないもの。それを持っていると言う事はあなた方が盗人である証拠です」
「し、しらん!わたしは贈ってない」
手のひらを返したようにエルキース王太子・・・いえ、エルキースが叫びます。
「嘘よ。これにそんな価値があるなんて!!」
「どう言われようが、本当です。疑うのなら鑑定に出してくださって結構よ。まあ、そうなれば入手経路を聞かれるまでですか」
聞かれたら最期、よね。
今のままでも最期ですけど。
「あなたにはすでに王族を巻き込んでの嘘をつきましたし、覚悟はよろしいかしら?」
「し、知らない。わたし、そう、拾ったのよ」
「また、嘘、ですか?皆様聴きましたのよ?」
「ふっ!!!こんなもの!」
ブローチを引きちぎって投げ捨てる。
傷がついちゃう!!
つかないけど。
剣さえ通さないほど硬い石ですから。
「わたしは何も知らなかったんだ。許してください!皇帝陛下!!」
震えて懇願するエルキース。
「五月蝿い」
「こいつが、こいつが勝手に・・・」
「あんただって!!」
はあ、ほんとにどうしようもないわ。
皇帝相手に虚偽を言ったからにはお咎めがあるのは普通でしょう。『影』からの報告も上がってるのよ。カロン様がわたしの鞄から取ったと。鞄を盗み噴水に投げ捨てたことも。
今更いい訳しても無理なのよ。
どうしてわからないわけ?
クロード様はブローチを拾うとわたしに渡してくれました。
返ってきました。
大事なものが。
「アンジュ。大切ならきちんと持っていろ」
「申し訳ありません」
クロード様に拾わすなんてわたし、ダメね。
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