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王太子殿下とカロン様は言い合いをしています。
クロード様はいい合いをものともせず、床に膝をつけたままの国王陛下を見下ろします。
「理解に苦しむな。随一の学園と聞いていたが、いじめの温床の地。学園長の能力のなさ。その学園長を決めた国王の無能さ。この国の価値はないな」
「それは・・・」
「息子もアレだ。次代には向かない」
「・・・・・・」
「そうそう、知っているか?君の馬鹿息子に婚約破棄された令嬢のことを」
「アンジェリーナ・クラウド伯爵令嬢でしょうか?」
「そう、彼女は死んだよ」
「はっ?」
国王陛下はクロード様を見上げます。
わたしたちを見ていた方々も息を呑む音が聞こえた。
エルキースとカロンもいい合いをやめます。
クロード様はドロリと笑みを向けました。
「聞いたことあるだろう?池に落ちたと。
君は詳細を確認したのかい?見舞いや労わりをしたかい?破棄の慰謝料を払ったかい?父親として謝罪はしたのかい?『影』の報告をきちんと聞いて息子に処罰をしたのかい?」
「わたしのこともそうですわ。ほんとに知らなかったのですか?
皆様手慣れたものでしたよ。連携もとてもお上手で・・・。口裏合わせもお見事でした。
あれははじめてのものではなかったですわね。
きっと彼女の虐めも同じ手口だったのでしょうね。
王太子の婚約者ですもの、当然『影』をつけられていたのですから、ご存じだと思ってましたが・・・、もしかして何もご存じない?」
「あ、あ、あっ・・・」
国王陛下はだらだら汗を流して固まっています。
クロード殿下はすっと唇をあげます。
整った顔ですから迫力が違います。
「君に国王である資格はないようだ。この国は僕がもらうよ」
「それは・・・」
「だって、アンジェリーナ嬢が虐められていたんだよ。なのに、彼女が虐めをしたと婚約破棄。
それで彼女は追い詰められたんだ。
君たちに殺されたということだろう?
なのに誰もお咎めなしじゃないか。知らなかった、ですましたんだ。
それに僕の婚約者が虐めにあったんだ。同じようにね。
僕が気づかないとでも思ったのかい?
僕が言わないと考えれないのかい?
無能、君?
じゃあ、僕が言ってあげる。
アンジェリーナ嬢とアンジュを虐めた者は除籍の上、国外追放。その親、親類は家督を他の子に譲り隠居。直接手を出していなくとも見ていたものは除籍し平民にくだれ。その親もまた、他の子に家督を譲り隠居だ。そして、隠居後は一切、政にかかわるな。もし、従わねば、首を切る」
声泣き悲鳴が聞こえます。
膝をつき顔を覆う者。
啜り泣く者。叫ぶ者。呆然とする者。
「そうだね、救済処置をあげよう。もし、全く知らず、虐めていなかったと言うものは一週間以内に出ておいで。事実を詳細に調べた上で、免除するから。それも嘘なら首と胴体は別々になるけどね」
そんな人いる?
周りを見ますが、誰一人わたしたちを見ず目を逸らしたままです。誰も動きません。
今頃後悔しても遅いのです。
「そんな・・・」
「他に案があるのか?見て見ぬふりをして、自分は不正をしながら他人を批判し、自分の正義を語るものは嫌いなんだ。僕は腐った、貴族は嫌いなんだよ。わかるかい?」
相変わらず、どす黒い笑みを浮かべたままです。
国王陛下はもう、顔を上げませんでした。
クロード様はいい合いをものともせず、床に膝をつけたままの国王陛下を見下ろします。
「理解に苦しむな。随一の学園と聞いていたが、いじめの温床の地。学園長の能力のなさ。その学園長を決めた国王の無能さ。この国の価値はないな」
「それは・・・」
「息子もアレだ。次代には向かない」
「・・・・・・」
「そうそう、知っているか?君の馬鹿息子に婚約破棄された令嬢のことを」
「アンジェリーナ・クラウド伯爵令嬢でしょうか?」
「そう、彼女は死んだよ」
「はっ?」
国王陛下はクロード様を見上げます。
わたしたちを見ていた方々も息を呑む音が聞こえた。
エルキースとカロンもいい合いをやめます。
クロード様はドロリと笑みを向けました。
「聞いたことあるだろう?池に落ちたと。
君は詳細を確認したのかい?見舞いや労わりをしたかい?破棄の慰謝料を払ったかい?父親として謝罪はしたのかい?『影』の報告をきちんと聞いて息子に処罰をしたのかい?」
「わたしのこともそうですわ。ほんとに知らなかったのですか?
皆様手慣れたものでしたよ。連携もとてもお上手で・・・。口裏合わせもお見事でした。
あれははじめてのものではなかったですわね。
きっと彼女の虐めも同じ手口だったのでしょうね。
王太子の婚約者ですもの、当然『影』をつけられていたのですから、ご存じだと思ってましたが・・・、もしかして何もご存じない?」
「あ、あ、あっ・・・」
国王陛下はだらだら汗を流して固まっています。
クロード殿下はすっと唇をあげます。
整った顔ですから迫力が違います。
「君に国王である資格はないようだ。この国は僕がもらうよ」
「それは・・・」
「だって、アンジェリーナ嬢が虐められていたんだよ。なのに、彼女が虐めをしたと婚約破棄。
それで彼女は追い詰められたんだ。
君たちに殺されたということだろう?
なのに誰もお咎めなしじゃないか。知らなかった、ですましたんだ。
それに僕の婚約者が虐めにあったんだ。同じようにね。
僕が気づかないとでも思ったのかい?
僕が言わないと考えれないのかい?
無能、君?
じゃあ、僕が言ってあげる。
アンジェリーナ嬢とアンジュを虐めた者は除籍の上、国外追放。その親、親類は家督を他の子に譲り隠居。直接手を出していなくとも見ていたものは除籍し平民にくだれ。その親もまた、他の子に家督を譲り隠居だ。そして、隠居後は一切、政にかかわるな。もし、従わねば、首を切る」
声泣き悲鳴が聞こえます。
膝をつき顔を覆う者。
啜り泣く者。叫ぶ者。呆然とする者。
「そうだね、救済処置をあげよう。もし、全く知らず、虐めていなかったと言うものは一週間以内に出ておいで。事実を詳細に調べた上で、免除するから。それも嘘なら首と胴体は別々になるけどね」
そんな人いる?
周りを見ますが、誰一人わたしたちを見ず目を逸らしたままです。誰も動きません。
今頃後悔しても遅いのです。
「そんな・・・」
「他に案があるのか?見て見ぬふりをして、自分は不正をしながら他人を批判し、自分の正義を語るものは嫌いなんだ。僕は腐った、貴族は嫌いなんだよ。わかるかい?」
相変わらず、どす黒い笑みを浮かべたままです。
国王陛下はもう、顔を上げませんでした。
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