悠久の Madrugada〈マドゥルガダ〉 －蒼い闇－ 《本編完結》「後日譚」連載開始しました

王と王弟、そして影 3 # R18

「ーー……では…お御み足を」

　兄は、弟の額ひたいに唇に口づけると、身体をずらし、組んだ足の先を日陰シェイドに差し出した。
　日陰シェイドは、差し出された兄の足の甲に恭うやうやしく口づけた。

「日陰シェイ！」
「ーー楽になさってください」
　日陰シェイドは口づけの後、一瞬兄を横抱きにし背を褥しとねに預けるよう、そっとおろした。そして、自身も褥しとねに乗り上がると、もう一度足の甲に口づけた。

「……ーーん」

　ちゅぱ……、指を音を立てて含まれ舌したを這はわされる……それは、煽情せんじょう的な眺ながめだった。

「ん……ぅ…………」
　足を持ち上げられ、膝ひざ裏から足首までを舐め上げられる。頬ほほを寄せ、口づけを落とされては、また舌を這わされ……兄は、時折目を眇すがめ、細く長く息を吐はきだした。

　両の足の膝ひざ下へ、丹念たんねんに唇くちびると舌したでの愛撫あいぶが施ほどこされた。
　そして次に足が開かれると、日陰シェイドの唇と舌が、鼠径部そけいぶへと向かっていく。

　ねっとりと唇と舌とで辿たどられ、時折吸いつかれる。
　次第しだいに朱あかい跡あとが増えていき、兄の息は上がっていった。

「は……日陰シェイーー……」
「ーーはい、主あるじ」
　呼ぶ声にも、応こたえる声にも意味はなく、睦言むつごとのようだった。

「日…陰シェ…ィ……！」
　男根ペニスの根に近い、鼠径部そけいぶのぎりぎりのところをきつく吸われ、兄の声が上がる。

　日陰シェイドの愛撫あいぶを受ける兄と、兄を愛いつくしむ日陰シェイドの官能的な色香とにーー二人の姿に圧倒され、傍かたわらでぺたりと座ったまま、弟はただただ、二人に魅入みいっていた。

「ぁ……ーー」
　首を仰あおのけ、あえかに声を引く。兄の姿は美しかった。

　屹立し、夥おびただしい精に濡ぬれた兄の男根ペニスを日陰シェイドは愛めで、その精を掬すくい上げると、兄の精で濡ぬれた指を弟に差し出す。
　弟は差し出されたそれに目を丸くし、そして微笑ほほえみーー日陰シェイドの手を取った。

　ぴちゃ……ぴちゃ、ちゅぱ……

　うっとりと、嬉しそうに弟は兄の精をしゃぶり、日陰シェイドの指を口腔こうこうに含ふくんで舐なめた。

　日陰シェイド指は、そのまま弟を、兄の男根ペニスまで導いた。

　ちゅ……

　いつもと同じように、兄の男根ペニスの先端に口づけてから、弟は兄の男根ペニスへの奉仕ほうしを始めた。

　ちゅぱ……、ちゅぱ、ちゃぷ……

　必ず、いやらしい音を立てて……教えられた通りに。

「リシェ？　少し、尻を上げなさい。ーーうん、いいよ。……卑猥ひわいで可愛い」
　愛しさを込めて、弟は兄の男根ペニスを|咥えて、しゃぶった。もっと固く、大きく勃たつように……。

「日陰シェイ……青、ーーいや、白のティゼを使おうか」

「ーーぁ、……はうっ」

　白ティゼの軟膏ローションを纏まとった日陰シェイドの指が、弟の肛門アヌスの縁ふちをなぞった。

「あ……、何故……」
「ん……？　白ティゼでふわふわしよう？　リシェ」
「いやだ……僕リシェだけ……」
　男根ペニスから唇を離し、弟が訴える。

「ふふ……、兄さまもふわふわする。一緒に」
「嘘……、ティゼ…もう効かないって、言っ……あ、あぅ」

　つぷ……

　日陰シェイドの指が、弟の肛門アヌスに沈む。

「兄さまの男根ペニスを咥くわえて、リシェ？　ティゼは記憶を呼ぶ。ーーだから兄さまも揺蕩たゆたう……」

「あ…っ……や、悦い……んっ、ん……、や、咥くわえて、るの…無理…いぃ……」

　つぷん、つぷ、ちゅぷ、ちゅぷ……

「日陰シェイ、いいだろう。ーーリシェ、自分で挿いれるんだ。　ーー兄さまを犯してごらん？」