ジャイアントパンダ伝説

夢ノ命

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【ようい どん!で】

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「長老さま。人間の奴が起きたようです。いかがいたしましょう。いっそ俺の牙で、息の根をとめましょうか? 」

トラがアイアイに言う。

「さあ、大変だ。戦闘態勢に入るんだ。いちについて。ようい、どんで、僕は逃げよう」

ペンギンは、あわてふためきながら、わけの分からないことを口にする。

長老はペンギンをたしなめるように穏やかに言った。

「落ちつきなさい。ことは穏便にすませよう。どんな時も決してケンカ腰になってはいかん。ここは逃げるが勝ちといこうじゃないか。さあ、カンガルーはリクガメのじいさんをポケットにつめこむんじゃ。さあ、みんな一斉に外へ出よう」

長老の合図と共に、皆は急いで階段を駆け降りた。

長老が最後に階段を降りようと足をかけた時、階段のドアが開く音が聞こえた。

長老は足を忍ばせながら、一気に階段を駆け降りる。

長老がマクドナルドの店舗から出ようとした瞬間、非常ベルの音が鳴り響いた。

おそらく、メンテナンスのバイトの人間は、強盗が入ったと勘違いしたのだろう。

ドタバタと階段を降りてくる人間の足音がした。

それを聞いた動物たちは、急いで公園の中へ散っていった。


〈続く〉
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