37 / 56
【ようい どん!で】
しおりを挟む「長老さま。人間の奴が起きたようです。いかがいたしましょう。いっそ俺の牙で、息の根をとめましょうか? 」
トラがアイアイに言う。
「さあ、大変だ。戦闘態勢に入るんだ。いちについて。ようい、どんで、僕は逃げよう」
ペンギンは、あわてふためきながら、わけの分からないことを口にする。
長老はペンギンをたしなめるように穏やかに言った。
「落ちつきなさい。ことは穏便にすませよう。どんな時も決してケンカ腰になってはいかん。ここは逃げるが勝ちといこうじゃないか。さあ、カンガルーはリクガメのじいさんをポケットにつめこむんじゃ。さあ、みんな一斉に外へ出よう」
長老の合図と共に、皆は急いで階段を駆け降りた。
長老が最後に階段を降りようと足をかけた時、階段のドアが開く音が聞こえた。
長老は足を忍ばせながら、一気に階段を駆け降りる。
長老がマクドナルドの店舗から出ようとした瞬間、非常ベルの音が鳴り響いた。
おそらく、メンテナンスのバイトの人間は、強盗が入ったと勘違いしたのだろう。
ドタバタと階段を降りてくる人間の足音がした。
それを聞いた動物たちは、急いで公園の中へ散っていった。
〈続く〉
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる