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エピソード3 隣の沼のワニがやってきた
しおりを挟むある満月の夜のこと、隣の沼に住んでいるワニがやってきました。
「やあ、ジョルディール。いい月夜だね。
僕たちワニにとって、最高じゃないか。体を動かしたくて、ウズウズするよ」
「やあ、隣の沼のワニさん。ご機嫌よう。本当にいい月夜だね。
ワクワクするなあ。今夜は友達が遊びに来るんだ」
「君は、本当に友達が多いな。今夜は誰が来るんだい?」
「カバさんとライオンさんだよ」
「ほほう。それは楽しそうだね」
と言った隣の沼のワニの目がキラリと光りました。
「ところで、君は聞いていなかったのかなあ。ライオンに赤ちゃんが生まれたそうだよ。
それで今夜はお祝いのパーティーがあるんだ」
「えっ。それは知らなかったなあ。ほんとう?」
ジョルディールは、目を丸くしました。
「ああ、本当さ。ライオンのヤツ、君をビックリさせたかったのさ。
実は、僕から君に伝えてくれって、頼まれたんだ。
サバンナの西のはずれのバオバブの木の下でやっているそうだよ。
君も早く行かなくちゃ」
「なんだ、そうだったのかぁ。ありがとう、隣の沼のワニさん。
それなら僕のほうから行かなくちゃ」
ジョルディールはそう言うと、沼から這い出して、
西へ向かってずんずんと行きました。
ジョルディールが小さくなって見えなくなると、隣の沼のワニは、
ジョルディールが暮らしている沼に入っていき、泳ぎはじめました。
しばらくすると、カバがやって来ました。
「やあ、ジョルディール。遊びに来たよ」
「やあ、カバさん。会いに来てくれて、ありがとう。
今日は本当に水遊びに持ってこいの日だね。
その前に、君の歯を磨いてあげよう。
僕のシッポは、君の歯を磨くのに便利だから」
「ありがとう、ジョルディール。それなら久しぶりにやってもらおうか」
カバは沼のほうを向いて、大きな口を開けました。
それを見ると、沼からゆっくり這い出してきたワニが、
くるりと後ろを向いて、シッポをカバの大きな口に近づけました。
そして、カバがあっと気がついた時には、もう遅かったのです。
ワニのとんがったシッポが槍のように、カバの口をつらぬきました。
カバは、ガバガバガバと、大きな鼻息を鳴らし、一声、
「ジョル…ディール……」
とつぶやくと、倒れてしまいました。
〈続く〉
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