ワニのジョルデール

夢ノ命

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エピソード2 ライオンさんがやってきた

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カバは、大きな口を開けました。


ジョルディールは、器用に、とがったシッポの先を動かして、

カバの歯についた緑の藻(も)を、取りのぞきました。



それからというもの、カバはジョルディールの友達になりました。



今度は三日月の夜のこと、沼の岸辺で二つの目がキラリと光りました。



「ジョルディール。またそんな声をだしておるのか?」


もじゃもじゃなたてがみをした、大きなライオンが、ぬっと現れました。



「やあ、ライオンさん。ご機嫌いかがですか?」


「ご機嫌か? すこぶるナナメだ。いや、それ以上の逆さナナメだ」


「どうしたんです?」


沼の中で泳いでいたジョルディールが心配になって、岸に上がって来ました。



「ワシのたてがみが、この間のつむじ風に巻かれて、もじゃもじゃになってしまったのだ。

おかげで、みんなの笑いものだ」


「ハハァン、分かりました。ちょっとこの沼の水で、たてがみを濡らしてごらんなさい。

そのあと僕の歯で、たてがみをとかしてあげましょう」



「そんなことを言いおって。実はワシを食べる気だろう。

たてがみをとかすフリをしたワニに食われたライオンは、数えきれぬわ」



「けっして、そんなことはありません。この声に誓って」


「ジョルディール。ジョルディール」


ジョルディールの鳴いている声を聞くと、

不思議なことに、ライオンは信じてみようという気持ちになりました。



さっそく沼に入ってたてがみを濡らすと、

岸辺で待っているジョルディールの前に来て、座り込みました。



「さあ、やってくれ」


ジョルディールは、大きな口を開けて、ライオンのたてがみを噛みながら、

上から下へと、とかしていきました。



やがて、ライオンのたてがみは、ふさふさした立派なたてがみに戻りました。


それからというもの、ライオンはジョルディーの友達になりました。



〈続く〉
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