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エピソード7 創造の実
しおりを挟む「もしもし、わたしの上にのっているあなたは、誰ですか?
重たいので、どいてくれませんか」
ジョルディールは、お腹の上でマブシイほど輝いているチーターに、そう言いました。
「ハッハ。ようやく気がついたか、ジョルディール。ワシに会いたかったのだろう? 」
光るチーターは、シッポの先をヒュンとジョルディールのアゴの前に持っていき、
チラつかせました。
「あなたが、森の精キリマさん?」
「皆はそう読んでおるが、なあに、ただのオロカモノじゃよ。
ジョルディール、ワシに何が聞きたい?」
光るチーターは、そう言うと、ようやく、ジョルディールのお腹の上から地面へ、
ひょいと降り立ちました。
やっと自由になったジョルディールは、体をクルリと回転させて、
いつもの這う姿勢に戻りました。
転がったり、ひっくり返ったりを繰り返していたせいか、
起きあがって見るいつもの世界が、とても素敵に思えました。
「わたしが暮らせる沼をさがしているのです。あなたがご存じだと聞いて、探していました」
「ワシをさがしていただと? それは思いちがいもいいところだ。
お前がワシを引き寄せたのだ。
あの猿たちも、レモンの木も、レモンのすっぱい味も、みんなお前が創造した。
そうして、ワシのところまで、お前が勝手に転がってきたのだ」
ジョルディールは、森に入ってからここまでの道のりをふと、思い返してみました。
イバラの道とまではいきませんが、ジョルディールにとって、
初めての冒険であったことには、間違いありません。
「かがやくレモンの実、あれは創造の実だよ。
食べたものは、自由に好きなことを創造できるんだ」
〈続く〉
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