カバさんのブルルンルン!

夢ノ命

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エピソード4 忘れないよ

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……………………………………

…………………………………

シマウマは、ぼうぜんと、立ち尽くしていました。


まさか、カミナリが目の前に落ちるなんて。


それもよりによってカバの上に。


あんなすさまじいカミナリを受けたら、

ひとたまりもありません。



人間の乗り物にまたがったまま、黒こげになって地面に倒れたカバの姿を見ると、

シマウマは、背中がかゆくてたまらなくなってきます。


カバは、まだかすかな息をして、体をふるわせているのです。



『いま、カバさんはきっと、夢の中で、

この人間の機械にまたがって、サバンナを走ってるんだね。』


ふと、後ろから、カバの肉の焼けたにおいをかぎつけた動物の気配がします。



『やってきたな、きっとライオンのヤツさ。

今度は、僕がブルルンルン!する番だ。』



『あんなにあこがれていたカバさんのブルルンルン!忘れないよ』


シマウマは、くるりときびすを返すと、

動物の気配がする方へを駆けだしました。


まるで、自分に気を引き付けるかのようです。


そして、そのそばを全力で、通り抜けました。



思った通り、気の荒いライオン3頭が追ってきます。


かっぱらかっぱらかぱかぱかっぱら。



シマウマは、走りながら、思いっきり口から息を吸い込んで、

口をふくらましました。


そして、いっきに吐き出しました。



『ブルルンルン!』



〈完〉
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