サンタクロースの誕生日

夢ノ命

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サンタクロースのしるしのあるもの

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シャシュとフォーフィーがサンタクロースのもとへ戻ったのは、窓からさしこむ朝日をあびて、目をこすりながら、サンタクロースが起き出したころでした。


「クロスじいさん、いま もどったぜ!  」


「ふぉっ、ふぉっ。ふたりともおかえり」


そう言うと、サンタクロースは、ゆきいろのぶかぶかなパジャマ姿で、しろクマの絵のついたとんがりぼうしをチョコンと頭にのせたかっこうのまま、ベッドのふちに腰をかけました。


シャシュとフォーフィーもベッドの上にぴょんととびのり、サンタクロースのそばに、ぎこちなくすわります。


「いいのじゃよ。シャシュ。ものがたりの終わりに、はじまりがくっついているように、ゆうきのはじまりの前には、ひょうしぬけ、という落とし穴もあるんじゃ」


シャシュは思わず、ジャンプして、サンタクロースの肩にとびのると、口をシジュウカラのようにとんがらせました。


「アンパンマンのゆうき……それを、まみちゃんはみちばたでみつけたんだ」


「ふぉっ、ふぉっ。さいきんは、みちばたにも、ゆうきがころがっているんじゃな」


サンタクロースは、じまんの口ひげをいじりながら、シャシュのかおをのぞきこみます。


「ころがっていたんじゃないよ、男の子のこころに、しがみついていたんだ」


「なんとな?  男の子のこころに? 」


サンタクロースはおどろいた様子で、真っ白なまゆげに隠れた目を光らせました。


「あれはないよな。はんぶんフリーターではんぶん引きこもり男子 だからな。おまけに仕事が空きカン屋なんて、聞いたことがない」


シャシュは、腕を組みながら、まゆをへの字に曲げて考えこんでいます。


そんなシャシュをみると、フォーフィーは、口を出さずにはいられませんでした。


「シャシュ。かれは、日本の男の子。21歳で若いんだ。ひめた才能をだしおしみして、可能性という道のりをはんたいに歩きたいとしごろなんだ。君だっておぼえあるだろ、21さいのころの君は、イブの夜、配達とちゅうによくプレゼントをなくして、ぼくに泣きついてきたじゃないか。そんな君は、いまではプレゼントくばりの名人さ。空きカン屋だって、みちばたにころがっている空きカンをひろいあつめてるんだから、りっぱに世の中の役にたっているじゃないか」


「それは、そうだけど……」


シャシュは、いつもふきげんな時にそうするように、ほっぺたをふくらませます。


「シャシュ。まただいじなことをわすれてるんじゃない」


フォーフィーは、そんなシャシュのきげんをとるようにやさしく言いました。


「うっ。あぶないあぶないあぶない。クロスじいさん、だいじなことをわすれてたぜ。男の子のココロにしがみついたゆうきは、白くひかって、リンリンおとがなっていたんだ……あのリズムは……まるで……」


「ジングルベルの歌だったんじゃな」


サンタクロースは、こんどは、シャシュのひとみをのぞきこみました。


「なるほど、そうじゃったか。日本にもサンタクロースのしるしのあるものがおる」


サンタクロースは、そう言うと、ベッドから立ち上がり、さっそく、身じたくにとりかかりました。

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