夜行列車ー冥土往還記

B.H アキ

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夜行列車ー冥土往還記(あとがき)

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終章 あとがき ― B.Hアキ 

この物語を書いているあいだ、
私は何度も「生と死の境目」というものを考えました。

人はいつか、必ずその境を渡るときが来ます。
けれどそれは恐ろしい終わりではなく、
心の奥にある“想い”が形を変えて旅立つ瞬間なのかもしれません。

夜行列車に揺られて向かう冥途の道は、
きっと誰の中にもある小さな記憶のようなものです。
 懐かしくて、どこか切なくて、
 けれど優しい灯がともっている場所。

 主人公が見た閻魔王や鬼たちは、
 罰を与える存在ではなく、
 “生きる意味”をもう一度問いかけてく 
    れる案内人です。

そして審判の場で閻魔王が言った言葉…

 > 「生きるとは、己を見つめ続けるこ
             となり。」

この言葉こそが、私がこの物語を通して伝えたかった思いです。
人は誰しも迷い、過ちを重ねながら歩いていきます。
でも、それでも立ち止まって涙を流す時
 そこに“心”があるかぎり、
私たちはまだ、生きる途中にいるのだと思うのです。

 夜行列車はもう遠く、
 けれどあの汽笛の音は、    
    今も心の奥で鳴っています     

この物語を読んでくださったあなたが、
少しでもあたたかい灯を感じてくださったなら――
それが、何よりの喜びです。

最後までお読みくださり、本当にありがとうございました。

 
 ―― B.Hアキ
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