依存

せぅな

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ゲーム依存

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 私の隣の家は私の憧れが詰まったおうち。

 私が十歳の誕生日を迎えた次の日。その人は私の隣の家に引っ越してきた。

 引っ越し屋さんのトラックの中のダンボールが隣の家に運ばれていく所を私はずっと正面から眺めていた。 

 腰まで届いた綺麗な黒髪の女の人が私に言った。その人は美人で雰囲気が大人の女性って感じで。

 見ていてとてもまぶしかった。

 はじめましてのはずなのに私が幼かった頃、私を抱きしめてくれた人によく似ていた。

「整理整頓明日の午後までに終わるから、用がある?のならその時に来てほしいな、」

 ずっと私が眺めていたのがバレたらしい。私はお辞儀をしてコソコソと家に帰っていった。

みすぼらしい腰までの髪をくくりながらお母さんは、私にこう言った。

「はい、まんじゅう。買ってきたからあげたい人にあげなさい。自分で食べちゃダメよ」

 日に日に増えるお母さんの腕や顔の痣のせいで私は今日もお母さんの顔を見て話せない。

「分かった」

まんじゅうだった。結構前に食べた時、物凄く美味しかったことを覚えている。
そうだ。隣の人にあげよう。

 次の日。私は学校で幼なじみの男子と喧嘩をした。喧嘩をした際、その子は髪の毛を引っ張ってきた。そして私に言った。 

「お前の髪型、ボーイッシュとか全然似合ってねーし。服装も男っぽいし」
その子は幼稚園からずっと遊んでたから。一緒にいていつも楽しかった人だったから。私はとてもショックだった。

私の心も痛い。私の頭皮はもっと痛い。

 私は頭を保健室で貰った氷で冷やしながら泣きじゃくった顔をして家に帰ってきた。お母さんがどうしたの?という顔で私の頭を撫でた。

「なんでもない」

馬鹿だなと思った。きっとお母さんには何があったか分かられてるのに。

私はお母さんを無視して自分の部屋に向かった。

 まんじゅうです、つまらないものですが。そう言うと、腰までの綺麗な黒髪のの女の人は凄く喜んだ。

「私から行こうと思っていたのに...。どうもありがとう」

お辞儀をして帰ろうと思った。だけど、女の人が微笑んで言った。

「一緒にまんじゅうたべない?」
そんな、申し訳ないです。
「いいのいいの!そんな顔してたら心配になってきたし」

しまったとおもった。泣きじゃくった顔のまま、マスクもせずに来てしまった。

「話、聴くよ?」

私は隣の家の女の人に、いつの間にか事の発端から今に至る経緯まで、話していた。

「彼は悪いけど、悪くないね。」

女の人はそう言った。 

「ちょっと前まで髪長かったんでしょ?でその子に似合ってるって言われたんでしょ?じゃあ、その事を気にしてるだけだと思うし服装は好みでしょ」

可愛いじゃないとでも言うように女の人は楽観視した。

「気にすることないよ」

女の人は微笑んだ。私の瞳の奥を見透かしながら。

 それから私はことある事に彼女の家に行った。勉強を教えてもらったり、ゲームしたり、映画見たり。 

 私は家族とあまり喋らなくなった。相談しようと思ってもお母さんはいつも疲れていそうな顔をしている。お父さんは私が起きている時は寝ていて、私が寝ている時に仕事に行っている。

基本あまり喋れない。

たまに、お母さんとお父さんが夜に喋っているけど、なんだか私の話なんて聴いてくれなさそうな様子で。

 彼女は私の話をよく聴いてくれた。

彼女の家はお母さんがあまり買ってくれない物がたくさんあった。

彼女の家は、優しさが詰まっていて、とても羨ましかった。彼女は私にないものを持っていた。

 いつの間にか女の人の存在は私の中で大きな存在になっていっていた。

 それから三ヶ月が経ったある日、彼女は唐突にいなくなった。彼女の家のドアに無料サービス終了の文字。

私はこれが現実では無いことを思い出した。

 目から涙が無意識に落ちていた。

頭が真っ白になった。彼女がいない世界なんて、想像出来ない。



彼女は、彼女は、彼女は.........。

 
 
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