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ムカつく野郎 ※R15
しおりを挟む「エヴァ様おまんこ舐めさせてください♡」
「っ・・・」
「・・・ねぇ、僕の御奉仕拒むつもりですか。また分からせられたい?」
2人きりの部屋。いつの間にか背後に回っていたユリスに壁へと追い詰められ囁かれる。俺の返答がない事に焦れたのか脅すように冷たい温度でそう告げる。自動操縦された事により散々煽り倒した挙句ユリスに性的奉仕をさせた俺だがユリスは毎日のように俺の体に触れようとしてくる。
勿論度々拒否しようともしたのだがそうするとユリスの機嫌が酷く悪くなるのだ。俺がユリスに冷たい態度を取った際傷ついていたのが嘘のように、今じゃ完全に俺を舐めきっているとしか思えない。
「俺に触られたらトロトロになって堕ちちゃうくせにそんな態度取るんだ」
なんてことを言ってくる。最初は舐めるだけで済んでいた行為も指の挿入から始まりどんどん過激になっている気がする。その内犯されてしまうのではという恐怖で今まで通りユリスに接することが出来なくなっていた。
拒めば酷く責められてしまう。ユリスの態度の変わりようも怖くてそれなら大人しく受け入れた方がまだ後々響かなくて良いと体を委ねてしまうのだ。
体のいい性欲処理相手とでも思われてるのか。それともムカつく主人への報復のつもりなのか。
手で顔を掴まれ無理やり合わせられた唇に嫌悪感を覚えながら現実逃避するように目を瞑った。
「エヴァ様そろそろ戻りましょう。お身体も冷えてますし風邪を引いてしまいます」
「 ああ、そうだな」
ユリスと俺はまたあの湖に来ていた。相変わらずユリスに変な事をされているのは変わらないがこうして馬に乗って自然の中で過ごすのは心身ともに癒される。この時だけはユリスも俺の傍にいるだけで身体に触れてくることは無かった。
持ってきたタオルでユリスに脚を拭かれている時、ふとユリスの頬に花びらがついているのに気づく。
「ユリス顔を上げろ」
「えっどうされたんですか」
顔をそっと掌で押え拭うように花弁を取る。顔を上げた事で思った以上の至近距離になってしまいユリスの頬が赤くなった時まずった怒らせたかと焦ってしまう。
「花びらがついてたから」
「あ・・・ありがとうございます・・・」
「それにしてもお前本当に綺麗な目してるよな」
空を映したかのような青い瞳を覗き込めばまるで透けた窓ガラスのように自分の顔が映る。
「えっエヴァ様・・・!近いです・・・!」
は?いつもあんな事してくるくせに何この程度で嫌がってんだよ。少しムッとして手を離そうとした時突き刺さるような視線を感じて振り向いた。
「アルベール・・・?」
木々の間からこちらをじっと能面のような表情で見ていたのは他でもない婚約者だった。
「何であいつがここに」
「・・・ユリス、先戻ってろ」
「えっでも!?」
「命令だ。早く戻れ」
「っ・・・あんまり遅かったら迎えに行きますからね」
不満げなユリスの背中を叩き早く帰れと促す。皇子様がなんでこんな所にいるんだと溜息をつき未だこちらを見つめるアルベールの元に駆け寄った。
「アルベール様こんな所でどうされたのですか?」
「どうしたも何も僕が婚約者に会いに来ちゃおかしいの?」
「いえ・・・そんなつもりでは・・・」
何だこいつ?あれだけ俺を嫌ってたみたいだからわざわざ来るなんて何か用事があるのかと思って聞いただけなのに。やけに棘のある言葉で思わず口を閉じる。
「それにしても本当に会いに来るどころか文も寄越さないなんてね。これじゃ僕達本当に婚約者なのかって疑われてしまう」
「・・・ですがアルベール様が仰ったのではないですか。婚約者だからと会いに来たり手紙を送るなと」
「・・・だからと言って他の者と必要以上に仲良くするのはどうなのかな」
「は・・・?」
「さっきの男の子、随分仲睦まじそうだったけど。どういう関係なの」
「えっユリスの事ですか」
作り笑顔すらしなくなったアルベールは淡々と俺を詰める。
「身なりからして使用人のようだけど婚約者がいる者の距離感では無いよね?君の振る舞いが僕にも影響するの分かってるのかな。ああ、分からないかだって君父親の権力を傘に我儘ばかり言ってるお坊ちゃまだもんね」
はぁ!?こいつ何でこんな偉そうなの!?
ちょっと流石にムカついてきた。俺が下手に出てるからって好き放題言いやがって!
あまりのイラつきにこいつに対する遠慮とか恐怖とか無くなって来る。もう頭にきた悪役令息らしくお前をこてんぱんに貶してやるよ。原作では俺がお前にベタ惚れとか知るか。
「アルベール様その言い方はあまりじゃありませんか?僕は貴方の言いつけを守っていただけなのに。そもそも僕たちの婚約は政治的なものでお互い一切の恋情がない事をお忘れですか?好いてない婚約者に演技で擦り寄れとでも?」
「っ・・・!?」
「それに僕が誰と関係を持とうと自由ですよね?ここは僕の家の敷地ですしこの湖に滅多に人は来ません。そんな所にわざわざ立ち入ってきたのはアルベール様ですし」
「お前っ・・・!」
「ああ、あの使用人との関係ですか?あれは恋人なんかじゃありませんよ。僕のバター犬です、手も出してこない不能などこぞの婚約者として違って毎晩僕のことを満足させてくれるんです。婚約なんてしてたら他の男に手を出しづらいし僕としては早く婚約破棄して下さって結構ですよ?」
アルベールの肩に手を置き頬を撫でればその表情が怒りに滲む。不敵な笑みを浮かべそのまま男の胸を突き飛ばしさっさと去る。
あーースッキリした!アルベールのあの表情ったら。あいつの怒りは買ってしまっただろうがとっとと俺との婚約を破棄していずれ現れるヒロインとくっ付いて欲しいものだ。
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